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勇者として召喚された俺(17)嫁と娘を連れて帰宅します!  作者: 雪代ゆき


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第142話 三学期

 三学期。高校2年生の三学期は3年生0学期ということもあるそうだが、うちの学校ではあまりそのような風潮を見られない。

来年特進クラスへ進む子達は別だろうが、概ねそんな感じだ。


「あけおめ〜」

「あけおめ〜」


学生たちの軽い新年の挨拶が聞こえてくる。


「和也くん、セレスティーナさんあけおめー」

「あけましておめでとうございます」

「あけおめ」


俺たちも例に漏れず、新年の挨拶をしながらの登校だ。


「おはよ〜和也くん、セレスティーナさん!」

「おっす和也、セレスティーナさん」


葛西さんと遼が声を掛けてくれる。


「おはようございます」

「おはよう」

「そういえば気になったんだけどよ。()()()、どうしたんだ?」


あの子とは多分渚沙のことだろう。





「そう言えば、学校の間、渚沙ちゃんはどうするの?」


冬休みが残りわずかになった頃。ふと、母さんが聞いてきた。


「今のところ、俺とセレスが代わり代わりで休むつもりでいるよ。それでも母さんには頼ることになるかもしれないけど……」

「ダメよ」


まさしく即、返答が返ってきた。


「……そっかじゃあ……」

「二人はちゃんと学校に行きなさい」

「しかし、その間渚沙は」

「私が見るわ」

「しかし!」

「確か昔の貴族に乳母っていたわよね?それよそれ。異世界にはいなかったの?」

「確かにいましたが、けれど」

「二人はまだ学生なんだからしっかり学校に行って、勉強してくること」


否と口を開こうとして止まる。


「心配はわかるわ。親としての義務も。この子を育てたいという気持ちも。私だって親だもの。けど、あなた達には学生というやることがあるでしょう?」

「……」

「さっきいったみたいに乳母だと思ってくれればいいわ。セレスさんはわかるでしょう?」

「……わかりました。少し話し合っても?」

「もちろん」


俺たちは長い時間をかけて今後について話し合う。


そして結論に至る。


『――ケイン』

『はっ、すぐに』


ものの数分でケインはやってきた。


「お呼びでしょうか」

「ああ、お前に任せたいことがある。もう部下でもない。けど、頼まれてくれるか?」


俺の声にケインは騎士の礼を持って返す。


「お前に俺たち不在の間の渚沙の世話役を頼みたい」

「はっ!しかと拝命仕ってございます。――ああ、この喜びを如何様にして表せば良いのか」


ケインは喜びに震える。

上司部下という立場なくこうして頼めるのは本当に嬉しい限りだ。

仔細を伝えた後、改めて問う。


「お前は乳母となる母さんと協力して世話を頼みたい。もちろん今の生活もあるだろうから無理のない範囲で、だ」

「わかっております。何年隊長のもとで働いていたと思っているのですか」

「決めたのね」

「うん、俺たちは一人じゃないから」

「お義母様、ケインと共に渚沙をどうかよろしくお願いします」

「もちろん!任せてほしいわ〜」

「けど、俺たちも週のどこかでどちらかが休むことにしたから」

「……まあ、許容範囲ね。わかったわ」



「大丈夫、家の人に預けてるから」

「ご心配ありがとうございます」

「そう?ならいいのだけど」

「俺はてっきり、二人のうちどっちかが休んでくると思ったんだけどな」

「鋭いな遼、週のどこかでどちらか二人が休むことになると思う」

「ですので、お二人と過ごす時間が減ってしまうのですが……」

「わかってる、大丈夫だって」

「すみません」

「代わりにまた渚沙くんに会わせてね?」

「はい、もちろん。また遊んであげてください」


そうこう話していると、久々に聞く始業のチャイム。

また、学校生活が始まる。

読んでいただきありがとうございます!



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