第3話 ゴブリンの襲撃
レオンは広場でダレンとガルドを見つけた。
ガルドは村の狩人であり、この村の安全を守る兵士の役割も担っていた。
「北の森から魔物が近づいているみたい。日没前には来ると思う」
ダレンはレオンの額の包帯を見た。
「頭痛は?」
「ある。でも、今の話は頭痛のせいじゃないよ」
「そう言う人ほど心配なんだがな」
ガルドが間に入る。
「森の鳥が朝から騒がしい。確認してこよう」
レオンは森の中へは入らないよう頼んだ。ガルドはもう一人を連れ、確認にいったがすぐに戻ってきた。
「小さな人間に似た足跡だ。少なくとも三匹、朝一度村の近くまで来たようだ」
「ゴブリンか」
ダレンが言う。
レオンの視界には、反応が一つと出ていた。
近い場所の魔力が重なって、一つに見えたのかもしれない。便利な力だが、数はそこまで正確ではないようだ。
ダレンは村人を集め、避難と防衛を指示した。子どもと老人は石壁のある家と倉庫へ。北の道には荷車を置き、弓手はその後ろの建物の二階に隠れる。
レオンは畑の細い道を完全には塞がないよう提案した。通りぬけようとする魔物を横から狙え、村人の退路にもなる。
「決めるのは私だ」
ダレンはそう言って地図を見た。
「……だが、その案でいこう」
セラは水の入った桶を並べた。
「私も戦う」
「誰かが捕まりそうになったら助けてくれ。無理に倒さなくていい」
◇
日が沈みかけた頃、見張りの鐘が鳴った。
森から緑がかった肌の魔物が現れる。ゴブリンだ。
一匹、二匹。さらに三匹。
「五匹!」
レオンが叫ぶと、ガルドが矢を放った。
ゴブリンたちは二手に分かれて散った。荷車へ突っ込むもの、畑道へ回るもの。
【前方のゴブリン:右へ跳躍】
【確度:中】
「右だ!」
レオンの声で村人が身を引く。跳んだゴブリンへ、セラの水魔法が横からぶつかった。
別の一匹が矢を避けるために荷車の下へ潜ろうとする。レオンは棒で車輪のくさびを外した。傾斜に置かれた荷車が動き、魔物は慌てて逃げる。
計画どおり。いや、荷車が思ったより速い。俺も逃げよう。
レオンが飛び退くと、荷車は目の前を通り過ぎ、近くにあった建物の壁にぶつかって止まった。壁に穴が開き、荷馬車は大きく破損した。
やってしまった。。
畑道を抜けたゴブリンは、ダレンたちが網で捕らえた。二匹が捕まり、三匹は森へ逃げる。村人に大きな怪我はなかった。
ダレンはレオンの顔を見て、それから壊れた荷馬車と壁を見た。
「怪我は?」
「ないよ」
「じゃあ、明日は荷馬車と壁を修理してもらうかな」
その夜、寝る前に視界に新しい文字が浮かんだ。
【北の森:魔力反応】
【確度:低】
ゴブリンの他にも、何かがいるのか。




