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24話

優雅に風呂上りのティーパーテーってお茶れ・・・お洒落ですよね。


マリルが召喚したゴーレムやら獣人やら聖獣やら聖鳥に空を飛ぶ聖魚などなどが続々と出現するやいなや、Tティーパーテーの準備やら、楽器を持ち出し音楽演奏を始めたりと忙しく動き始めたのだ。


僕たちにも聖鳥がひと鳴きすれば、湯あみ服から、魔法少女の変身するように小洒落たイブニングドレスに変身させられた。もちろん聖獣のウインクで赤子から僕も大人紳士に変身させられたのだ。


いつの間にか美しいアンドロイドのようなゴーレムにエスコートされテーブルに着くとすでにケーキを4皿たいらげたハクが口をもごもごさせながら話しかけてきたが、口の端に生クリームがついているが気にしないでおこう。


「カルテットによる演奏が食欲を増進させるよね。もう少しすればどんぶり物も出てくるかな。」


「さすがに丼物は出ないよ。って言ってるそばからスタ丼が出てくるのかよ!」


「わかってる~。そうそう、今からお母様のメイドスキルは至れり尽くせりだから。」


そんな、たわいのないやり取りをしてると、曲に合わせて召喚した者による演劇・・・いや、マリルがステージ中央で歌い始めた。オペラが劇的に始まった。


あまりにも悲劇ともいえる内容に涙が流れるハク。


演劇内容を説明すると、公爵家でわがまま放題の幼い令嬢に使えるけなげなメイドのマリルの母。乳母のように接しながらもやりたい放題の令嬢に苦労していた。甘やかしすぎた公爵もあまりにも公爵令嬢としてのたしなみもない様子を見かねたのか幼い令嬢に家庭教師をつけたのだ。


王国の国教にもなっている教会の若い一人の牧師が令嬢の家庭教師に就いたのだ。するとどうだろう、あれだけ手を焼いたやんちゃな幼い令嬢はすっかりおしとやかな令嬢になったのだ。


実はこの牧師はデビルハンターとも呼ばれる悪魔祓いの牧師だった。牧師は呪術にも長けているようで呪文ひとつで荒れている状態の令嬢を笑顔にさせるどころか照れ笑いをさせた。


その様子を目の前で見ていたマリルの母は泣き笑いをしながら牧師に恋をした。


しかし、この恋は悲劇になった。


公爵家は国の要。裏の世界にも通じる存在。実際、この国の貴族どころか裏の住人たちをまとめるフィクサーでもあった。この国をまとめる巨大な存在で暗殺ギルド以外にも独立した諜報部を持っていたのだ。


それだけではない、国王の鶴のひとこえさえなかったことにすこともできたのだ。隣国や諸外国はもちろん自国の辺境伯さえ弱みを握り操ることができたのだ。


当然、マリルの祖父も祖母も公爵家に使える者。一癖も二癖もある。マリルの母は護衛はもちろん医療にも長けていた。そんな裏のエリートであったマリルの母と教会の牧師の恋は直ぐに燃え上がったが、公爵はすぐには許さなかった。いや正確に言えばおしとやかになった令嬢が聖女に変わるまで許さなかった。


少しだけ詳しく説明するとすれば、成長した令嬢が王子と婚約したが、学園に入ると王子は別の令嬢との火遊びを始めた。それが原因で権力をかざし周りの取り巻きと一緒に陰険で冷酷な悪役令嬢として公爵令嬢を陥れ

ようと画策されていたのだ。


そんないてもいられない学園生活を強いられた、令嬢はマリルの母と若い牧師によって多感な時期を支えられたのだ。


しかし、王子の目論見通り学園の卒業プラムで王子は公爵令嬢に婚約破棄を言い渡し公爵令嬢を嵌めたのだ。

あっという間に城に公爵令嬢は無頼漢共につれられていかれ幽閉された。


だが、そのプラムに合わせ、混乱を引き起こされることを事前につかんでいた公爵家は動いていたのだ。


マリルの母と若い牧師の協力のもと現れた国の重鎮たちが現れ、公爵令嬢が聖女になり、女神からのお告げを国王に告げる予定となっていることを王子はおろか学園中に発表したのだ。


結果は当然、王子に組した者達全員が罰を受けることになったのだ。


城に幽閉された公爵令嬢は助けられたが悲惨な状態であった。そう、聖女を穢したのだ。怒り狂った公爵はこの王国をあらゆる権力と王国を滅ぼし始めたのだ。


革命という暴力。簒奪者たちの宴が国を亡ぼす。王子や王が殺される未来が刻々と近づく。



そんな中、荒ゆく王国の街並みに孤児院が聖女の居場所になった。

公爵家の力と教会の影響が垣間見られる場所。スラムの近くで炊き出しをしながら飢えた天蓋孤独な子供たちの救済を尽力した。


それは破滅の王国を闊歩する略奪者たちさえ傷つけば癒す聖女。そんな勇姿に心を打ったのか、立ち直った穢れた聖女を支えたマリルの母と若い牧師はようやく公爵に認められたのだ。


マリルの母と若い牧師は二人仲睦ましく裏組織のカモフラージュとして運営されていた児童養護施設派遣されたのだ。それは裏の仕事を手伝いをしながら一人娘を産み育てはじめたのだ。いいか悪いかは別として、公爵令嬢を一歩助けが遅くなって聖女を穢した責任を感じていた二人は聖女をこれまで以上に支えることを考えていた。聖女を助ける存在に娘を育てる存在にするべく幼いながらもいろいろ経験させることを誓う。


公爵家から出されたマリルの母は幼いマリルを使い闇の仕事を行っていた。それはスラムで一人で内通者に接触させたり、暗号を届けさせたりと多岐に渡ってこの裏世界を生きる術をマリルに学ばせた。幼いながらもこの児童養護施設の院長である魔女からいくらかの手ほどきを教えられ生き延びる術を植え付けられた。


時折、幼いながらスラムで出会う聖女にもよくしてもらっていたのだ。なぜならば、暗部の仕事を受け入れた母と父との過ごす時間はほとんど皆無であったからだ。聖女の優しさは実の母以上の慈悲と慈愛に満ち溢れていた。スラムでお腹が空かないように優しく聖女の力を分けてもらったり、孤児院に連れていかれては児童たちと勉強を学び、みんなと歌い遊びあったかいごはんを食べさせてくれた。


スラムでマリルが出会ったクソガキたちでさえ、マリルが引き連れていなくても温かいパンを与えてくれたのだ。


だからこそ幼いマリルはそんな母性に溢れた聖女に尽くすためにスラムで殺されるまで生き残る術を学んでいた。


そんな悲劇の物語を上演したマリルの歌声は何故か晴れやかであり聖女のような優しい悲劇を感じさせない慈愛に満ちていた。

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