第十話 部屋決め part2〜「ちょっと、まっちゃ。」
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そんな風に女性陣が喜びつつ、シティホテル風エリアへ、レオンとラルクがカプセルホテルエリアへ、大柄なガルとリーダー格のガイルがビジネス個室フロアへと部屋割りが綺麗に決まっていく……。
――はずだった。
「ちょっと、まっちゃ。」
「グフッッッ」
ラルクが秘密基地気分で、レオンと共にカプセルホテルエリアへ、一歩を踏み出した瞬間、いつの間にか背後に回っていた太郎が、ちっちゃい前足で襟足をガシッと掴み、ラルクを引き倒した。
そして太郎は、ゆっくり階段へと歩き出し、襟首を掴まれた、ラルクはズルズルと引きずられていく。
「ラルクちゃ、かぷちぇる、らめ、ないない。
きょう、もんだいじ、ラルクちゃ、ビジホ、たろう、おなじ、おへや。
ガイルちゃ、かぷちぇる、いっちぇ。」
「あ、おう、俺は構わねぇが…………」
「へっ!?選べるんじゃねぇの?! カプセル泊まれねぇの!? ってか、俺お前と同室ぅぅぅぅ!?!?」
カプセルホテルは構造上、一人の狭い箱に寝泊まりするようなものだ。
それではこの問題児から目を離すことになってしまう。
だからこそ、太郎は自分の監視下に置くために、ビジネスホテルのツインルームへと同室強制連行を決定し、ガイルにカプセルホテル枠のトレードを要求したのだ。
「お前、勝手に決めんなよ!!離せ……やっぱ、つっよ!!!力強い!!!この怪力がァァァァァァ!!!!!」
「じろ、 じろ、きちぇ。
ラルクちゃ、みはり、ちゅるの。
てちゅだっちぇ。」
「あいっ!!」
太郎が喚くラルクを無視し、階段に向かいつつも、二郎に声をかけながら、小さい手でゆっくりと二郎を手招きする。
すると弟の二郎が、太郎とラルクの元へトコトコと嬉しそうに走ってきた。
二匹のモフモフに挟まれる形になり、ラルクは必死にそれから逃れようとする。
「離せー!!! 二人がかりで俺を見張る気か!?
お前の本気の見張り付きって、独房じゃねぇか!!
俺は犯罪者じゃねぇ!!!」
「ラルクちゃ、えほん(※エロ本)いっぱい、かった。
おふりょ、のぞく、はんじゃい、らきちゅけ、かんちがい、ちてた、きけん、じんぶちゅ。
サラちゃ、ソラちゃ、シバかりぇても、こりにゃい。
たろう、じろとみはる。
できん、させにゃい、たろう、しょうちゃ、やさしさ、ありがたく、おもっちぇ。
くちちゃっく、おへや、いく、だまる。
じろ、いこ。」
「いこ、にいちゃ!」
「ラルクー、最高に可愛い看守付きの個室が貰えてよかったねー。
しっかり反省してこいよ。」
「レオンの裏切者ォォォォォ!!!!!」
カプセルホテルを楽しみにしていたはずが、自身の行いのせい、自業自得の自滅で夢破れたラルク。
レオンの呑気で辛辣な見送りを受けながら、ラルクは太郎と二郎の兄弟フェンリルによって、ビジネスホテルエリアへと静かに引きずられていくのだった。
黙って見送る冒険者一同とゆっくり後に続くガル。
全員、否はないようだ。
残当という顔をしている。
………そもそも、あれだけの青年誌を買っておいて、カプセルホテルの何処に寝るつもりだったのか、あれを置いたら、寝る場所ないだろうに。
(………まさか、青年誌に埋もれて眠るつもりだったんか……………?
秘密基地ってそういう……?????)
モニタリング室でお布団に包まりながら、気づいたら精神衛生面上よろしくないことに気づいてしまったルナは、顔を引きつらせ、大量の青年誌がある部屋に監視で寝る、太郎&二郎コンビにボーナスの増額をさらに増やすことに決めた。
長い一夜の始まりである。
(部屋決め・完)
【作者より】第十話、部屋決め編を最後までお読みいただきありがとうございました!
男性陣の男気と、はしゃぎ倒した結果、もふもふ兄弟看守に「危険人物」としてズリズリ同室強制連行されていった不憫なラルク(笑)。
ルナちゃんからのボーナス大増額も決定いたしました。
はたして、それぞれのお部屋(カプセル、ビジホ、シティ風)へと移動した10人に、今度はどんな地球の最新宿泊設備が待ち構えているのでしょうか!?
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