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第二話 夜の自販機

 五月のある日、火曜日。午後六時四十分。


 水野朔也、十四歳、二年一組。一人で、夜道を、歩いていた。


 部活の、居残りで、遅くなった。陸上部。記録会が、近かった。グラウンドが、暗くなるまで、走って。シャワーも、浴びずに、汗だくのまま、帰る、ところだった。


 喉が、渇いていた。


 校舎の、裏に。


 通路が、ある。


 体育館と、旧校舎の、あいだの、細い、通路。昼でも、薄暗い。生徒は、あまり、通らない。その、通路の、入り口に。


 古い、自販機が、一台、立っている。


 朔也は、それを、知っていた。


 でも、買ったことは、なかった。なんとなく、近づきたくない、場所だった。


 その日は。


 喉が、渇きすぎていた。


 朔也は、通路の、自販機に、近づいた。



 自販機は、ぶうん、と、低く、うなっていた。


 白い、光。


 夕暮れの、薄闇の中で、それだけが、点いていた。


 並んだ、飲み物。朔也は、百二十円を、入れて、コーラの、ボタンを、押した。


 ごとん、と、缶が、落ちた。


 冷たかった。


 朔也は、缶を、取り出して。


 プルタブに、指を、かけようと、して。


 ふと。


 缶の、底を、見た。


 なぜ、底を、見たのかは、わからない。手の中で、缶を、回したとき。底が、目に、入った。


 缶の、底に。


 文字が、あった。



 黒い、マジックで、書いたような、文字。


 「今日は帰るな」


 朔也は、目を、細めた。


 今日は、帰るな。


 手書きの、文字。缶の、底に。


 悪戯だ、と、思った。


 誰かが、自販機に、いたずらで、缶の底に、書いて。それが、たまたま、出てきた。そういう、ことだろう。


 朔也は、プルタブを、開けた。


 ぷしゅ、と、音がして。


 コーラを、飲みながら。


 通路を、出た。


 そのまま、帰った。


 文字のことは、三秒で、忘れた。



 その夜。


 朔也の、家の、近くで。


 車の、事故が、あった。


 朔也が、いつも、帰りに、通る、交差点で。スピードを、出した、車が、ガードレールに、突っ込んだ。


 ちょうど、朔也が、その交差点を、渡る、時刻だった。


 でも、その日。


 朔也は、コーラを、飲んでいて。歩く速さが、少し、遅れた。


 交差点に、着いたとき。事故は、もう、起きた、あとだった。


 赤い、回転灯が、回っていた。割れた、ガラスが、アスファルトに、散らばって、街灯の光を、反射していた。ひしゃげた、ガードレール。エンジンから、白い、煙。


 野次馬の、輪の、向こうで。誰かが、担架で、運ばれて、いった。


 朔也は、その、横断歩道の、白線を、見た。


 いつも、自分が、立つ、場所。信号を、待つ、場所。


 そこに、割れた、フロントガラスの、破片が。きらきらと、散らばって、いた。


 あと、二、三分、早かったら。


 朔也は、その、交差点に、いた。


 あの、破片の、上に。


 今日は、帰るな。


 あの、文字が。


 頭の中に、よみがえった。



 翌日。


 朔也は、また、校舎裏の、自販機に、行った。


 確かめたかった。


 昨日の、文字が。本当に、ただの、悪戯だったのか。


 百二十円を、入れて。コーラを、買った。


 缶を、手に、取って。底を、見た。


 文字が、あった。


 昨日とは、違う、文字。


 「左の道を通れ」


 朔也は、息を、呑んだ。


 左の道。


 朔也の、家への、帰り道には、途中で、道が、二つに、分かれる。いつもは、右の、近道を、通る。


 でも、缶は、左を、通れ、と、言っている。


 朔也は、その日。


 左の道を、通って、帰った。


 遠回りだった。


 何も、起きなかった。


 でも、次の日。学校で、噂を、聞いた。昨日、右の近道で、不審者が、出た、と。女子生徒が、追いかけられた、と。



 朔也は。


 自販機を、信じ始めた。


 毎日、放課後、校舎裏で、コーラを、買った。


 缶の、底の、文字を、読んだ。


 「今日は寄り道するな」


 その日、朔也は、まっすぐ、帰った。寄り道を、しなかった。翌日、聞いた。いつも、朔也が、寄っていた、ゲームセンターの、近くで。看板が、落ちた。下に、いた人が、怪我を、した、と。


