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それいけ! ビビりマン!!  作者: チャーハン大好き
間章その二

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二十三話 時々ガッツリ回復拒否するチャールズさん

 本部へと車を走らせるラビチームとボスとティラ。


 帰りの車内で雑談に花を咲かせるラビチームとボス。ボブが伝声管を通してラビに話し掛ける。

「しっかし嬢ちゃん……試作七号機改ちゃんを派手にぶっ壊してくれたのぉ『すみませんですわ……』いや怒ってるんじゃないぞ? よくアレを動かせたなと感心してるんじゃ」

「ティーレさんの協力のお陰ですわ『その通りネ、ワタシ達の時もティラに頑張って貰ったヨ』ティーレさんには頑張って貰いましたわ。それに前方に急発進させるだけならなんとかできるかなと思ってましたの」

 グレイが話し掛ける。

「それでもすごいよ……よくあのじゃじゃ馬を乗りこなせたね……リュースケも訳の分からない罵倒が続いてすごいね……そんなイメージが無かったから意外だよ」


 誤解されそうな予感がしたリュースケは慌てて否定する。

「いや、違いますからね?! あれは……俺の世界の一部に流行った……その……何と言いますか……特徴的な語録を少しアレンジして……」

「何の語録ですの?」

 言いよどむリュースケ、当然である。元ネタはあるドスケベ作品達に飛び交う強烈な台詞回しなのだから。濁した答えで躱そうとするが興味を持ったラビはずいずい聞いてくる。他の女性陣も気になったのかしつこく聞いてくる。

 やけになったリュースケは言った。

「そのっ!……あるセクシーな書物に飛び交う台詞です……」

 一気に凍りつく場の空気、女性達は白けた視線をリュースケに向ける。

 開き直ったリュースケは叫ぶ。

「何だっていいじゃないですか!? アレでどうにかなったんですから! 知ってるだけで作品そのものはそんなに読んでませんからね?!」

 会話を聞いていたライガーも伝声管を通して同調する。

「そうだ! スケベは悪いことじゃない!……リュースケ、後でその作品について詳しく教えてくれ……」

 ラビはあきれたように言う。

「リュースケさんも男性ですもの……それにあれでレックさんの注意を引けましたし……ただやっぱり複雑な心境ですわ……」

「なんか……すんません……」

 微妙な空気感になる車内、ティラがユミルに尋ねた。

「そういえばユミルのスキルって結局なんなんだ?」

「この空気で聞く?! しかもワタシのスキルときたか……」

「ご、ごめん、答えにくければ全然構わないんだが……」


 頬を掻きながらユミルは恥ずかしそうに答えた。

「いいわよ……スキル名は”バーサーカー”、魔力が続く限りは戦闘能力が向上するスキルよ……弱点は魔力量に左右される発動時間と……思考レベルが子供になってしまうことね……思い出すだけで恥ずかしいわ……発動した後はいつも皆生暖かい視線をするのよ……」

「苦労してんだな……ちなみにオラは”硬化”だ。魔素を消費してる間は皮膚がカッチカチになるんだ『関節も固まって動けなくなりませんの?』硬さを維持したまま動けるんだ、不思議だよな~~?」

 外傷が少なかったのはスキルのお陰かと納得する一同。


 リュースケが尋ねた。

「俺って皆さんのスキルを全然知らないです……良かったら教えて貰えます?」

「確かにそうですわね。ワタクシとユミルさんとティラさんはいいとして……グレイさん?『うん』お願いしますわ」

「僕のスキルは”完全消音”。自分が起てる物音を一切周囲に聞こえなくさせる能力だよ。足音とか心臓の鼓動の音とかだね。発動中は魔素を消費し続けるからあまり長い時間はきついな、次はチャールズだね」


 休憩を邪魔されて不機嫌そうなチャールズは一同に答えた。

「今の俺は使えないから関係無いだロウ、ほっとケ……」

 リョウコは気にせずに言った。

「じゃあ……私のは”ピーナッツの泉”だよ……『『?』』だよね……ほら、手のひらを見てて……」

 手のひらを出すリョウコ、その上には何も無い。それを握り閉めてまた開いた。そこには殻付きピーナッツが一つだけ有った。

 困惑しつつリュースケが聞く。

「リョウコさん? これは?」

「これが私のスキル……魔素を消費して殻付きピーナッツを出現させる能力だよ『ぷっ!』……こんな事もできる……」

 バカにするように笑ったチャールズに手のひらを向けるリョウコ、次の瞬間だった。

「”ピーナッツ”……『イタッ』ふっ……」

 何かが発射されてチャールズの眉間に当たり床に落ちる。殻付きピーナッツが落ちていた。それを拾って食べ出すラビ、リョウコが言う。

「こんな風に発射することもできるんだ……意外と敵の注意を逸らせて便利なんだよ。今のラビみたいに小腹が空いたときのおやつにもなる……チャールズのスキルは”火炎操作”、炎を意のままに操れる能力。オーガの騎士団長と戦っていたときも操っていたでしょ?」

「ああ~~、あれですか!」


 残すはボスとボブとライガーとなり、ボスに尋ねるリュースケ。

「ボスはどんなスキルを?」

「ヒ・ミ・ツ♡」

 可愛くはあるものの無性に腹が立ちスルーすることにしたリュースケ。

 ライガーに話を振る。

「じゃあライガーさんは?」

「俺のスキルは”ミニマム”だ。体の大きさを自在に小さくすることが出来るぞ『へぇ~~』例えば今ここで俺がアリと同じ大きさになったとする、その状態での攻撃の威力はどうなると思う?『やっぱりアリ並の威力じゃ……』それが標準時と変わらない威力が発揮される。どのサイズになっても発揮できる結果は変わらないんだ『すごいですね……』だろ? 皆と同じく魔素を消費して発動するな」

