第十三話 それぞれのホテルの楽しみ方part4〜「…………ラルクさん、ギルティ。」
さて、次はラルクさんなんだけど…………
「………ルナ?どうした?」
「んー今からラルクさんの映像見せようって思ったんだけど、私、見られなかったんだよね。」
「は?」
「とりあえず、これ見てくれる?」
そう言って私はモニターを切り替えた。
「うわぁ?!」
「ね?びっくりするでしょ?」
『ルナちゃ、みるの、め。』
そこに映っていたのは、モニターのど真ん中、ドアップの二郎ちゃんの画像だった。
いやぁ、びっくりだよね。
私、ビジネスホテルフロアの廊下映しただけなのに、いきなり、二郎ちゃんドアップよ??
というか、なんで、私が見るタイミング分かったんだ???
テレパシーか???
「見ちゃダメってどうしたんだよ?
………なんか言い争う声聞こえるな?
太郎とラルクか?」
「あー……」
ドアップな二郎ちゃんの後ろから、聞こえるBGMに祥ちゃんは首を傾げ、私は乾いた笑いを溢した。
祥ちゃんはそのまま、聞き耳を立てる。
『いっっっっでぇぇぇぇぇ!!
なにしやがんだ、太郎!!
本、落としちまったじゃねぇか!!』
『ごほん、もっちぇ、どこ、いこうと、ちた?!』
『何処も何も、ガイルさんやガルさん、レオン、ショウさんのところだよ!!
あの人たち、興味ねぇとか言ってたけど、これ見りゃ、変わるって!!
こんな極上の美女が………こんな、こんなけしからん格好を…………ッ!!!!
写し絵みたいな、そのまんまな絵も魅力的だが、俺はこの絵も好きだ!!
現実味はないが、写し絵よりも過激でエロい!!!!
男のロマンの塊だろ?!
これを見ないなんて、人生損してるぞ?!』
『しょうちゃ、みちぇいねん!!
おばか!!!みちゃ、め、な、ねんれい!!』
『誰が馬鹿だ?!』
『ラルクちゃ!!おばか!!!
ちょれに、はなじ、れてる!!
きちゃない!!!!!!!』
『あ、ヤベ、聖典についちまう。
せっかく、みんなに見せてやろうと思ってるのに。』
『お────ば─────か──────!!!!!!!』
直後、モニターのスピーカーから、ズゴォバッシーーーーン!!という派手な殴打音が響き渡った。
続いて、ゴソゴソ、ガサガサ、ズルズル、バッサァ、ギュッと、何かひきずり、被せた、纏めたような音が聞こえてくる。
しばらくして音が止んだ。
『じろ、もう、いいよ。』
『うん!!』
そこでようやく、二郎ちゃんがフッとカメラの前から退いた。
ビジネスホテルフロアの廊下が映る。
そこに映っていたのは――小さな体で白いシーツの塊をサンタクロースのように担ぎ、ズリズリと力強く引きずりながら、ラルクさんの部屋へと入っていく太郎ちゃんの、ものすごいたくましい後ろ姿だった。
そのシーツの塊の中からは「ふごっ!? まっ、待て太郎!ああ!!! 聖典が折れ……っ」という籠もった悲鳴が聞こえる。
ラルクさん、青年誌と一緒にシーツに包まれて運ばれているらしい。
相変わらず、力持ちだね、太郎ちゃん。
その横に二郎ちゃんが並び、シーツから聞こえる声を気にすることなく、歩いている。
……………うん、テンプレ、おやくそくの展開ですな。
というか、話の内容通りだと、二郎ちゃんがカメラを身体で隠してる間、廊下にエロ本がばら撒かれてたってことだよね?????
……………ラルクさん、ギルティ。




