DVDプレイヤーの叫び
「ただいま。」
息子が帰ってきた。
「おかえり。」
「ねえ、今日の晩御飯は何?」
「カレーだよ。」
「うおー!やったー!」
一緒にリビングへ向かったのだが・・・息子のテンションが急に下がった。
「どうした?なんかあった?」
「ねえ、なんかうるさいんだけど。」
「うるさい?」
「うん。向こうの方から音がする。」
息子が指さす先はテレビだった。
でも、テレビ画面はついていないし、音がするはずはない。
ポカンとして見ていると、息子が心配そうに聞いてきた。
「お父さん・・・本当にこの音が聞こえないの?」
「聞こえないなあ。」
「嘘でしょ!?!?」
息子は我慢ならないようで、自分で解決しようとしていた。
「テレビの裏から。・・・あ、これだよこれ。これから音がするんだよ。」
子供が指さすソレは・・・DVDプレイヤーだった。
「もう、コード抜いてもいい?モスキート―ン的な音がうるさすぎて。」
「そうか・・・ならしょうがないか。お父さんには、ホント分からなくて。」
「壊れかけているんだろうし、いっそ捨てちゃお。DVDプレイヤーなんて、俺が小さい頃は主流だったけど、もう使わないし。今はネットで見れちゃうから。そういうの詳しくないなら、お父さんにも教えてあげるよ。」
「おお、頼むわ。」
再びテーブルに戻る。
子供は懐かしむようにカレーを頬張った。
久々の帰省である。
息子は25歳。俺も気が付いたら70歳だ。




