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婚約者

 私は誕生日を終えすごく悩んでいた。


 婚約か、日本と違ってこの世界では当たり前なんだろうな。


「はぁー」


「クリステラ、ため息をついてはいけません。最近はよくなってきましたのに」


 スライスは私の頭を弱く叩いてくれたが久しぶりなので痛い


 五歳から婚約話を考えなきゃいけないんだからため息の一つや二つ付きたくなりますよ、いかにも悪そうな貴族の嫁になんて行きたくない。せっかくこんなかわいい子に転生したんだからイケメン王様と青春がしたい。


 幸いお父様は私をまだ結婚させる気はなさそうだから当分は大丈夫だと思うけど。


 でもお父様のことだしイケメン婚約者でもお前に娘はやらんとか言い出しそうだな。


「はぁー」


「クリステラ、もう誕生日は終わったんですよいつものようにきっちりしなさい」


 スライスはさっきより力を強くして私の頭を叩いた。


(まじで痛い)




 ––数日が経過しお父様から呼び出された。


 お父様から来ることはあっても呼び出されるなんて初めて何かやってしまったか?


「アスラなんでお父様が私を呼び出したか分かる?」


「要件は私には分かりませんが今日は旦那様の戦友であるコリアス様が招待されていますのでそれ関連の話ではないかと」


 コリアス、たまにお父様が話していた人だよな、一緒に戦場を駆け回って同じ成り上がり貴族の一番の友人って言っていたけど。


「まぁ大丈夫か、アスラすぐ行きましょう」


「はいお嬢様」


 私が父とコリアスが談笑している部屋の前に来てノックをしようとしたその時私の耳に一番聞きたくない言葉が入り込んできた。


「お前の息子とクリステラを婚約させないか?」


 どういうことですの!!??


 動揺して心の言葉もお嬢様言葉になってしまった。


 落ち着け素数を数えて落ち着くんだ、一、二、三、五、七、九、十一。だめだ所々素数じゃない数字を数えている。


「お嬢様どうかなさいましたか?」


 鈍感なアスラでさえ私の様子に気付くレベルだ。


「いや別に大丈夫よアスラ私は何も問題ないわ」


「それでは早く旦那様の元へ行かれては」


「ちょっと待って」


 咄嗟に私の代わりにドアを叩こうとするアスラの足にしがみついて止める。


「お嬢様?」


「まだ入らない方がいいと思わない、ほらお父様達今お話しが盛り上がっているでしょうだから今言ったら話の妨げになるんじゃなくて、そうよだから話が終わるまでここでおお父様の話を聞いていましょう」


「お嬢様・・・その年でそんなことまで考えられるなんてすごいです。分かりましたお話が終わるまでここで聞いてましょう」


 アスラが馬鹿で助かった。


 私とアスラは両方壁に耳を付け会話を聞いている、傍から見れば盗み聞きしているようにしか見えない光景だ。



「どうしたんだ急に婚約なんてお前らしくもない」


「いやなクリステラの誕生日にな縁談話が出てきてな中には王族までいたんだよ」


「王族!!それはすごいな」


「本当だったら喜ぶべきことなんだがなクリステラには私と同じように好きな人と結婚してほしいのだ」


 じゃあなんで婚約させるんですかお様????


