【Side-Erica-】-2
「そういうの、頼んでない。あなたは帝……様の為だろうけど、もっと考えて頂戴」
我慢ならなくて、あたしはそう言い放った。
これであたしが〝魔力〟について知っていることがいつバレても仕方無いと思った。
『っ…、待て―――お前、何を知っている?』
ほら来た。いきなり来た。
勘の良い陵のことだから食いつくと思った。
「……何が?あたしはただ、あたし達を助けるつもりもないくせに、帝様の為だけに動くのはどうかと思うって言ったの。それで生徒を守れると思っていたの?それで何が生徒会よ」
揺さぶりに引っかかったわね。
一瞬瞳孔が開いたの、見逃すわけがない。
流石にまだ中学生の陵はツメが甘いところがある。
はぁ、と溜め息を吐いてから、また歩みを進めようとしたあたしに。
『……っ、すまなかった』
「え…」
聞き間違い、じゃないわよね?
謝った?非を認めたということ!?
『確かに、浅はかだった。』
「……」
『だが、俺は俺なりのやり方で生徒会の役目を……、生徒を守っていくつもりだ。それは何処へ居ようと、高等部へ上がっても変わらない』
「…そ、そう」
揺るぎない瞳が、あたしを狼狽えさせる。
この男、どれだけ真面目なんだ。
義理堅く、責任感が強い。
陵左京というこの男は、物語のプロフィールでの通りだけど、もしかしたら思っていた以上にこの世界は奥が深いのかもしれない。
「あなたの考えはわかった。あたしこそ少し言い過ぎたもの。それに、」
どうも宮間の性格が暴走して、自重しなければならない部分もあった。
「本当は来てもらって助かったから……それは、ありがとう」
感謝の言葉を言われたのが余程意外だったのか、今度は陵が狼狽えていた。
『…っいや、俺は何もしていない』
わわ……こんな動揺した姿を見せるのは結構レアだったり。
不謹慎だけどスチルにしたいかも。
「あ!あと、あたしは手出しなんてしてないから…その…言わないでくれると助かる」
『ああ、わかっている』
「そう、ありがとう。なら良いわ。じゃあ、あたしはこれで」
ちゃっかり、退学は勘弁してくれアピールをしてみた。わかってくれたみたいで安心だ。
取り敢えず突然の奈落フラグは無事に蹴り飛ばせたみたい。
一件落着したところで、あたしは絵鞠ちゃんを連れて凜子ちゃんのもとへ戻った。
凜子ちゃんには『遅いっ!』と言われてしまったが、なんとか事情を話すと泣きそうになっていた。
凜子ちゃんは結構感情豊かみたいだ。
気の抜けたところで、やっと昼食の為に「緋皇」へ向かったが、あんなに身構えたエピソードはというと―――なんと、発生することがなかった。それは喜ばしいことだった。
なんとも平和に美味な胡麻豆腐を食せている現在の状況が、ただただ不思議で。
そんなあたしは既に英エリカとは違う道を選んでいるのだという実感ができて。
こうして第一関門であった親睦旅行というイベントは終了した。
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親睦旅行、ちと呆気なく終わらせちゃいましたかね?なんだか雑感が見え隠れしますが…回避成功ということみたいです(笑)エリカ、番長っぽい(笑)
ちょっと左京君の方が好感度上がっちゃいますよ〜私の中では(笑)