 「傘を持て」


 空は、晴れていた。それでも、朔也は、傘を、持って、出た。みんなに、笑われた。夕方、急に、雲が、出て。バケツを、ひっくり返したような、夕立が、来た。傘を、持っていない、生徒は、ずぶ濡れに、なった。朔也だけが、濡れずに、帰った。


 「電車に乗るな」


 その日、朔也は、一本、電車を、見送った。理由は、自分でも、わからなかった。ただ、缶が、そう言ったから。次の、電車を、待った。最初の、電車は。三つ先の、駅で、人身事故を、起こして、止まった。もし、乗っていたら。何時間も、閉じ込められて、いた。


 どれも。


 当たった。


 一つ、残らず。


 缶は。


 朔也を、守っていた。


 毎日。


 朔也は、自販機に、感謝、さえ、した。


 ありがとう、と。


 心の中で、缶に、言った。



 一度だけ。


 朔也は、友達に、その缶を、見せようとした。


 同じクラスの、健太。昼休み、朔也は、健太を、校舎裏の、通路に、連れて、行った。


 「見せたいものが、ある」


 百二十円を、入れて、コーラを、買った。缶の、底を、健太に、向けた。


 「ここ。文字、書いてあるだろ」


 健太は、缶の、底を、じっと、見て。


 首を、傾げた。


 「……何も、書いてないけど」


 朔也は、自分でも、缶の、底を、見た。


 はっきりと。文字が、あった。


 「今日は、傘を、持て」


 黒い、手書きの、文字。朔也には、読めた。


 でも、健太には。


 見えて、いなかった。


 「ほんとに、何もないって。ただの、缶の底だよ」と、健太は、言った。「お前、最近、疲れてるんじゃない?」


 朔也は。


 ぞっと、した。


 この、文字は。


 朔也にしか、見えない。


 朔也だけに、宛てて、書かれている。


 自販機は、もう。朔也、一人を。選んで、いた。ほかの、誰にも、見えない、文字で。朔也だけを、縛って、いた。


 その日の、夕方。


 空は、晴れていた。


 なのに、やはり。


 夕立が、来た。


 傘を、持って、いた、朔也だけが。濡れずに、帰った。健太は、ずぶ濡れに、なって、「お前の言うとおりだったわ」と、笑った。


 朔也は、笑えなかった。


 缶の、言うとおりに、なることが。だんだん、怖く、なって、いた。



 でも。


 怖くても。朔也は、やめられなく、なって、いた。


 ある日。朔也は、熱を、出して、学校を、休んだ。


 校舎裏の、自販機に、行けなかった。コーラを、買えなかった。缶の、底の、文字を、読めなかった。


 布団の中で。朔也は、一日じゅう、不安だった。


 今日は、何の、警告だったんだろう。


 読まなかったから、わからない。読まなかったから、避けられない。


 夕方。母親が、買い物に、出かけようと、した。


 朔也は、とっさに、引き止めた。


 「行かないで」


 理由は、言えなかった。ただ、嫌な、予感が、した。今日、缶を、読んで、いない。今日、誰かに、何かが、起きる。そんな、気が、して、ならなかった。


 母親は、笑って、出かけた。


 その夜。


 母親が、青い顔で、帰ってきた。


 行こうと、していた、スーパーの、駐車場で。車の、接触事故が、あった。母親が、いつも、車を、停める、場所で。


 「ちょうど、あなたに、引き止められて。十分、遅れて、出たの。もし、いつも通りだったら……」


 朔也は。


 背筋が、凍った。


 缶を、読んで、いなくても。朔也は、母親を、引き止めた。理由も、わからないまま。


 まるで。読んで、いない、警告が。直接、朔也の、頭の中に、流れ込んできた、ように。


 もう。缶を、買おうが、買うまいが。


 朔也は、その自販機と。つながって、しまって、いた。



 ひと月ほど、たった、ころ。


 朔也は、ある朝。


 自分の、右手を、見て。


 凍りついた。


 手のひらに。


 文字が、あった。


 黒い、マジックで、書いたような、文字。缶の底と、同じ、筆跡。


 「次回」


 ただ、それだけ。


 次回。


 朔也は、その手を、握ってみた。


 手のひらが。


 ひんやりと、冷たかった。


 まるで、冷えた、缶を、握っているような。実際には、何も、握って、いないのに。手のひらだけが、缶の、冷たさを、覚えて、いた。


 朔也は、洗面所で、石鹸を、つけて、ごしごし、洗った。


 落ちなかった。


 こすっても、こすっても。「次回」の、文字は、手のひらに、残ったままだった。


 皮膚の、内側から、書かれている、ように。



 その日の、放課後。


 朔也は、また、自販機に、行った。


 怖かった。でも、行かずには、いられなかった。手のひらの、文字の、意味を、知りたかった。


 コーラを、買った。


 缶の、底を、見た。


 文字が、あった。


 今までで、いちばん、長い、文章だった。


 「お前は、もう、こちら側の客だ。次回からは、底ではなく、手に書く。守ってやる。その代わり、毎日、買え。一日でも、買わなければ、守らない。買わなかった日、お前の身に、何が起きても、知らない」


