焼きネギラーメン
小さな田舎の駅前にて、看板の汚いラーメン屋があった。
ネットで調べると、評価もまあまあ良かった。焼きネギラーメンというのが、看板メニューらしい。
ガラガラっと戸を開けて中に入る。
入った瞬間に漂ってきたのは、焦げたような匂いだった。
(これが、焼きネギなのか!強烈だなあ・・・。)
そんなことを考えていると、厨房の中に店主がいるのが見えた。
「あの・・・どこに座っても大丈夫ですか?」
「・・・。」
かなりご高齢の人と見える。
俺の声も届いていない様子であり、一生懸命に火を操っている。
(まあ、いいか。ゆっくり待って、店主がこちらに来たら注文しよう。)
天井まで届きそうな、大きな火。モクモクと立ち込める白い煙。店内はだんだん煙っぽくなってきた。
「ああー!!!ダメだ!!!上手くいかねえ!!!」
店主が急に叫んだ。
やはり、年をとると体が言うことを聞かないのだろう。
もしかしたら、焼きネギラーメンが食べれるのは、これが最初で最後かもしれない。どれほど時間がかかっても、食べてみたいものだ。
「おい、あんた。そこで何してるんだい?」
ちょうど店主がこっちに来た。
「あ、忙しいところすいません。焼きネギラーメンひとつください!」
「何呑気なこと言ってるんだい!」
店主は怒鳴りながら、店の外へと駆けていく。
「火事だよ火事!!!早くここから逃げて!!!」
厨房を見ると、火は天井に燃え移り、黒い煙が立ち込めていた。




