閑話 誕生日プレゼント
夜、屋敷の自室にて。
たくさんのご馳走と、たくさんのプレゼント。
嬉しい気持ちいっぱいの俺はグラスを煽る。
「今日は随分と上機嫌ですわね」
「誕生日を祝ってもらった後なんだ。こうもなるさ」
せっかくなのでいつもより上等なワインをセレスと共に味わう。
「セレス」
「はい」
俺の手招きに応じてセレスが俺の膝の上に座る。
「どうでしたか? 今日は」
「そうだなぁ、最高の一日だったよ」
セレスとデートが出来て、家族が俺の誕生日を祝ってくれて。これ以上ない日だ。
「向こうにいる時、誕生日は貴族としての一イベントで自分の為ではあったが、それは利益のためだった」
「……それは、否定できませんね」
「もちろんどちらが悪いとか言うつもりはないさ。でも、肩ひじ張らずに楽しめる誕生日というのも悪くない」
そういって俺は再びグラスを煽る。
「いつもよりペースが速くありませんこと?」
「たまにはいいだろ?」
脳がアルコールでふやける感覚を覚えつつも、それには嫌味なく、むしろ心地よさすら感じる。
「セレス」
「まあ」
俺はグラスを置き、セレスの首元に顔を埋め、肺いっぱいに呼吸する。
「珍しいですね、こうしてくるなんて」
「誕生日なんだし、たまにはいいだろう?」
「今日だけじゃなくて、いつでも。大歓迎ですよ」
「そう言わないでくれ、甘えたくなる」
「それでいいですのに、まったく」
俺をそっと抱きしめてくれるセレス。それに体を委ね、俺もまた抱き返す。
そんな幸福に満ち足りた時間を過ごしていると、耳元でセレスが言った。
「ねえカズヤさん」
「どうした?」
「貴方にもう一つプレゼントがあるんでした」
「まだ貰えるのか?」
「もちろん、あなただけのプレゼントです。それは――」
セレスの声は甘美で嫣然と俺の中に響く。
俺は思わずセレスにキスを降らせ、その手を握る。
星が瞬くきれいな夜。
今日もまた平和だ。
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