貧乏サウナ
「暑いなあ。」
友人が呟く。
「暑い。」
相槌を打つのが面倒なくらいの暑さ。俺は会話すらしたくなかった。
「お風呂入りたいなあ。」
「入りたい。」
「お風呂に入ったら、やっぱりサウナ行きたいよなあ。」
「だね。」
「でも、金ないよなあ。」
「ね。」
「そうだ!!!」
友人が目を輝かせながらこちらを見た。
「いいことを思いついた!!!無料のサウナ!!!」
「そう。」
友人から余計な熱量を感じ、さらに暑くなるような気がして、不快な気持ちでいっぱいだった。
しかし、友人があまりにも自信を持っていたので、そのひらめきに従うことにした。
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「なんか、気持ちよくね。」
「うん、意外と。」
「整った気がするよね。」
「うん。」
「サウナだよね、これ。」
「ね。」
俺は気持ちいい時間を過ごしたいが故に、友人と会話をしたくなかった。
外を1時間歩き、クーラー効いたお店の中で5分。また外を歩いて・・・の繰り返しを3セット。最後に行き着いたのは、家財コーナーソファの上。トドのように横たわる、男性2名。
意識は心地よくボーッとしている。
「お客様。お客様。起きてください、お客様。」
そうしていると、すぐに店員に起こされた。そんなにいたつもりはないのだが。
いや違う。店員の後ろに家族連れがいた。ソファを選ぶのに、我々が邪魔だったのだろう。
「すみません。すぐにどきますので。」
友人と、ふらふらとした足取りでソファを離れる。
後ろから幼稚園児の声がした。
「なんかここくちゃーい。」




