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第九話 実食part3〜「…………ここまで、腹が満ちたのは初めてだ………」 誤字修正しました。

まずはトラが主導し、シロたちが作った男性陣のテーブル席だ。

リーダーのガイルは、白色のラーメンのスープを掬い、恐る恐る口へと運ぶ。

その瞬間、ガイルの目が見開かれる。


「――っ! う、美味い!!……なんだこれ!!!!」


ただのスープではない。

豚骨と鶏ガラ、そして数々の野菜の旨味を煮出すことによって、完璧に調和し、凝縮した濃厚な旨味が口いっぱいに広がる。

続いてフォークで麺を口に運べば、麺に絡みついたスープと麺の香りが口の中へと弾ける。

ガイルは夢中になって、口へと運んだ。


その横では、太郎に辛辣な扱いを現在進行系で受けているラルクが、シロが手塩にかけて作った炒飯をスプーンで口に運んでいる。

一口、口へ運んだラルクはあまりの上手さに叫んだ。


「うわっ……うめぇええええ!!

この、なんだ?穀物?でいいのか?

に、 卵と肉の旨味が染み込んでて、スプーンが止まんねぇし、卵をこんな贅沢に使ったもの食ったことねぇ!!!」


シロちゃん渾身の炒飯の味に、ラルクはガツガツと炒飯を貪り食う。

またまたラルクの横に座っていたレオンは自分が頼んだつけ麺の極太麺を、楽しそうな顔で濃厚な魚介豚骨スープにつけて、口へと運ぶ。


「んんんーっ!! これ、モチモチで、すっごい美味しい!!!!

このドロッとしたスープ、お肉の旨味と……それに、これお魚の出汁も入ってるのかな?

濃厚なのに全然くどくなくて、いくらでも食べられる!!!」


その後は皆、3人は夢中で料理を啜り、それぞれの料理おいしさにの幸せそうに舌を打っていると――。


ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッ!!!!!!!

ズモモモモモモモモモモモモモモ!!!!!!!!

ジュルルルルルルルルルルルルル!!!!!!!


「「「んんんん!?」」」


その直後、とんでもない音が聞こえ、男性陣全員が右を向く。


右へ向くと、あのガルが、プリン30個、そしてスイーツ諸々を完食した直後だというのに、注文したチャーシュー麺を口へと運んでいた。

――いや、運んでいだという表現は生ぬるいかもしれない。

まるで竜巻が発生したかのような凄まじい音を立てて、ガルは麺を啜る。

…………見るからに外国圏の文化な異世界で啜る文化はないはずなのだが、食の吸引器の本能が働いたのだろうか????

まるで某・吸引力が変わらない唯一のあの家電のように凄まじい勢いで麺が消えていく。


もう、噛むことすら惜しいのだろう。

ガルは文字通り、チャーシューも野菜も、麺も何もかも文字通り『飲んで』いた。


そんなガルに男性陣、特にガイルはドン引きする。


「お、おいガル!!ガル?!?!?!

お前、プリン30個とか他の甘味、食った直後だよな!?

なんだ、その勢い?!?!?!?!」


「吸引力が……! 吸引力が全く落ちねぇ……!!

めちゃくちゃ吸ってる!!!!!」


「ガルさん?!どうしちゃったの?!?!」


ガイルはそのガルのあまりの食いっぷりに、思わずツッコミ、ラルクとレオンが、目の前で繰り広げられる某ピンクで色々なものを吸い込むキャラクターのような暴挙に箸……ではなくフォークを震わせながらドン引きしている。


ブハッッッッ!!!ものの数十秒で、丼の半分を占めていたはずの肉と野菜が跡形もなく消え、麺もスープも何もかも消え去った。

ゴトッ。

飲み干された丼が、テーブルへと静かに置かれる。


「ふぅー…………」


ガルは熱い吐息を漏らすと、無表情を見たこともない至福の表情へと変え、呟いた。


「………………美味い」


ニンニクの強烈な風味と豚骨の圧倒的なコク、そして脂の暴力。

そのすべてが、ガルの肉体と魂にひとつひとつ、ダイレクトにブチ込まれたのだ。


よくあれほどスイーツを食べた後に、あれほどのものを食べきったものだ。


「…………ここまで、腹が満ちたのは初めてだ………」


…………昔から吸引器だったようだ。

まるで心の声を零すように呟いた、ガルの瞳は満足気に輝いている。


「ガルちゃ、いっぱい、ちゅいこむ! ぷりんのあと、らーめん、ましまし、ぜんぶ、にょむ!! シロ、ちんじちぇた!!

じゅもん、おちえて、よかた!!!!!」


男性陣が座るテーブルの横では、この某二〇系呪文をガルに教え込んだ張本人である、ケットシーの赤ちゃん、シロがちっちゃい胸をフンスとはり、これ以上ないドヤ顔をしていた。


…………聞き捨てならぬことを言ったぞ、このもふもふ。


(いや、あの呪文教えたのシロちゃんかい!!!!!!!)


(お前が教えたのかよ…………)


裏のモニタリング室で画面をモニタリングしていたルナが、思わず突っ込み、祥は心の中で呟き、脱力する。


(どこで知ったかと思ってたら、何してんの、シロちゃん?!?!)


(─────組み合わせちゃいけない一匹と一人だったか…………)


モニタリング室のルナの突っ込みと、祥の脱力をよそに、食事のテーブルは満足気な男とドン引きの男三人というシュールな光景が広がったのである。

申し訳ありません。

ケットシーのシロをフェンリルと間違えて表記しておりました。

訂正いたします。

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