表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険者ゴートの一生  作者: ケバブ
四章
72/73

ポートの街と駆け出し冒険者8

カンナに一日ポートを案内してもらった後、海トカゲの依頼までもう日数が殆ど無いことが判明した次の日。俺とカンナは船着き場という簡素な朝食のみついてくる比較的安価な宿で共に朝食を取っていた。

というのも海トカゲの依頼ご明日に控えており、一緒に準備をしなければいけなくなったのと、俺がまだ宿を確保していなかったことを知ったカンナがどうせならと宿を紹介してくれたのだ。

価格が安いだけあって結構古い宿ではあるものの、掃除は行き届いている上に簡素ながら朝食が出るのだから俺としては満足である。



「それで何から始める?」


朝食のパンを千切りながら話し出すカンナ。折角綺麗な黒髪が寝癖だろうか所々跳ねている。


「まず依頼を受けてから、可能なら現地の下見をしたいな。あと必要な道具とか有るなら買わないといけないか」


「何匹も狩るチームは馬車とか借りるみたいだけど…。うちもこの依頼受けたこと無いから詳しくはわからないんだ。でも海トカゲ自体は特別ななにかが必要ってことはないと思う」


「なるほど…。なら組合で色々聞いてから必要なものがあったら用意して、その後動きを合わせようか。お互いどのくらい動けるか、戦えるか詳しく知っとかないとだし」


「わかった。うち精一杯やるからなんでも言って」


真剣な表情のカンナ。千切ったパンを持っているせいかどこか可愛く見えるがここは言うまい。

真剣なのは良いことだが、何事も過ぎたるは猶及ばざるが如しだ。


「気負いすぎても良くないし、程々でいこう。ここでカンナが怪我でもしたらミーシャさんを祝うどころの話じゃないしな」


「うん。余計な怪我は駄目だ。ミーシャと院長に怒られちゃうし…」


以前怒られた事を思い出したのか少し身震いしながら再びパンを口に運ぶのであった。




「それでは二名で海トカゲの討伐依頼、確かに受け付けました。明日から三日間ですが、今年は例年と比べ冒険者の数がやや少ないので、無理だけはしないようにお気をつけ下さい。それからもし複数匹狩る予定の場合は荷運びを雇うか荷車位は用意した方が言いかもしれません」


専用受付の担当者からアドバイスと誰が狩ったか判断する為のタグを貰う。


食事を終え意気揚々と冒険者組合に向かった俺達だったが、手続きはあっさり終わった。そもそも組合からすれば毎年恒例のイベントのようなものなのだから当然だ。


報酬についても基本となる報酬として三日で三匹目までは一匹につき一万エル。また追加で狩った数に応じて特別報酬が貰えるようで、特別報酬は単純に一匹いくらではなく全体利益の中から狩った数に応じて貰えるという仕組みらしい。

そのため具体的にいくらになるかはわからないが、海トカゲの皮は防水性に優れている上、肉も干し肉にすると独特の旨味があって需要が高く、結構な儲けになるらしい。



組合を出て早速カンナと作戦会議に移る。お互い運ぶことについて軽く考えすぎていたようだ。


「雇うか、荷車借りるかだがどうするか…」


「うちが荷車係になっても良いけど、そうすると運んでいる間ゴートがあんまり自由に動けないしなー。でも雇う費用もバカにならないだろうし…」


「いや、ここは思い切って人を雇うのはどうだろうか?雇わずに当日後悔するよりは良いと思うんだけど」


「…確かにそうかも。やらずに後悔するよりやって後悔しろって言うしね!」


カンナは少し悩んだ様子だったが賛成してくれた。


「一応組合の方で斡旋することも出来るみたいだけど、カンナの知り合いで誰か出来そうな人いる?」


組合による斡旋は確実に誰かを雇えるが紹介料が結構かかる。カンナの知り合いにこなせる人が居ればそれに越したことは無いのだが。


「うーん…。運ぶのに向いてそうな人は皆忙しいかもなあ」


それもそのはずでこの三日間の内に海トカゲが大量に待ちに卸されるのだから何処でも人手が足りないのである。


「それもそうか。俺に至ってはこの街に着いたばかりだから知り合いなんて…あっ」


「ん?どした?」


「ダメ元でテッドさんの所に行ってみるのはどうだろう?」


「あー!そう言われればテッドさん商人って言ってたっけ。でも店の場所わかるの?うちは、わからないけど…」


「組合で聞けば場所くらいなら教えて貰えるんじゃないかな」


「なら決まり!早速行こ!」


俺は商業組合に向かって勢い良く走り出すカンナを、慌てて追いかけるのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