29話
「女は少しぐらい頭が緩いぐらいのほうがモテるっていうけど、バカを演じるのは辛くない?」
「???大丈夫だよ。地でいってるからさ。」
「フーン。本当に計算高いわね。」
女子会のような雰囲気の中、ディーラーとの駆け引きが絶好調になっていくハクは金貨を更に積み上げいく。ギャンブル運も運気も上昇中である。
僕のほうは相変わらず知略をめぐらしている。多分、マリルもハクも思い思いに何かしらやってるのかもしれないが僕は外見と行動、そしてその行動の動機理由を観察する。また何に感情がふれるのかや何に喜びや満足を得てるかを推察し続けた。だからこそ、マリルやハクの幻影の行動観察は彼らの人物像だけではなく人格に伴う性格や行動原理がわかってきた。
僕があまりギャンブルに対してあまり興味がなかったふりをしながらも、技術としてブラックジャックでカウンティングの知識を利用して金貨を稼ぎ、金貨に執着してないようにハクやマリルに金貨を渡す。そしてギャンブルを興味ないけど、ルールやギャンブルの知識や確率を温和な空気の中でマリルから引き出す。そして・・・気づかれないようにいろいろと仕込む。
だからこそ、ハクとカジノルームでの協力協定を結んだり、酔っ払い気味でスロットマシーンを打ってるマリルを三人麻雀に誘ったりした。
推測だがマリルも分身に身体操作における情報処理能力を分身の役割に応じてリソースの割合を分けていると推測できたからだ。だからこそ、多分一番情報を聞き出すには酔っ払いのマリルを狙うのは間違っていないだろう。
僕もこの時は対戦ゲームに一人残した幻影に4戦中2勝できるだけのリソースになるように計算して残りのカジノルームにいる分身体3人に策略応じたリソースを瞬時に変えられるように気を張りながらもゆるっとした空気を醸し出すように行っている。
でも、ブラックジャックでのカウンティングだけは金貨を増やさなければいけないのでポーカーフェイスを装うことも最初はできなかったので和気あいあいとディーラーのマリルの分身体に良いカードが来ますようにと話しかけながらボロがでないようにだけ気づかっていた。
そんなギャンブルを楽しみながらのハクと目線やテレパシーなどを使いながら僕はある程度見えてきた。わかったことはディーラーの分身体のマリルはギャンブルのデーラーをするためだけのリソースしかかけてなく、本命は酔っ払いのマリルもしくは他にいるのではないかという憶測が見えてきた。
僕は将棋に一人、ブラックジャックに一人、麻雀に一人ときあった役割を持たせた状態で、残ったフリーの僕の分身に最後の役割を持たせたのだ。
ディラーマリルから取れるだけ情報を得てすべてのカジノルームにあるすべての台の調査を終えて、後はタイミングよく発動させるだけだ。チャンスは1度だけ。幸運の女神に祝福されるだけだ。
その幸運の女神をハクに、勝利の女神をマリルになってもらおう。
さぁ、始めよう。
カジノルームにいるフリーな僕の分身体はまずブラックジャックで稼いでる僕から金貨を回収する。そして、ディーラーのマリル達やハクや僕にもウエイターのように献身的にドリンクやスナックそして逆チップとも思われる金貨を混ぜながら。
ギャンブル運が絶好調なハクの分身体は連勝に次ぐ連勝でますますルーレットに夢中になっている。運気上昇中なハクは裏で打ち合わせた言葉を大声でカジノルームに響かせる。
「アース様もウエイターをやってないでギャンブルしましょうよ。お母様もそう思うでしょ。何もしてないで飲み物やチップをもらってばかりでたまには声だけでもかけてくださいよ。そうだ、今、ディラーで動けないらもらったチップをアース様に賭けてもらいましょう。」
少し考えたルーレットディーラ―のマリルは僕に声をかけて好きなところにこのチップを賭けてと頼んできた。僕は軽く返事をしながらラッキーセブンと言いながら7と偶数に預かった金貨を2か所に賭けた。するとボールをトスしたディーラーはニコっと笑いながら微笑んだ。ハクはすかさず僕と同じ7に100枚金貨をかけたのだ。
ニコっと笑ってたマリルは少し顔が歪む。案の定ボールは7に停まり僕は35枚の金貨を手に入れた。ハクは3500枚の金貨を得たのである。
「ラッキー。ビギニングラック!だよ。ありがとう、マリルは勝利の女神だね。」
顔面蒼白なマリルを横目に僕はビギニングラック何回も呟きながら全額35枚をルーレットマリルに渡したのだ。
それを煽る様にハクは大声でほかのカジノ台のディラーに声をかけた。
「すごいぞ。アース様は豪運だ。いきなり35倍の金貨を手に入れたぞ。それにあたった配当はすべてディーラーに返すなんてすごいな。お母様達もたまにはアース様にチップを賭けてもらったらどうですか。」
そうハクが言った途端、ほくそ笑んでいるルーレットディーラーのマリルを見た他のマリル達は各々自分の担当する台で自分のチップを僕に賭けさせ始めたのだ。
それを便乗するかのようにいろいろなカジノ台で渡り歩いていたハクの分身体は全力で乗っかり賭け始めたのだ。
それを冷ややかな目で見ていた唯一、ディラーを担当してない酔っ払いマリルはディラー達に文句を言いながら儲けた金貨を回収を始めたのである。
「これはアース様が賭けて勝った金貨です。どうぞお収めしてください。」
「受け取れません。これは全てディラーにあげたチップですから。もらえません。もしもらうとしたら、1枚金貨をチップとしてもらえませんか。」
僕は酔っ払いのマリルから1枚だけもらい、取り上げた金貨をそれぞれのディーラーに返してまわった。
表情が乏しかったディーラーのマリル達は喜びを表現するかのようにそれぞれが僕の手の甲にキスをしてくれた。酔っ払いのマリル同様にチップを1枚をそれぞれがくれたのだ。
僕はありがとうと言いながら最初に酔っ払いながらマリルが打っていたスロット台の前にたち、マックスベットしてスロットルバーをディーラーのマリル達と酔っ払いのマリルの分身体に手を振りながらも下におろした。
ピロリーン!パンパパンパラ!パーン!ジャラジャラジャラ・・・・
「ジャックポッド炸裂しました~」
僕たちの長い対戦ゲームは終わりを告げるのであった。




