天から与えられし才能
一年の月日が経過し私が四歳になりそれなりに貴族の生活に慣れてきた頃私に新しい先生ができる。
一年たった今も私は魔法が使えずにいたスライスも自分の力で教えるのを諦めたらしくお父様に頼んで王級魔法使いを家に招待して私専属の先生になった。
「クリステラ様私の名前はゴリアテと申します。これからあなたに魔法を教えさせていただきす故」
挨拶の途中ゴリアテが何か異変を察知したらしくクリステラの肩を掴みまじまじと見つめて来た。
「スライス殿少し言いにくいのですが」
「クリステラ様に何か異変でもあるのでしょうか?」
スライスは話を聞く前から慌てふためいているのかゴリアテが今にも倒れそうな勢いで詰め寄る。
まぁ一年たっても初級魔法が使えないのには私に何か原因があるのは明らかでスライスも何か病気にかかっているのか心配していたようだ。
「あの少し落ち着いてください別に命に係わることではないので」
スライスを諭し落ち着いたころにゴリアテが私の現状を話し出した。
「クリステラ様から魔力が一切感じられません。理由はわかりませんがクリステラ様の体内で魔力が生成されてないのでしょう」
スライスは足の力が抜け地面に座り込む。
私もうすうす自分の中に魔力が存在しているのかうすうす疑問に思っていた。今ゴリアテの言葉を聞いて私の考えがあっていたことに少しほっとした。
理由はわかっていないようだがこれは私が他の世界から転生してきたせいだろう。
スライスはお父様に私に魔力がないことを説明した後ゴリアテに一日分の謝礼を渡して帰らせていた。
翌朝いつも通りの時間に起こされいつも通り朝食を食べ勉強し昼食を食べ少し休む。
そしていつもなら魔法の授業をしている時間になった。魔力がゼロの人間に対して魔法の勉強をさせるほどスライスは馬鹿じゃない。魔法の代わりに何をするのか期待半分不安半分でスライスの言葉を待つ。
「まずジュエリアル様から伝言を預かっています。クリステラ私のせいでごめんなさい、とおっしゃられていました」
ジュエリアルとはお母様の名前である。お母様は私に魔力はないのは自分のせいだと思っているらしく少し申し訳なく感じた。
だが次に発せられたスライスの言葉で全ての感情が絶望に代わる。
「魔法の代わりに今日から剣術の指導を行います」
(剣術ですって!!私がうそでしょ)
クリステラはたまにだが父が剣の修行をしている場面を幾度か見て来た。それは激しく命を懸けたものなのだとみているだけでもわかる。
「私も一応中級の剣士ですので中級までは私がお教えいたします」
(私に剣なんて出来るわけがない。学校の授業で剣道をやったことはあるけどドベだったし、刃物を振り回すなんてことしたくない)
やりたくなかったが木の練習用の子供サイズの剣を渡される。
(高級なものだからかな?なんかしっくりくる)
「クリステラ様まずは私が受けますので剣を私に向かって思いっきり振ってください」
クリステラが剣を構えたスライスを見る、それは隙だらけで脇も空きまだまだひよっこレベルに見えた。
簡単にできそうな気がしたクリステラはゆっくりと違づく。自分の間合いに入った瞬間足を止め四歳児とは思えぬキレでスライスの腰に剣を振るう。
スライスも中級の剣士なので対応し剣で防ぐ。だが力では断然に強いはずのスライスが押し負ける。間髪入れずにクリステラはスライスの手の甲を叩く。スライスは痛みと驚きで尻もちをついてしまう。
尻もちをついたスライスの喉に剣を突き立てクリステラが勝つ。
信じられないという顔で下を向いているスライスは何故自分がたった四歳の相手に負けたのか上を向きクリステラの顔を見ると全身が震えあがり汗が噴き出してきた。
スライスはクリステラのことをかわいくて普通程度の能力、魔法に至っては何もできないそんな風に感じていたのにも関わらず。今目の前にいるクリステラはまるで別人化のように大きく強く怖くそして恐ろしいほどに鋭く見えた。
スライスはこの時初めて死を連想した。
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