第197話 課題とお昼寝
197話 課題とお昼寝
「お邪魔しまーす」
今日は葛西さんと遼が我が家で宿題を片付けにやってくる日。
といっても、そこまでがっつりとした勉強会ではなく、勉強半分、遊び半分といったところだ。
「いらっしゃいませ、葛西さん、中島さん」
「おお~、ハーフアップに渚沙くんを抱っこしてのお迎え! 新婚さんだ~」
「もう新婚って年じゃないがな」
「それもそっか、でもでも! すっごい似合ってるよ!」
「ありがとうございます」
「渚沙くんもこんにちは」
葛西さんがセレスに抱えられている渚沙に挨拶をするも、渚沙はセレスの胸に顔を埋めた。
「あら?」
「渚沙、どうした?」
俺たちが不思議がっていると、セレスは困ったように、でも嬉しそうに笑う。
「多分人見知りが始まったのだと思います」
「そっか、渚沙くん5か月だもんね」
「葛西さん知ってるの?」
「うん前ちょっと調べたから」
微笑ましい視線に耐えかねてか渚沙がぐりぐりとセレスの胸に顔を擦る。
「ふふっ、さあこちらに」
屋敷のリビングに二人を通し、一緒に教科書を広げる。
今日は家族誰もいないので、渚沙と遊びながら課題を進める。
「ごめんな。集中できないだろ」
「ううん、むしろ癒される」
「もうすぐお昼寝の時間だからそれまで勘弁な」
「全然いいさ」
その言葉に甘えつつ、俺たちは課題に手を付ける。
春休みということもあって、課題の量はそれほど多くない。しっかりと実直にこなしていれば問題ない。
しばらくして、時計を見ると、渚沙のお昼寝の時間になった。
「それでは寝かしつけてきますね」
「ねえ、セレスティーナさん、よかったら私覗いてていい?」
「いいですけど、そんなに面白いものではないですよ?」
「気になってさ、静かにしてるから、ね!」
セレスはリビングにあるベビーベッドに渚沙を寝かせ、ブランケットをかける。
「さあ、眠りましょうね~」
ポンポンと一定のリズムで渚沙に睡眠を呼びかける。
最初は元気な渚沙だったが、次第に瞼が重くなり、うとうととし始める。
これで眠ると思うかもしれないが、渚沙はここからが長い。
うとうとした状態でゆるりゆるりと遊ぶのだ。
「あら、今日は元気ですね。葛西さんたちが遊びに来ているからでしょうか。でも、良い子は眠る時間ですよ~」
セレスの子守唄と共に一定のリズムを刻み、眠気を誘う。
しばらくすると、規則正しい寝息が聞こえてきた。
「すごいセレスティーナさん! お母さん見たい! って、お母さんなのか」
「さっきの子守唄、もしかして異世界の歌か? 英語でもないし、聞いたことのない言葉だった」
「あれはユグドラシア王国でよく歌われていた子守歌です。大した意味はないですよ。ただ良い子よ眠れと言っているだけですので」
「でも、異世界の言葉初めて聞いたかも!」
「私は日本語を学習してここにきているわけですから、確かに初めて話したかもしれません」
課題から注目がすっかり移った二人の質問に答えながら、時が過ぎていく。それは太陽が天高く上った頃合いであった。
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