第十三話 それぞれのホテルの楽しみ方part1〜(…………力士?)
Sideルナ
「………いや、バイキングも濃かったわぁ………」
私はガン見していたモニターから目を離し、乾いた笑いを浮かべた。
いやぁ、この世界の冒険者さん濃いわぁ………。
最初は常識人かと思ってたら、思わぬ癖見つけるし。
癖強にも程があるわ。
特にガルさんが濃かったけどね?
あの人本当に食べるね??
一緒にバイキングに突撃したシロちゃんも、むしろ飲んでたもんね???
バイキングの時間内で何回おかわりしたか、わかんないレベルだもんね?
途中で数えるのやめたわ。もう。
「――バイキング会場の片付けと、食後の案内。
後雑務とか、一通り終わらせてきたぞ」
「たらいま、ルナちゃ!」
そんなことを考えていると、祥ちゃんとトラちゃんが戻ってきた。
2人(一人と一匹?)に私は声をかける。
「おかえり、祥ちゃ、「……お前、俺、ポテチ食うなって言ったよな?」………ア゙!!」
そうやって私が声をかけた瞬間、祥ちゃんは私の手元を見て、ものすごい勢いでアイアンクローをする。
「ア゙ィ゙いだだだだだだだだ!!祥ちゃん!暴力は良くない!!毎回言ってる!!」
「教育的指導だって毎回言ってるよな?
俺、ポテチとコーラむさぼり食うなって言って出ていったはずだけど?
しかもお前、飯食ったばっかだろ。
何やってんのかな?うん?」
「ア゙─────!!!サーセン!!!」
頭をガシッと掴まれ、涙目で謝罪する私の横で、トラちゃんが「あーあ」というチベスナ顔で肉球を舐め、口を開いた。
「ルナちゃ、なんれ、こりにゃい?
ラルクちゃ、いっちょ?」
「やめてあの人と一緒にしないでさすがに傷つく。」
「スゲェ、早口。」
あまりにも不名誉なトラちゃんの言葉に、思わずノンブレスで抗議する。
………いや、普通に風呂覗こうとして、女性陣のいる前で、エロ本買う男と同じ扱いはヤダわ。
祥ちゃんのアイアンクローよりダメージデカい。
若干、泣きそうになるレベル。
そんなことを考えていると、私の考えが伝わったのか、はたまた私が涙目になっているのに気づいたのか、祥ちゃんはため息をつきながらアイアンクローを解き、呆れた目を私が見ていた液晶モニターへと向けた。
「ハァ……。まあいいよ。
反省したみたいだし。
お前より、冒険者一同のほうが大概なことになってるらしいしな………。もふもふたちから聞いた…………。」
「あー………そうなんだよなぁ………。
みんな、自由時間だって解散したのはいいんだけどさぁ、祥ちゃんが片付けその他諸々してくれてる間、めっちゃカオスなことになったんよ………。録画見る?」
「うん。」
私がそう聞くと、祥ちゃんは頷いて、私が座っているベッドへと近づき、横に座ると目の前の液晶モニターに視線を向けた。
私は祥ちゃんが座るのを確認し、録画した映像をかける。
モニターは複数台あるから、1台録画見るのに使っても大丈夫なのが良いよね。
しかも別々の映像を編集して、まとめてくれるおまけ付き。
ハイテクだわ。
さぁて、誰のカオスな空間からかな………あ。
「………は?ガルさん、シロ????
何やってんだ?」
再生した映像をみた瞬間、祥ちゃんの顔が引き攣った。
それに私を乾いた笑いを溢し、口を開く。
「………こちら、時間いっぱいバイキングを楽しんだのにも関わらず、コンビニに突撃、甘い物としょっぱいものを無限爆食しているガルさんです…………。」
そう言って、私はモニターに手のひらを向ける。
そこに写っていたのは、バイキングをたらふく食べた後なのに、コンビニで買い食い&爆食している、ガルさんとシロのコンビがいた。
………本当に胃のどこにそんなスペースがあるの????
「まだ食い足りなかったのか………」
ドン引きした顔で祥ちゃんが言う。
「………どんな胃袋してんだろうね…………。しかもさぁ、この後腹ごなしって言って、鍛錬、奥さんへのお土産選び、また爆食、仮眠、鍛錬、爆食、仮眠、鍛錬、爆食の無限ループだよ……シロちゃんだって、爆食、お昼寝、ホテルの仕事、爆食、お昼寝…………力士?」
「ブハッ!!」
喋ってる途中でふと思い当たって、口から力士という言葉がこぼれ落ちる。
その言葉に祥ちゃんが噴き出した。
そのまま身体を倒し震えてる。
「いや、あのガタイはプロレスラー??
シロちゃんが力士???
あの可愛いもふもふが、どすこいに????
いや、お相撲さんはかっこいいけどさ。
もふもふのにゃんこだと心配になるんよ。」
「………おま、マジでやめろ…………!!」
プルプル震える祥ちゃん。
………よし!祥ちゃんを倒したぞ。
そう思ってドヤ顔を浮かべると、察したのか、また祥ちゃんの手が私の顔に貼り付いた。
………私じゃなけりゃ、一歩間違えたら暴力男だぞ、祥ちゃん?!
え?何?トラちゃん、私がズボラと口滑らせる癖のせい???
…………せやな。
祥くんたちの物語を、いつも読んでくださり本当にありがとうございます!
漢字を翔くんから祥くんに変えてから、さらに作品へお越しくださる方が増えて、毎日の執筆の大きな励みになっております。
これからも祥くんとルナちゃんのお話をお届けして参りますので、よろしくお願い致します。




