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冒険者ゴートの一生  作者: ケバブ
四章
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リンの街と冒険者10

「随分慌ただしく出るんだねえ…」


出発の日朝早く起きて、マージさんに少し呆れられながらの朝食。二、三日美味しいご飯にありつけるかわからないのだからしっかり味わわないといけない。


「はいこれ。お昼にでも食べな、余分にお金貰っちまったからね」


そう言ってマージさんがお弁当を渡してくれた。初日に食べたお好み焼きをパンで挟んだものだ。ボリュームたっぷりでお昼が楽しみになるな。


「ご馳走様でした。それじゃマージさん、お世話になりました。行ってきます!」


「なぁに、これが仕事さ!また来なよ!」


なんとも気持ちの良いやり取り。もう一度この街に来た時はまた泊まろう。


外は昨日に引き続き晴天。準備も完璧。

とはいえ乗り合い馬車は短い共同生活のようなもの。どんな人と二泊三日過ごすことになるのか楽しみ七割不安三割といったところ。


南門の近く、乗り合い馬車の集合場所に余裕を持って到着。昨日の係の人を見つけたので本人確認を済ませると出発を待ついくつかの馬車を見つけた。


かなり高そうな馬車に立派な体格の馬、そして明らかに強い護衛。あれなら高額なのも納得だ。

一方俺が乗る馬車はやや年期は入っていて馬も心なしかのんびりしているように見える。

護衛の冒険者三人もおそらく八級、居ても七級だろう。


特にする事もないので早速馬車に乗り込むと、先客が五人。家族らしき男女二人と姉弟二人の四人組と商人風の青年だ。ここから数日共に過ごすのだから最低限の合流はしておいた方が良いかなと、軽く世間話でもしてみることにした。


どうやら家族連れの方はリンの街で親戚の結婚が有りその帰りで、商人風の青年は予想通り商人だったらしく商談の帰りのようだ。

次はこちらの番と冒険者であることと初めての旅の真っ最中だということを伝える。すると同行する冒険者が増えたからか大人組はとても喜んでくれた。


子供達には


「わたしたちもはじめてのりょこうなの!いっしょだね!」


と、仲間認定されてしまった。馬車内に笑いが起こる。あながち間違いでもないので笑顔で同意しておいた。



子供達と戯れつつ出発を待っていると、小さい影が滑り込んで来た。


「よっしゃ!ギリギリセーフ!」


姿を見るとまだ幼さの残る少年の様だった。寝過ごしてもして間に合うか危うかったのだろうか。


「全員揃ったようなので出発します。揺れますので急に立ったりしないようにお願いします」


彼を待っていたようで全員これで乗客は全員のようだ。


ついに出発。


馬が歩きだし、門をくぐるとリンの街が少しず離れていく。


リンの街では色々な出会いや発見があった。次に行くポートの街は一体どんな面白いことが待っているのだろうか。


俺は期待に胸踊らせながら馬車に揺られるのであった。

これにて五章本編完結です。


章間情報を挟み、次から六章に入ります。

この物語も折り返しを過ぎました。

今後も完結目指して地道に頑張りますのでよろしくお願いします。

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