表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
箱庭の進化 〜世界にダンジョンが現れた日〜  作者: 観測者
4章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/80

十四層、変化

十四層、敵は人型の鎧。

背丈は2メートルほどの細身。

それでも、立っているだけで独特な威圧感があった。


透と慧はまともにこの鎧と戦ったことはない。

たった一度、グレアが戦っていたのを後ろから見た。

それと、グレアの救出のために少し時間を稼いだだけだ。


それだけでわかった。あの鎧には技術がある。

虚実を織り交ぜた、洗練された剣術。

細さからは想像できないほどの膂力。


十四層のボスは、これまでの敵とはどこかが違った。


三人は階段を降りていく。

すぐに開けた空間が目の前に広がる。

広い石づくりの部屋。壁際には柱が倒れている。


右手の奥に、剣を持った鎧が立っている。

透はその立ち姿に息を呑む。


足を止めたところで、慧が指示を飛ばす。


<計画通りに、行くぞ>

<うん>


透が1番前を走る。

鎧の正面に立ち、視線を自分に向けさせる。


鎧は斜めに切り掛かってくる。

それを透は大きく後ろに飛んで避ける。


その隙にグレアが後ろに回り込んでいる。

慧は鎧の射程ギリギリでいつでも攻撃ができるように構えている。


鎧は透だけを見ている。

剣は横に振られる。

速い、

それでも、見えないほどじゃない。


透は小盾を合わせて流すように弾く。

腕が痺れるが大きなダメージじゃない。


弾いたことによってできた少しの隙に、慧とグレアが踏み込む。

一撃を入れて下がる。

鈍い音が響く。


この戦いはこれの繰り返し。

ミスをしなければ勝てる。

透はそう思った。


体制が整った鎧はすぐに次の一歩を踏み込んでくる。

最初と同じ袈裟斬り。


透はさっきと同じように流すつもりだった。


だが、剣筋が途中で変わる。


刃がわずかに沈む、軌道がそのまま脇腹をえぐる角度に滑った。


まずい、と気づいた時には遅い。

盾の位置が半歩ずれている。

受け損ねる。


その時、鎧の横から衝撃が入る。


グレアだった。

拳が鎧の肩口を打つ。

完全には崩れない。


それでも刃筋はわずかに逸れて、鈍る。

その一瞬、透は小盾を合わせる。

弾くのは間に合わない。正面から受ける形になった。


透は当たる瞬間、流れに身を任せるように軽く飛んだ。

大きく右に飛ばされる。

飛ばされた先で、大きく息を吐いて呼吸を整える。


折れたかと思うほどの痛み。

透は左腕に回復をかけながら鎧の方を向き直す。


鎧の狙いは、攻撃を邪魔したグレアの方に向いていた。


グレアは絶え間なく襲ってくる剣を避けることに徹していた。

前と同じだ。

反撃を欲張ると間に合わなくなる。

グレアはそれを覚えていた。


痛みは引いてきた。

腕の違和感ももうない。


透は鎧の方向に走り込む。

さっきまでのグレアと同じ位置どり。


透が位置をとった時、慧が短く言う。

<水、滑らせる>


慧の念話と同時に、鎧が踏み込んだ先に水溜りができる。

粘性の、体制を崩すための水魔法。


水溜りを踏んだ鎧は滑って剣筋が鈍った。


その隙に三人で叩く。


グレアが頭を、慧が胴を、透が足を打つ。


その瞬間、鎧の継ぎ目に青い光が走った。


危険を感じた三人は各々後ろに飛び退く。


鎧は立ち上がり、胸あてが崩れて、光り輝く青い石が顕になる。


鎧の関節部分から青く光が漏れている。


それを見た慧が呟く。

<…第二形態、か>


それは、今まで戦って来たどの敵とも違っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