「なるほど……『これで女風呂やら更衣室やらは覗いていないからな?! そういうのは同意の上でするのがイイんだ! 同意なしだなんて男の風上にも置けん! スケベはな……自由で誰にも邪魔されずお互いが救われるようなモノなんだ……それなのになんだ! 最近の連中はやたらと……』はぁ……」 

 自身のこだわりを熱く語り出したライガー、止まらなさそうなのでボブに聞く。

「ボブさんは?『おい?! まだ語り終えていないぞ!』『うっさい! だまっとれ! 坊主がワシに聞いとるじゃろ!』」

 拳骨したような音が伝声管から聞こえてくる。


 まあいいかとリュースケ達はスルーすることにしてボブの話を聞こうとする。

「ワシのスキルはな……”金属探知”じゃ! ワシを中心とした半径10m圏内にどこにどれだけの何の金属があるかを探知できる能力じゃな。皆と同じく魔素を消費するぞい。入り組んだ場所での戦闘には便利なんじゃよ、相手がどんな武器をどれだけ持っとるか分かるからの」

「そうなんですね……」

 そんなこんなな雑談をしつつ本部へと進み続けるリュースケ達であった。



 三日後、無事に本部へと帰還する一行。一行は最終報告の為に本部のボスの部屋まで向かった。部屋に到着してボスと向かい合うラビチームは改めて事件の報告を行う。

 それを終えてからボスがティラに養成所の説明を始めた。そして丁度説明が終わった頃に養成所からティラを迎えに職員がやってきた。

 ラビ達にティラは言う。

「ラビちゃん、皆……村を助けてくれてありがとう! オラも早く養成所を卒業する! そしてラビちゃん達と一緒に戦うからな! それまで待っててくれよ! 誰も死んじゃだめだぞ?! 約束だぞ!」

「約束ですわ!」

「それじゃ、またな!」

 こうしてティラは養成所に向かった。そしてボスが一同に言う。

「ソレジャ、皆。改めてお疲れ様ネ。しばらくは休暇ヨ! 報告書とか健康診断とかあるけどゆっくり休んでネ! はい! 解散!」

「了解ですわ!」

 ボスの部屋から出た一行は先に健康診断を済ませる為に医療棟に向かうことにした。



 順番の関係で男女別行動で診断を行うこととなりそれぞれで診断が始まった。

「う~~ん……ラビさんは入院ですね……骨は繋がって動けるようですが大事は取りたいですね……」

「分かりましたわ……」

 女性陣はラビを除き問題無しだった。


 男性陣の方でトラブルが起こる。

 リュースケは魔法やポーションによる回復は出来ないので念入りに治療を施される。手当てされている途中で少し離れた所が騒がしくなっている事に気がつく。

「チャールズ! 大人しくしろ! 回復魔法ができないだろう!」

「離セ! ほっとけば治ル!」

 体中を負傷していたチャールズ。任務中に回復ポーションや回復魔法を使っていなかったようで重い怪我の回復に時間が掛かっていた。医療スタッフが治癒魔法を掛けようとするも犬の予防接種並に拒否反応を示すチャールズ。見かねたライガーが注意するも変わらない。リュースケは手当てで動けず、ボブが近づきチャールズの両腕を抑える。

「ライガー! お前さんは足を抑えろ!『分かった』ガキじゃないんだからのぉ……まったく……」

 足を抑えるライガー、自由がきかなくなるチャールズ。回復魔法を掛けようとするスタッフ。

「ハナセ! グッ!」

「チャールズ? おい?! しっかりしろ!」

「どうしたんじゃ! チャールズ!」

「チャールズさん?! 聞こえますか?! 返事をして下さい!……誰か?! 手を貸してくれ! 急患一名発生!」

 突然倒れ込むチャールズ、場は騒然となり直ぐにスタッフは応援を呼ぶ。ライガー達は協力して近くのベッドに寝かせた。

 駆けつけた医師が診察を始めた。

「気絶してるだけですね……」

「そうですか……」

「疲れが貯まっていたのかもしれません。ラビさんも入院しますしチャールズさんにも入院にしてもらいましょう」

「分かりました……チャールズを頼みます。皆、行くぞ」


 そして女性陣と合流するリュースケ達、チャールズの件に彼女らも驚く。

 ユミルが言う。

「城の件から今までと違って自己鍛錬に励んでたしね……疲れがたまってたのかしら? 喋り方も変わったし何かアイツなりに感じた事があったのかも……ワタシらもしっかり休んで回復しないと……あっリュースケ! 明日は報告書の書き方を教えるから明後日から鍛錬再開だからね!」

「えっ……」

「そうだよ? リュースケはまだまだ見習いくらいの実力なんだから……しっかり鍛えないと。特製メニューも次の段階に突入かな?」


 そうしてリュースケ達は次の指令まで戦いの疲れを癒やしつつ鍛錬に励む生活を送るのであった。

健康診断は大事ですよね

それはそれとして腹囲測定が恐ろしい……


次回は三日後同時刻の予定です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

今後の執筆の励みになりますので是非とも評価をよろしくお願いします。

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