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薄明を告げる鐘の音  作者: 桐谷瑞香
番外編 日常の穏やかなひと時
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永遠の眠りを前に (300字SS)

「ねえ、お兄ちゃん。何があったの?」


 見下ろしながら話しかける相手は、二度と目覚めない眠りについてしまった、兄。

 一緒に遊び、私の成長を見守り、時として守ってくれた人。

 そんな兄は五年前、都市の警備団に入団すると言い、街から出て、都市に向かったのだ。



 それ以後も、時折届く手紙を心待ちにし、年に一回の里帰りを楽しみにしていた。

 けれども、今回は手紙でも笑顔の兄でもなく、もう動かない体となった兄が戻ってきたのだ――。

 涙が頬に流れる。我慢しなければと思っても、出始めた涙は止まらなかった。



 お兄ちゃん、どうしてあの場にいたの?

 どうして爆発なんかに巻き込まれたの?



 小さく問いかけるが、反応はない。


2020年12月、第71回Twitter300字SS参加作品。お題『眠り』。

本編より前、真昼の悲劇後のテレーズ視点。

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