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ベンチ下の鳩
公園のベンチでお昼ご飯を食べていた。
「クルックー、クルックー。」
鳴き声の主は鳩だ。
すぐ目の前を、物欲しそうな目を向けて歩いていった。
「クルックー、クルックー。」
別の鳩だ。今度は反対から歩いていった。
「クルックー、クルックー。クルックー、クルックー。」
別の・・・鳩。
いや、さっきの鳩?
いや、そんな訳がない。目の前にいち、にい、さん、よん、ご・・・って、なんでこんないっぱい集まっているわけ!?
いつの間にか、私は鳩に囲まれていた。
私のご飯を欲しそうに、ベンチの周りをぐるぐると回っている。
(お前たちにあげるものはない!!!)
と叫ぼうとしたら、何をしたわけではないのに、逃げるように、鳩たちが一斉に飛び立った。
動物は、言葉や行動にしなくても、どうやら意思が伝わるらしい。
「クルックー、クルックー。」
いや。一羽、図太い精神の鳩がいた。ベンチの下からだ。
(なんか、こいつには残りの弁当をあげてもいいかもな。)
そう思っていると、
「クルックー、クレックー、ソレクレックー、ソレクレックー、ソレクレックー!!!」
ベンチの下から。
何かがごそりと動いた。
何も見ないようにして、残りの弁当をベンチの上に置き、その場を去った。




