第144話 一月の昼休み
「三学期って、イベントないよね」
ふと、二子山さんがつぶやいた。
「そうでしょうか?」
「そうだよ!二学期には文化祭と体育大会があるけど、三学期って何にもなくない?」
言われてみれば確かにそうだ。
三学期には学校のイベント事は少ない。
卒業式があるが、卒業年度ではない俺たちにはあまり関係がないことだ。
「なんかつまらなくない?」
「確かに、イベント的な面白みは少ないでしょうけど、来年になれば修学旅行があるじゃないですか」
「そうだけど〜」
気持ちはわからないでもない。
イベントが多かった二学期に比べて面白みは少ない。
まあ、進学や次の学年に向けた準備期間と考えば妥当なのだが。
「でもこうした日常を楽しむのもありなんじゃないか?変わらぬ日々を愛でる。素晴らしいことじゃないか」
「なんか厨二臭い」
「え」
「あとおじさんくさい」
「マジか」
二子山さんの反応にセレスは笑う。
ちょっと傷つくぞ。
「なになに?何の話をしてるの?」
「葛西さん」
係の役割を果たしてきたのか、葛西さんが輪に入る。
「三学期がイベントなくてつまらないって話〜」
「あ〜ちょっとわかるかも。でも、私たち次受験生だからね〜」
「葛西さんもそれいうの〜」
二子山さんは机に項垂れる。
「あ、イベントありました」
「え、なになに?」
「確か、マラソン大会がありましたよね」
セレスの言葉に身体を起こした二子山さんが再び項垂れる。
「それ定期テストの次に嫌なイベントだよ〜」
この学校のマラソン大会は学区内の決められたコースを女子は二週、男子は四週するというもの。
想定三キロ六キロと長い時間走ることも相まって、この学校人気ワースト一位二位を争うイベントだ。
「そうじゃん、マラソン大会あるから時期に体育持久走になるじゃん!いやだ〜!」
「走ることは健康に良いですから、別に良いのでは?」
「自発的に走るのと、走らさられるのだと訳が違うよ〜それにこんな長い距離走る意味なくない?」
「意味を問われると難しいですね……」
「ていうかセレスティーナさんは平気なの?マラソン大会」
「それなりに運動していますから。平気ですよ」
「いーなー」
日に二十キロ行軍することもあったので、それと比べばなんてことないだろう。
「和也くんも平気なの?」
「俺か?俺もまあ平気だぞ?」
「嘘だー去年嫌な顔してたじゃん」
「それを教訓に運動を始めたんだ」
「え〜嫌なの私だけ〜?」
「私もだよ!二子山さん!」
「葛西さん〜」
そんなこんなで昼は過ぎてゆく。
読んでいただきありがとうございます!
下にある☆を★★★★★にしていただけると嬉しいです!




