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30話

「オールインからのロイヤルストレートフラッシュっていかつくない。」


「配当倍率500倍って、アルティメットテキサスホールデムはディーラーとの勝負だからこそギャンブラーの血が騒いだのかしら。」


「ハク正直に白状しろよ。」


僕のハッピーエンドの裏で起きていたアナザーラッキーエンドだ。ジャックポッドで一瞬カジノルームはが歓声で沸いた会場の裏でポーカーをやり続づけた一人のハクの分身体。


僕に最後に付きまとっていたルーレットのハクの分身体と3人麻雀のハクとは別にカジノでの各ギャンブル台での勝率や配当金などを研究していたハクの分身体がポーカーでのこの結末を目指していたらしい。


運気が上昇しすぎてまさに幸運の女神そのものだ。


ハクが浮かれすぎたからこそ、この仮想空間での経験が終了したのかもしれない。


既に暗転してまたも浴場にきていた。詳しくいうと寝湯に寝かされてハクがいびきをしているような状態で僕は砂風呂に顔だけ出して寝ていた。マリルはサウナから出てきた瞬間水風呂に入って気持ちいいとうなっている。時間はそれほど流れているわけでもなく、夢の中での出来事だったようだ。


マリルはどうやら僕が起きていることがわかったみたいだ。


「夢でのある種の修行体験の意味は解りましたか。能力向上やスキル獲得だけではなかったんですよ。」


そういうとマリルは水風呂から上がり整うために僕のそばに椅子を用意して、一口、コップの水を飲みながら座った。


「人生のある意味縮図と言っても過言ではないですよ。対戦室での4種のゲームは仕事の時間、カジノは遊び時間と考えるとわかりやすいかもしれませんね。仕事で金を稼ぎ、その金で遊ぶ。だからこそ、効率ややり方、過ごし方、,物の見方や人とのかかわり方などの駆け引きまでいろいろ体験できたでしょ。それに、互いの人物像もはっきりわかりましたよね。」


マリルは諭すように説明を始めた。


人格とは日々の心がけの在り方だ。


成功者は成功に至るまでどれだけの努力しているのか。こつこつといい習慣と努力をする。なぜならば成功者が骨身にしみる努力を毎日積み重ねしかないと知っているからだ。


才能だけではだめです。道徳を勉強してください身に着けてください。才能と道徳を勉強によって日々積み重ねていくものであり。その中で自分の得意不得意を見つけ、できる範囲内で努力を習慣づけ、自分に求められることをきっちりやって社会奉仕する。決して我欲の為に何かを犠牲にしてはならない。それは誰かに見抜かれてしまうから。


道徳などの本当に大切なことは変わらない。


正しく儲けて分散する。良くあつめよく散財する。道徳がなければ永続しない。

やさしさと強さという現実には必要な物を用いれば困難な人生にはならない。


「神と言われるものでも、異教の神と見られれば悪魔とも言われ、神の側近の天使でも反逆者や魔王とさけばれ、良い宗教でも神の名において差別や弾圧、戦争や虐殺がおこなわれることもあるのよ。」


マリルは慈愛に満ちた顔で僕を見つめる。


「知を育て、徳も育てる事こそがアース様がこの修行で得たことです。カジノや対戦といった状況でも道徳はすべての人のためのもの、相手の立場を思いやり推測できる能力で役割を全うしました。人生においても成功は一瞬だがその人がどういう風に生きたが後世に残ります。どう生きるかが大事なんです。天命に従い、自分が何を志、誰のために生きるのか、それさえぶれなければ成功しようが失敗しようが関係ないのです。生きるということはみんなのために自分ができる事をやるしかないんです。うまく敵対しないでよい関係を保ち立ち回ることが大切なのよ。」


さっきまでいびきをかいていたハクはいつの間にかハクの後ろに立ちうんうんと頷いている。

マリルの話が一旦終えたのを見計らってハクも話始めた。


「アース様。どんなに偉い人も英雄も、勇者も・・・そう!地に降りた天使も神様もいろいろな女に情を分け与えてるんですよ。男の器量を見せてるんですよ。鬼畜、鬼、悪魔や女の敵と呼ばれても、だらしなくても人生の単位でみたら一笑いにしかならないんですからね。」


「道徳を説いていたのにハクは何を説くのでしょう。鬼神勇者と恐魔閃獅からの修行をこみで話をまとめようとしたのかしら。まったくこの娘は。」


ハクから出る恐魔閃獅ってハクの父であるダンのことか?煉獄に落ちた者から恐れられ閃光ごとく技で師とあがめられるダンと殲導冥土のマリルは可愛い娘のハクを正しい生き方をさせたいらしいが、少し考えが深いのかもしれないな。


僕は以外にもハクの発言で確信したのだ。ハクは素晴らし家庭で実直に育ったバカであることをあえて望んだという事実を。


そう例えるなら、「そんな振り方で剣術が上手くなるわけがない。ひたすらに剣を振り続けろ。そうすれば少しは見えるようになるぞ。」といわれて、誰からも相手にされず、相手にもせず、バカのように朝から晩までひたすらに信じた剣を振り続けるような愚直な努力家が大器晩成する未来が待っているということを信じているのだ。父のダンのように。


現実主義の極みだな。だからこそ、それを悟られないようにバカな物言いをする。そして、それが判っている母マリル。いい親子だ。


僕は従者になってくれるハクを守れるぐらいに強く正しく生きなければならないと心に誓ったのだ。

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