 朔也は。


 その、文字を、読んで。


 手が、震えた。


 缶を、持つ、手と、同じ、右手の、ひらに。「次回」の、二文字が。じくじくと、熱を、持つように、痛んだ。


 守ってやる。


 その、言葉の、裏に。脅しが、あった。


 毎日、買え。買わなければ、守らない。買わなければ、何が、起きても、知らない。


 それは。


 毎日、買わなければ。お前に、悪いことが、起きるぞ、という、意味だった。


 今まで。当たった、警告。看板。夕立。人身事故。


 あれは、本当に。たまたま、起きていた、危険を。教えて、くれていた、のか。


 それとも。


 朔也が、毎日、買うように。買い続けるように。


 わざと。朔也の、行く先に。危険を、置いて。それを、避ける道を。一本、百二十円で、売って、いたのか。


 ようやく、気づいた。


 これは。


 守られて、いるのでは、ない。


 縛られて、いる。



 朔也は。


 考えた。


 自販機が、教えてくれる、危険。


 車の事故。不審者。人身事故。


 あれは、本当に、偶然に、起きた、危険、だったのか。


 それとも――自販機が。朔也の、行く先に。危険を、置いて。


 それを、避ける道を、缶に、書いて、売って、いたのか。


 毎日。一本、百二十円で。


 守ってやる、と言いながら。


 守らなければ、ならない危険を、自分で、作って。


 朔也を、客に、するために。


 一日でも、買わなければ、守らない。


 それは。


 一日でも、買わなければ、お前を、襲う、という、意味だった。



 朔也は、その日。


 飲みかけの、缶を。


 通路に、置いた。


 自販機の、前に。


 そして、もう、二度と、買わない、と、決めた。


 逃げるように、通路を、出た。


 四日間。


 朔也は、通路に、入らなかった。コーラを、買わなかった。


 怖かった。


 缶の言うとおりなら。買わなかった日、何かが、起きる、はずだった。


 一日目。朔也は、一日じゅう、身構えて、いた。


 階段を、下りるとき。手すりを、握って、慎重に、下りた。横断歩道を、渡るとき。左右を、何度も、確かめた。電車に、乗るとき。いちばん、後ろの、車両を、選んだ。


 何も、起きなかった。


 二日目。三日目。


 朔也は、まだ、怖かった。缶が、言っていた。買わなければ、守らない。買わなければ、何が、起きても、知らない、と。


 いつ、災いが、来るのか。看板が、落ちるのか。車が、突っ込むのか。


 びくびくしながら、過ごした。


 でも。


 何も、起きなかった。


 四日目。


 朔也は、ふと、気づいた。


 手のひらの、「次回」の、文字が。


 薄く、なって、いた。


 買うのを、やめてから。少しずつ。文字が、消えかけて、いた。


 何も、起きなかった。


 日常が、続いた。


 五日目。朔也は、教室の、窓から、校舎裏を、見た。通路の、入り口が、見えた。暗い、入り口。


 その奥に。


 白い、自販機の光が。


 点いて、いた。


 待っている、ように。



 この記録を作成したのは、柴田静流である。


 水野朔也から、直接、話を聞いた。


 朔也の、右手の、手のひらには、今も、うっすらと。


