第137話 三ヶ月検診
正月三が日を終え、いつもの日常に戻りつつあるこの日、俺たちはある病院に来ていた。
どこか具合が悪いとかいうわけではなく、渚沙の三カ月検診だ。
徒歩で行けるところにある、近所の評判の良い産婦人科に来た俺たち。今回が初めてなので、若干緊張する。
「本日はどうされましたか?」
「三カ月検診をお願いしたくて……」
「わかりました。かけてお待ちください」
辺りを見回してみると、女性ばかり。まあ、産婦人科なので当たり前なのだが、ちょっと肩身が狭い。
「大丈夫ですよ、ほら」
セレスの視線の先には付き添いであろう男性の姿が。ちょっとホッとする。
「羽鳥、羽鳥渚沙くん~」
暫く待っていると呼び声がかかる。
診察室に入ると、女性医師が待っていた。
「はい、三カ月検診ですね。やることとしては、体重身長の測定と、視覚や聴覚のチェック、首のすわりや股関節の確認と予防接種、それと相談とかですね。まずは、体重と身長を計っていきましょう」
流石産婦人科医、手慣れた動作で身長と体重を測定していく。
「それじゃあ、心臓の音を聞かせてね~」
「あう!」
「いいお返事ですね~」
素早くパパっと心音を測定していく。そのまま視覚や聴覚のチェック、関節の確認。
先生が足をもって動かしているのだが、それに対して渚沙はキョトンとした顔を見せる。
「それじゃあ、予防接種していきますね~、ちょっとチクっとするよ~」
「あーう!」
看護師さんがしっかりと腕を固定して、四回、注射を打つ。
「すごいですね、これで泣かない子、なかなかいませんよ~偉いね~渚沙くん~」
「あう!」
「またお返事!この子、私達の言葉聞こえてるんじゃないですか?」
看護師さんの声に、先生も同意する。
「そうですね、この子は他の子と比べて聴覚が発達しているみたいです。よく話しかけてあげてくださいね」
「もちろんです」
「首もすわっているとみていいでしょう、ミルクはしっかり飲めていますか?」
「はい、160mlほど飲めています」
「便の調子はどうですか?」
「一日一回は必ず出ています」
こまかな問診が続いていく。
大まかな質問の内容はネットで調べて事前に控えておいた。
「その他なにか気になる事はありますか?」
「この子、あまり泣かないんですけど……」
「そうですね、刺激に強くて情報処理が早い子は泣きにくいですからね。なにより、授乳の満足度が高かったり、睡眠リズムがしっかりしていたり、ママさんの表情をよく見ていたり、だっこや声掛けで安心しやすいんだと思いますよ」
「それじゃあ、泣くレベルに到達する前に満たされているという事ですか?」
「そうですね、そう見てもらって大丈夫ですよ」
「う!」
その他質問事項に答えたあと、俺たちは帰る支度をする。
お会計はというと、うちの地域は地域が負担してくれるとのこと。ありがたい限りだ。
「ちょっと商店街をみてまわりましょうか」
「そうだな、散歩がてら見て回ろうか」
「う!」
無事に三カ月検診を終えた俺たちはそうして商店街に繰り出すのだった。
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