さんたかやま
中学生くらいの頃だ。
友達とみんなで、山に来た。みんな、さんたかやまと呼んでいる。3番目に高い山だからだとか。
みんなで、さんたかやまの中でキャンプした。キャンプといっても、ご飯は素朴というか、そもそも無い日もあったし、とても空腹な毎日だった。
そのキャンプが長い。一週間、一ヶ月、いやそれ以上の長いキャンプだ。
私はいつの間にか病に倒れていた。体中が痒くて痒くて血まみれになりながら、それでもかゆくて掻きむしるところで・・・・・・・・・・・・・・目が覚めた。
「さんたかやま。」
名前は、はっきり覚えているが、自分が学生の頃に行った記憶はない。
しかし、場所は分かる。ここから歩いていける場所だ。
その山の存在は知っていた。
しかし、名前は『さんたかやま』ではなかった気がする。
ふもとに到着したが、想像以上に大きい山だった。夢の中の記憶と全然違うものだ。
でも、ここだ。それは、確信めいたものがあった。
入り口の脇に、小さな小屋がある。
夢で寝ていた宿泊施設とは違うが、でも、そこが気になった。
まだ言葉に慣れていないため、スマホを使って調べると、資料館みたいな名前だった。
恐る恐るドアを開けて覗いてみると、白黒の写真がたくさん飾ってあり、奥でおじいさんが一人、ポツンとイスに座っていた。
「こんにちは。」
声をかけると、おじいさんはポカンと口を空けながら、こちらを見た。
「日本人かい?」
挨拶がたどたどしいから、すぐに分かったのだろう。
「はい。」
おじいさんは、急に目の色が変わった。
「お前たちが来るところではない。帰りなさい。」
「いや、あの。・・・すみません。」
すごい剣幕でだったので、訳が分からないまま誤った。
「すいません、ひとつだけお聞きしたくて、ここは、さんたかやまですか?」
「違うに決まっているだろ。
ここはもうお前たちの領土ではない。その名を使うな。魂山と呼びなさい。さあ、帰りなさい。」
押し出されるように、追い出された。
改めて外の景色をみるが、私の夢とは程遠く離れたものだった。