 「次回」の、二文字が、残っている。


 石鹸でも、消えない。


 ただ、買うのを、やめてから。文字は、少しずつ、薄く、なっている、という。


 静流は、一つだけ、確かめた。


 「買うのを、やめても。四日間、何も、起きなかった」


 「うん」と、朔也は、言った。「怖かったけど。何も。たぶん、缶が、言ってたのは、嘘だ。買わなかったら、襲うっていうのは。客を、つなぎとめるための、脅し」


 「危険は、最初から。自販機が、作ってた」


 「そう、思う」


 静流は、ノートに、書いた。


 「夜の自販機。缶の底の警告は当たる。しかしその危険は自販機が置いたもの。買わせ続けるための仕掛け。買うのをやめれば、縛りは解ける」



 静流は、その、自販機のことを、調べた。


 校舎裏の、通路。体育館と、旧校舎の、あいだ。


 地図で、見ると。


 その通路は。


 ちょうど、北を、向いていた。


 影見神社の、方向だった。


 自販機は、その通路の、入り口に、立って。影見神社の方を、向いて、いた。


 静流は、旧校舎が、建つ、前の、記録を、調べた。


 その場所には、昔、小さな、祠が、あった。


 道の、辻に、立つ、祠。旅人が、銭を、供えて、道中の、無事を、祈った。


 供えれば、守られる。供えなければ、守られない。


 静流は、影見町の、古い言い伝えに、こんな一節を、見つけた。


 「辻の神に、日々、供へよ。一日怠れば、その身に祟る。されど、供へ始めなば、生涯、止むべからず」


 辻の神には、毎日、供えよ。一日でも、怠れば、祟る。だが、供え始めたら、一生、やめられない。


 わたしは、もう少し、その祠のことを、調べた。


 古老の、話では。その祠の、神は。旅人を、守る神、では、なかった。


 旅人に、災いを、もたらす、神だった。


 その神に、銭を、供えれば。その日だけは、災いを、避けてくれる。供えなければ、災いが、来る。


 だから、人々は、毎日、供えた。供えれば、避けられる。供えなければ、来る。


 でも、それは。


 神が、災いを、もたらす、力を、持っている、から、こそ。


 供えれば、避けてくれる、のだ。


 災いを、起こす者と。それを、避けてくれる者が。同じ、だった。


 朔也の、自販機と、同じだ。


 危険を、置く者と。それを、避ける道を、教える者が。同じ。一つの、自販機。



 形は、変わった。


 辻の、祠に、銭を、供える、ことが。


 自販機に、百二十円を、入れて、コーラを、買う、ことに。


 けれど、中身は、変わらない。


 供えれば、守られる。守られたければ、毎日、供えよ。


 一度、供え始めたら。


 やめれば、祟る、と、脅される。


 朔也は。


 四日間、供えなかった。


 そして、祟りは、来なかった。


 脅しだった。


 でも、と、静流は、思う。


 朔也は、運が、よかったのかも、しれない。


 供えるのを、やめても、祟られなかった、のは。


 手のひらの、文字が、まだ、薄く、残っている、うちに。やめられたから、かもしれない。


 文字が、濃く、なりきる、前に。



 追記。


 静流は、過去に、その自販機で、おかしなことが、なかったか、調べた。


 数年前、卒業した、先輩の、一人が。


