表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/33

21話

「瞑想って奥が深い。」


スパーン!


「ハク!瞑想中に喋るなー!まだ、真理にも達せずして下界に降りれると思うなよ!それにしても、アース様の呼吸法は私も学びたいぐらいですよ。」


宙に浮かびながら半眼で瞑想している僕は鬼勇者のジオから教わったいくつかの防御に関する秘術を同時に展開していた。


その横でひたすら槌を上段から振り落とし続け岩を粉々に粉砕続ける。そして疲れたら目を閉じ回復に努める。そしてまた岩を粉砕する。これも、ハクの祖父である鬼勇者ジオの勧める瞑想である。


時折、鬼勇者ジオはハクや僕に小石の混じった瓦礫を頭上から音もなく降らせた。


それを瞑想で五感が研ぎ澄まされている状態だからこそ、敏感に反応してさらし続ける。


「怒りや恐怖、痛みや空腹、眠気や高鳴る感情などの耐性をつける基礎は心の在り方だ。瞑想を通してこころの強度をつける修行だ。座禅や単調な動作の繰り返しだけでも瞑想に入れるがいかなる状態でも瞑想し続けることができれば、不測な事態や理不尽にもある程度は対処できるんだ。」


鬼勇者の経験談からの言葉は無慈悲な世界における生きる力に影響を及ぼすだろう。


小石や瓦礫を落とすだけの修行はこれだけではない。鬼勇者特有の魔術というか秘術ともいうようなスキルを発揮しては僕たちの瞑想を邪魔をする。たとえば、おいしそうな肉の焼けた匂いをあたり一面に漂わせたり、大爆発を近くで起こし熱風を巻き上げさせ気温を上げたり、雪を降らせて氷雪で体を縮こまし氷の中に閉じ込めたり、毒の霧を仕込み前も見えない暗黒状態にさせたりと、人間が創造するあらゆる環境を作っては瞑想させた。


鬼勇者ジオいわく地獄と呼ばれるところで一通り体験してきたから再現度は完璧だ。


「地獄に慣れると俺みたいに追い出されぞ。」

「鬼神勇者になったから地獄から追放されたんですよ。」


なんてジョークを飛ばす鬼畜勇者ジオに、ハクは尊敬混じりの小声でつぶやいた。

鬼が神になるのか。地獄から舞い戻った勇者ジオ。そんな勇者の実体験を修行に落とし込んでいく。


「目で見る状況がすべてだと思うな。百聞は一見に如かずとは言うが逆も然り、一耳は百見。何度も聞くことで理解が深まる。五感の一回の感覚を研ぎ澄まして感じれば新たな境地にたどり着く。そして、新たな感覚器官を創造できればさらなる真理に到達できるだろう。第三眼と言わず第四、第五眼、第三、第四の臓器や器官をつくるイメージをつくれ!そして理解して行動せよ!」


精進を重ねた修験者のような鬼神勇者の如く僕たちに容赦なく鍛えるジオ。理不尽で無容赦なく終わりの見えない修行。時に河原に流れる水を利用して疑似氾濫され物量にものを天災的な環境を創りだすなんて生温い。大地から溢れ出すマグマを再現させたり、水深1万メートルで受けるような冷たく重すぎる水圧の中に閉じ込める。そして無酸素の真空状態を創りだし落雷やプラズマを放出した環境を再現したりと、僕たちを追い込んでいく。


だからこそ、微細な環境変化にも耐えれるように自らの皮膚や肺、そしてあらゆる器官を即座に対応変化できるようになった。それもいつの間にか水の中で呼吸ができるがごとく、真空でもマグマ、毒沼のなかでも呼吸しなくてもいいぐらいには自然に対応できるようになっていた。


これも、幽世と言われる魔力以外にも霊気や妖気に満ちた場所だからかもしれない。そして、この特殊な仮想世界の影響も大きな要因でもあるが僕自身の魂の変質が大きくかえていったからかもしれない。


ハクも然り女性ながら筋力以外もはずば抜けて成長したようで深呼吸しただけで川を逆流する程になっている。当然、ドラゴンブレスのようなこともできるようにもなっていた。


僕もハクには負けていない。器官の変質ができるようになった僕は姿も当然変えれるようになったのだ。数日前には赤子だった僕はハクよりスタイルもよく大きな体にも変身できるまでになっていた。


この頃になると、ハクの父のダンも修行をつけてくれるようになった。


ダンは幼い頃から勇者ジオにあこがれていたそうで、いわれなき罪を擦り付けられた時でも父を信じ続けていたそうだ。父勇者の真相を暴くために暗殺ギルドや諜報機関の手先となっていった。現世の王国から反逆徒といわれ陥れられ追放された勇者ジオを汚名を返上すべく、幼いながらもありとあらゆる事に手を染めた。幼いながらも徹底的に仕込まれて一流のアサシンとなったダンだが、結果は王国に勇者同様に無残にトカゲのしっぽ切りのように打ち捨てられてしまった。


だからこそ、ダンの修行は鬼神勇者ジオより精神的な正義を求めながらも厳しい修行を僕とハクに施そうとしたのだ。


修行という名目の中で、欺瞞と幻想に満ちた世界からの生き方を身に着けさせたのだ。それは、ただ単に見抜く力を着けさせるだけではなく。欺瞞や幻想を作り出す詐欺師や奇術師のような手先口先で人をだますテクニックは持ちろん、どうすれば人の心を操れるかなど悪人が学んではいけないような邪法や呪術の基礎まで叩き込まれた。


だからこそ理解すればするほど心の在り方や生き方をより強くを定めることに重きを置く必要に迫られる気がしたのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