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冒険者ゴートの一生  作者: ケバブ
四章
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リンの街と冒険者9

昨日の夜急に出立を決めた俺は朝飯の後、早速マージさんに事情を話した。タイミングが良ければ明日にも出発する事にしたからだ。


残念そうにするマージさんだったがスイッチが入ってしまったのだからしょうがないのだ。折角なのでついでに保存食を買うのにお勧めな店を聞いておいた。主婦のネットワークは凄まじいのだ。


晴天の元、意気揚々と保存食が売っている店に向かう。交易で栄えた街だけあってなんと専門店だ。美味しい特別な保存食とか有るんだろうか。


そんな浮かれ気味な俺がたどり着いたその店は

、高級品や物珍しい品が売られているような所ではなく、確かな品質お手頃価格が売りの凄く良心的な店だった。


そりゃ俺にお勧めするならこういう店だよな。


変に浮かれていた自分に恥ずかしくなりながらも保存食や旅具諸々を揃えるのであった。


何はともあれ買うものは買った。後は移動手段だが、今回は依頼等は受けずに一般の乗り合い馬車で行く事にした。


一度ゆったりとした旅をしてみたかったのもあるが。


街の南にあるポート行きの乗り合い馬車の店に向かい説明を聞くと、ポート行きの乗り合い馬車は基本的に二泊三日程度の行程で、支払う額によって乗る馬車や道中の宿が変わるらしい。


高級な馬車や宿が気にならないかといえば嘘になるがそんな余裕はない。宿に泊まらず夜は馬車の回りで野宿をするという一番安い便でも一万五千エルかかるのだ。まあ歩いていこうとしたら倍以上の日数がかかる上に、乗り合い馬車なら低級ながら護衛の冒険者が付くのだから納得の値段である。


「すみません、もしよろしければお答えいただきたいのですがお客様はもしかして冒険者のかたでしょうか?」


明日の朝一の便を予約しようと受付で手続きをしているとこちらの格好を見たからか係の人に聞かれる。


「一応七級冒険者ですけど何か問題ありましたかね?」


「いえいえそんなことはありません!というのもですねうちの便では冒険者の方には割引をしているんですよ。勿論護衛として雇っている訳では無いので有事の際に戦って貰おうなんて事は思っちゃいません。ですが武器を持った人が数人馬車に乗ってるだけで威圧感が違いますから」


係の人の説明に感心しながら冒険者割が適用された一万二千エルを支払う。

集合に遅れたら完全な無駄金になるので気を付けなければ。


やらなければいけない事は全部済ませたし、昼食を済ませたらまた訓練場にでも行って軽く汗でもかくとしよう。何を食べようか悩みつつ街歩きを始めたが結局以前食べたドンモノの店に行ったのだった。だって美味しいし。




お腹が落ち着いてきた所で昨日振りの訓練場。

知り合いが居ないかと辺りを見渡すと今日はエッジさんが居たので軽く挨拶をしておく。

エッジさんの目が獲物を見つけたような目に見えたのはきっと気のせいだろう。


そして数時間後息も絶え絶えで地面に仰向けになる俺。満足そうに笑うエッジさん。

気のせいじゃ無かったみたいだ。


しばらくして息も整ってきたのでエッジさんに明日この街を出ることを伝える。折角縁あって手合わせをすることになったのだ。伝える機会が有るのなら伝えるというのが筋だろう。


「そうか…ポートはいい街だから楽しんでな」


エッジさんとの手合わせは凄く楽しいしいい刺激になった。またこの街に来たら会いたいものだ。


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