 毎日、放課後、校舎裏の、自販機で、飲み物を、買って、いた、という。


 その先輩は、右手を、いつも、ポケットに、入れて、いた。


 誰にも、手のひらを、見せなかった。


 卒業して、しばらく、して。その先輩は、いなくなった。


 今、どこに、いるか、わからない。


 ただ、その先輩が、最後に、言った、言葉を。同級生が、覚えていた。


 「もう、やめられない」


 それだけ。


 わたしは、その先輩の、ことを、もう少し、調べた。


 いなくなる、少し前。その先輩は、保健室で、養護の先生に、右手を、見せて、しまった、ことが、あった、らしい。


 手のひら、いっぱいに。


 黒い、文字が。


 びっしりと、書かれていた、という。


 「今日は」「次は」「右へ」「乗るな」「買え」「買え」「買え」――


 何重にも、重なって。もう、何が、書いてあるのか、読めないほど。


 養護の先生が、驚いて、聞くと。先生は、笑って、こう、言った、そうだ。


 「これ、ぜんぶ、あの自販機が、書いてくれたんです。守ってくれてるんです。やめたら、死んじゃうから。やめられないんです」


 朔也の、手のひらの、「次回」の、二文字。


 あれを、消さずに。買い続けて、いたら。


 きっと、あの先輩のように。


 手のひらが、文字で、埋まって、いた。


 毎日、買わなければ、いられなく、なって。


 そして。


 いつか。



 この、第二話を、書き終えた夜。


 わたしは、ふと、思った。


 守ってくれる、もの。


 助けて、くれる、もの。


 それが、いちばん、こわい、ことが、ある。


 助けて、くれるから。頼ってしまう。頼ると、離れられなく、なる。離れられなく、なると――


 助けて、くれる、ふりを、して。本当は、縛って、いるものに。気づけ、なくなる。


 朔也は、気づけた。手のひらの、文字が、薄いうちに。


 でも、あの先輩は。


 気づけ、なかった。



 この記録を読んでいる、あなたへ。


 もし、あなたが、夜、喉が渇いて。


 覚えのある、自販機で、缶を、買ったとき。


 飲む前に。


 缶の、底を、見てほしい。


 もし、そこに。手書きのような、文字が、あって。


 その文字が、あなたに、警告を、していたら。


 その夜だけは、従って、ほしい。今日は帰るな、と書いてあれば、帰り道を、変える。それで、たぶん、助かる。


 でも。


 次の日、また、買っては、いけない。


 文字が、当たったとしても。あなたを、守ってくれたとしても。


 その危険を、誰が、あなたの行く先に、置いたのかを。


 考えて、ほしい。


 一度、供え始めたら。一生、やめられない、と、言われる。


 それは、嘘だ。


 やめても、いい。


 ただし――手のひらに、文字が、書かれる、前に。


 手のひらが、冷たく、なる、前に。缶の、冷たさを、握っても、いないのに、覚えて、しまう、前に。


 その自販機の、前を、通るたびに。買わなきゃ、と、足が、止まる、前に。


 まだ、間に合う、うちに。


 やめて、ほしい。


 守られている、と、思ったら。


 いちばん、危ない。


──第二話 夜の自販機 了──

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