第196話 離乳食
196話 離乳食
子供の成長というのは凄まじいものだ。
それは、アリシアの時も思ったが、こうして渚沙の育児をしていると、関わる時間がアリシアの時よりも多いせいか、より顕著に感じる。
最近、渚沙は支えは必要だが、お座りができるようになった。
最初は視界が高くなり、きょとんとした様子を見せる渚沙だったが、すぐにそれに慣れ、元気よくおもちゃで遊ぶ。
おもちゃといえばそうだ。
最近渚沙はおもちゃを選り好みするようになった。
興味のないおもちゃはポイと捨て置き、別のが欲しいと強請るようになった。
「カズヤさん」
「どうした?」
「そろそろ離乳食を始めようかと思うのですが、どうでしょう?」
「確かに、そんな頃合いか。俺たちの食事もよく見ているし、良いんじゃないか?」
「こちらの世界の離乳食はどういったものなのでしょうか」
「確かに、俺もよく知らないな」
イースガルドでは芋が離乳食として用いられていたが、日本だとどうなのだろうか。
軽く調べてみると、日本では米を離乳食として与えるらしい。
米1に対して水が10。それで炊いた10倍がゆをさらに裏ごししたものを初めての離乳食とするようだ。
「さっそく作ってみますね」
「ああ、頼んだ」
セレスがそれを準備している間に俺は更に離乳食について調べておく。
いざ調べてみると、どこかで聞いたことある程度でしか知らなかったことを思い知らされる。
アリシアの時は乳母がいて、使用人がいて、セレスがいて。それに加え俺は外にいることが多かったせいか、あまりこの頃に関わりを持てていなかった。過ぎた過去なのでどうにもできないが、やはり悔やまれる。
時は過ぎお昼頃、家のリビングにて。
真新しいベビーチェアに渚沙を座らせ、一緒に食事を取る。
「今日から渚沙も一緒にご飯を食べましょうね~」
離乳食を匙で掬い、渚沙の口元に持っていく。
渚沙からすれば初めてのスプーンに初めてのごはん。嫌がるかと思ったら、すんなりと口を開け、離乳食を食べてくれた。
渚沙はしばらく口をもぐもぐと動かしてから嚥下する。
もっと欲しいと言わんばかりに渚沙は再度口を開けた。
「えらいですね~! でも、今日はこれでおしまいです」
調べたところによると、初めての離乳食は匙一杯分が良いらしい。これまでミルクしか飲んでこなかった内臓器官が驚いてしまうからだとか。
「あう~あ!」
「だめです。お腹びっくりしちゃいますよ? だから今はミルクで我慢しましょうね」
用意していたミルクを与えると、勢いよく飲んでいく渚沙。
こういった平和な食卓を見れることに感謝しながら、俺たちは食事を続けるのだった。
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