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117_メンバー集合です

 

 エリオットの話は簡潔だった。


「じゃあつまり、エリオットはひょんなことからほんのちょっとだけ分けてもらったアリス様の魔力を努力して魔力循環させて体に馴染ませて、やりすぎて魔法も使えるようになって、私の歴代飼い主たちと関わっていくうちになぜか人語まで話せるようになったってこと……?」


「お前、説明が下手なのは健在なんだな。なんかいい感じにまとめた風にしてるけど、おれが言ったそのまま繰り返してるだけじゃねえか」


 えー!つまり、私の元飼い主たちとの関りがエリオットをスペシャルな猫ちゃんにしちゃったってことよね?

 どんな関りを重ねてそうなったのかとっても気になるところだけれど。


「そのひょんなことの内容も気になるんだけれど……」

「大したことじゃないから話すのは面倒くさい」


 ああ、そっけない!私の知っているエリオットでもはや安心するわね。

 きっとしつこく聞いても教えてくれないのだろう。エリオットってばちょっと秘密主義なところがあって、そんなところもミステリアスで素敵だったのだ。うんうん、思い出してきたわ!


「まあ色々あってこの国に辿り着いたら、ここの猫たちが大変な状況で困っているだろ?仕方ないからおれが力を貸してたら、いつの間にかこうなっていたわけだ」


 なるほど、ボスに相応しすぎるエリオットがここの猫たちをまとめあげるようになった経緯はそんな風だったらしい。


「それなのに、どっかの知らねー猫がうちのやつらを好き勝手に振り回してるって聞いて、ムカついてたんだけど。……まあ、リリーベル……いや、もう今はルシルか。ルシルの猫なら、なんか納得だわ……」

「ええ?それってどういうこと?」

「ペットは飼い主に似るってこと」


 全然分からないけれど、まあいっか。今はそれどころじゃないものね。


「ねえ、エリオット!私たちにあなたの力を貸してほしいの!」

「……おれの力を?」

「ええ、お願い!まさかエリオットがスランにいるだなんて、そしてこんな風に再会できるだなんて夢にも思わなかったけれど。私ってば、本当についているわよね。だって、これほど頼もしい味方はいないもの!」


 驚きが大きくて実感がわかなかったけれど、じわじわと喜びと興奮がやってくる。

 マオウルドットに再会した時も、エリオスに再会した時もそうだった。

 リリーベルだった頃に仲良くしてくれた誰かと、こうしてルシルになってもまた縁を紡げることがどれだけすごいことかもう分かっているし、とっても嬉しい!


「そ、そこまでいうなら、仕方ないな」


 ぷいっとそっぽを向きながらも、そうやって承諾してくれるエリオット。

 うふふ!優しいエリオットはきっと断らないでいてくれるって思っていたわ!


「あたちだって頑張れるのにい!こんなやつなんかよりあたちの方が役に立つもん!」

「……そっか、おれは頭に血がのぼってこんなちっこいやつに怒ってたんだな」

「ちっこいって言ったのう!?ふんふん!ゆるさないんだから!」


 ミシェルはなんだかエリオットが気に入らないようだけれど、エリオットの方はすっかり小さな子供を見る目つきになっているわよ。

 とりあえずは一触即発の事態にならずに済んでよかった。


「すまない、ルシル!遅くなってしまって……って、は!?」


 タイミングよく草むらから現れたのはローブを被り、闇夜に溶け込んだ姿のフェリクス様だった。

 お互い別行動をしているから、こうしてミシェルたちだけではなくフェリクス様ともここで落ち合う約束をしていたのよね。


 それにしても予定では私と同じくらいに到着するはずだったのに、随分時間が経っている。きっととっても忙しかったんじゃないかしら。


「フェリクス様、お疲れ様です!こんな時間まで大変でしたわね」


「い、いや、それはいいんだが……なんだこの猫の数は……!?」


「あ」


 振り返って、フェリクス様の反応に納得する。


 そうでしたそうでした。今ここには総勢何十匹という猫ちゃんが揃っているんでした。

 たしかに事情を知らなければびっくりするのも当然よね。


 簡単にこの猫集会が、とんだ猫大集会に変貌した理由とここまでの経緯を説明すると、フェリクス様はこめかみを揉み始めた。頭痛がするのかしら?

 スランに到着してここまで本当に怒涛の展開だから、疲れが出てきているのかもしれない。

 必要そうならあとで回復薬をお渡ししよう。

 まだ話の途中なので。


 私はくるりと振り向くと、エリオットの後ろに回る。


「さらに!こちらはここスラン王国を牛耳るボス猫エリオットです!彼は私がリリーベルだった頃からのお友達で、私の憧れの存在だったんですよ!」


 じゃーん!とエリオットを紹介すると、フェリクス様はなぜか遠い目をした。


「……俺はどこから突っ込めばいいんだ」

「言いたいことは分かるが諦めろ!ルシルだからな!」


 不貞腐れてずっと黙っていたマオウルドットが、なぜかフェリクス様に寄り添っている?なんだか二人で通じ合っているみたいだけど、よく分からないわね。


 とりあえず。

 ええっと……マオウルドットってば、いつのまに共感能力を身に着けたのかしら?



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パワー型つよつよ聖女の新連載もよろしくお願いします(*^▽^*)!

【異世界から勇者召喚するくらいなら、私(ダメ聖女)が世界を救います!】
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