「じゃあなんで婚約を?」


「正直に言うが断る口実作りだ」


「そういう事か、だからアレスを連れてこいと言ったわけか」


「済まないが形だけでも婚約してくれないか頼む」


「構いませんよ、こちらからお願いしたいぐらいですよ」


「本当か!!」


「ええもちろん、うちのアレスも剣の稽古はまじめにやってるんですが実践形式になると途端に剣を振らなくなりましてまだ外に出せたもんじゃないんですよ」


「そうかありがとうな」


「いえいえ、ですがアレスとクリステラちゃんが本当にくっついたらどうするんですか?」


「クリステラが選んだならそれは構わんよ。それにお前の所の子なら信用できるしな」


「そうですかクリステラちゃん次第ですか」


 ちゃんと私のことを考えてくれていた少しでも疑ってごめんなさいお父様。


「アスラもうそろそろ行きましょうか」


「そうですねお嬢様」


 ドアをノックする。

「お父様クリステラです」


「クリステラか入ってよいぞ」


 中にはお父様と見たこともない男が向かい合って座っていた。その男は物腰は柔らかそうだが隠しきれないほどの威圧感が伝わってくる。


「お父様要件とは何でしょうか?」


 無意識だが私は男を避けるように父の所へ向かっていく。


「パじゃなくて私の親友のコリアスが来ているので挨拶をしなさい」


 ドレスの裾を掴み足を交差させ裾を掴んだ手をそのままの位置で少ししゃがみ頭を下げる。

「こんにちは、私はクリステラ・バルングハイルンと申します以後お見知りおきを」


「僕はコリアス・ロードエルメロス、君のお父さんの親友せんゆうさ」


「それにしてもクリステラちゃん大きくなったね」


「そうか?私はいつも見ているからな」


「クリステラちゃんは覚えてないか僕たち君が一歳の時にあってたんだよ」


 私は覚えが全然ないので何も言えない


「クリステラはまだ一歳だったからな覚えてないだろう」


「そうだクリステラ、コリアスはな私と同じ神級剣士なんだぞ」


「クリステラちゃんは確か剣術を習っているんでしたっけ?」


「はい魔法が使えないので剣術を」


「そうかい、将来は剣豪アラミス・フォルスかな」


「アラミス・フォルス?」


「女性唯一の神級剣士だよ。パ、私も戦ったことがあるがすごい剣裁きだったよ」


「どっちのほうが強いんですかお父様」


「それはもちろんパ、私だよなにせ生涯無敗だからね」


 本当なのかな?


 父は私が疑っている目を私が神級剣士になれるか不安におもっていると勘違いしたのか急に変なことを言い出す。


「クリステラは努力を続ければ神級になれる才能がある無敗の私が保証しようだから諦めずに剣術をやり続けるんだよ」


「はい」


「羨ましいですねうちのアレスにも分けてほしいですよ」


「そうだったクリステラ今同じ年のアスラ君が庭で遊んでいるから一緒に遊んできなさい」


 お父様絶対忘れてたな。


「はいわかりましたわお父様」


 私は急ぎ庭に向かった。婚約者(偽)でも婚約者は婚約者どんな人か確かめなくちゃ。


 庭に着き一人草の上で自然と戯れている銀色の髪の少年が目に入る。


「アスラあの子がお父様が言っていた子かしら?」


「見たことないのでそうだと思いますけど、おかしいですね従者を付けづにいるなんて。ってお嬢様!?」


「初めまして私クリステラ・バルングハイルンと申します」


「あ、初めまして僕はアレス・ロードエルメロスです」


 やっぱりこの子がアスラ君か。私が前世で想像していた貴族とはま反対だわね。


「君がお父さんが言ってたクリステラ?」


 お父様ことだから絶対私のことをもって話してるでしょうね。


「そうですけど、お父さんなんて言ってたのかしら?」


「僕と同じ年なのにもう中級並みの力を持っている子って。すごいね僕なんて人に向かって剣を振ることもできないのに。ねぇどうやったら僕もクリステラみたいになれるかな?」


 そんな憧れの目を向けられても私には教えられないわよ。


「そうですわね、私は魔法が使えないから剣を使って才能を見つけましたの。だから貴方も剣が振れないなら他のことをやってみては。いずれ自分に向いていることが分かると思いますわよ」


「でも僕お父さん見たいに強くてみんなを守れる存在になりたいんだ」


「ごめんなさいそういうつもりでわ」


「いやクリステラは悪くないよそもそも僕が人に向かって剣を振れないのがいけないんだから」


 アレスはこぶしを握り締め自分を戒めるかのように発言していた。


 剣士になりたいのに人に向かって剣が振れないのは少し可哀そうだ。私はどうにかできないか一生懸命考えてお父様とコリアスさんの会話を思い出す。


「実践形式になると途端に剣を振らなくなりまして」

 私はアレスが剣を振れない理由を自分なりに結論を出してみた。


「アレスもしかしてあなた人を傷つけるのがいやんじゃないの?」


 アレスと少ししか過ごしていないが見ただけで優しい人間なのだとわかる。剣を振る理由も父へのあこがれとみんなを守るというものだし。


「確かに人を傷つけるのは嫌だけど本当にそうなのかな?」


「嘘かもと思って一回試してみては、剣だけを狙って攻撃したり、もし私の考えが正しければあなたも人に剣を振るうことができるかもしれませんわよ」


「うん、試してみるよ」


 なんて素直でいい子なんだろう。この子は絶対いい旦那さんになるはね、ちょっとつばでもつけておくくべきかしら。


「クリステラありがとう僕のために考えてくれてそれでさその僕と・・・・・・友達になってください」


「アレス私たち友達にはなれないの私たち婚約してるらしいから」


「婚約てなに?」


「大人になったら結婚するってこと」


「結婚!?そうなんだでもクリステラとなら結婚してもいいかも」


 アレスが眩しくて可愛くて純粋で優しくてかっこよく見えた。


 あれ私ってショタコンだったけ?いや違う普通に同年代か年上が好きなはずなのに、なんでだろう胸が熱くなてる。


 子供の体だからかな私アレスが好きになっちゃったかもしれない。

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