第194話 18の誕生日
太陽が傾き出し、空が茜色に染まる頃。
俺たちはデートから帰ってきた。
「なんだか悪いな。今日はずっと遊んでしまった」
「たまにはこういう日があってもいいと思いますよ?」
そんな話をしながら家の扉を開ける。
「ただいま」
いつもより静かな家のリビングに向かうと、パンパンと音が鳴る。
「「「お誕生日おめでとう」」」
「……ありがとう、みんな」
皆が一様にクラッカーを鳴らし、俺の誕生日を祝福してくれる。
「驚いた? ……まあ、わかってたか」
「それでも驚いたよ。こんなに盛大だとは」
「なんてったって、和也の18の誕生日だもの。盛大にお祝いしなきゃ」
そういって母さんたちは席まで俺を案内する。
テーブルには唐揚げにお刺身、蟹等々、たくさんの料理が並べられていた。
「蟹まで用意したの? 凄いな」
「蟹はおじいちゃんからよ」
「おじいちゃん?」
「お兄たちが出かけた後に届いたんだ。ほら手紙」
そういわれて一通の手紙を渡される。
『前略、皆さんお元気でしょうか?私は最近就活転生というアニメを見ました』
「相変わらずだなぁおじいちゃん」
『そういえばもうすぐ和也の誕生日ということで色々送ってみました。よかったらみんなで食べてください』
「それで蟹が?」
「そうよ。ひ孫が生まれてうれしかったんじゃないかしら」
「今度またおじいちゃんちに行かないとだな」
皆が席に着き、ご馳走を頂く。
「お父様、この蟹はどうやって食べるんですか?」
「そうか、セレスとアリシアは初めて食べるよな。どれ鋏を」
食べ方を指南してやると、筋の良い二人はすぐに理解し、各々で食べ始める。
「異世界には蟹、いなかったの?」
「いたが、食用ではなかったな。なんてったって3メートルばかりある巨体だったからな。食べたら筋が硬くて不味いらしい」
「異世界……すごい! 他には! どんなのがいたの?」
「そうだなぁ、クラーケンってのもいたな」
「もしかして、巨大なイカ?」
「そうだとも。成体になれば5メートルぐらいになる。海のお尋ね者さ」
豪華な料理たちに舌鼓を打ちながらそんな話をする。
そんないつもと変わらないちょっと特別な日。
もう少し今日は続きそうだ。
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