貴族の教育
私は三歳になり拙いながらもようやくコミュニケーションができるようになった。
拙いと言っても前世の私に比べたらと言う話で、他の三歳児と比べると天才、神童と言われてもおかしくない程流暢だ。
そんな成長した私に貴族に生まれてきてしまった宿命が降りかかる、それは日本では体罰になりかねない度を越した教育だ。
まず私は朝の六時ぴったりに起こされる自堕落な生活を送っていた私はもう少し寝たい気持ちがあった、が起きないとスライスに叩かれるので頑張って起きている。
起きてすぐにアスラが髪をとかし子供用のドレスを着せる、この時間が私の唯一の楽しみである。
自分で言うのもなんだが私はすごくかわいい、とかされて綺麗に整った天然できらきらと輝く金髪に大きな目と長いまつ毛、小さな花にかわいい口そして整った輪郭、父が溺愛するのも納得である。
自分がかわいくなる癒しの時間を終えるとここから地獄が始まる。
まずは朝食パンや肉、魚、野菜など栄養がそれなりにとれる食事だ。
だがここが最初の地獄である何がかと言うと貴族や王族の食事作法である。
パンを食べるにも肉を食べるにも野菜を食べるにもそれぞれ食べ方があり少しでも間違えるとやはり叩かれる。
口頭で説明すれば理解できるのにわざわざ叩くなと言いたいが言ってしまったらもっと叩かれそうなので喉まで出かけていてもこらえるようにしている。
これだけで美味しい食事が食べられるのならまだ耐えられたのだがこの食事があまりおいしくないのである。
大体の食事の味付けは塩だけであるそう単調な味なのだ、もう普通の食事は一週間ぐらいから空き始めてしまっている。
パーティーでは香辛料や何かわからないがおいしいソースがかかった豪華な料理が出されているのだがそれ以外の場合には一切出てこない、貴族もなかなか世知辛いものである。
食事が終わった後は少しの自由時間を堪能する。
まぁ自由時間とは名ばかりの貴族の所作の教育時間である。
歩き方を間違えれば足を叩かれ、姿勢が少しでも悪く見えればまた叩かれ、飲み物を飲むときでさえも、座って休むときでさえも、はたまたトイレの中でもスライスがずっと私の一挙手一投足監視し続けるため気が抜けないのである。
そしてこの世界にプライベートと言う概念は存在しないのだと私は学んだ。
気が休まらずに勉強の時間が来る。普通三歳児には絵本を読み聞かせをして知識や字を少しずつ習わせるはずなのだが私の家ではそれを端折って字の勉強、算数の勉強をさせられる。
だが幸い勉強と言っても日本で言うあいうえおの勉強や足し算レベルなので精神年齢二十五歳の私には楽勝なのだ。
だができるからと言って簡単にやってしまうともっと難しくもっと多くのことをやらされるのは目に見えているため考える振りをして時間をつぶし休憩することにしている。
勉強時間が終わり自由時間(嘘)をし昼食を食べ、また自由時間をすごした後最大の難所の時間が訪れる。
それは 魔法の授業である。
最初は魔法が使えるのかと驚きわくわくしていたが私には才能が一切なく悲しいかな一個も魔法を覚えることが出来なかった。
スライスが言うには自分の中に魔力が存在しそれを力に変えるイメージでやってみると初級魔法なら教えれば誰でもできるそうなのだが私が転生した身だからか魔力イメージすること、体内に流れている魔力を感じたことすら出来ないのである。
当然できなければ叩かれるので一番苦痛を感じる時間である。
授業が終わり夕食を食べお風呂に入り寝るこれを繰り返すのが私の一日の生活である。
こんな生活を続けていくにつれ私の中のスライスの好感度はアスラの下の最底辺に位置することになった。
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