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第八話 調理編part2〜 「お前、今日初対面なのに、酷すぎねぇ???????」

もちろん、早いのは中華だけではない。


ラーメン屋の隣、お蕎麦とうどん屋を主導している太郎、太郎が率いるもふもふたちも手が残像になるレベルの速さで作業をしていた。

手際のいいもふもふたちである。


「おうどん、おちょば、だち、ちがう、きをちゅけて!」


「あー、らめ!!かちゅおぶち、ちゅまみぐい、ちない、めぇ!!!」


「よだりぇ、でりゅから、まちゅく、ちて!!!!」


…………ラーメン屋より、大変そうだが。

まぁ、猫に鰹節という言葉もあるし、仕方がないのかもしれない。


「なんで、ちゅまみぐい、ちゅるの!!

きょう、もんだいじ、ラルクちゃで、じゅうぶん!!!!」


「え?なんで、いきなり俺巻き込まれた???

俺、問題児扱い????やめろ?????

俺そこまでおかしくないぜ?

男なら当たり前だろ??????」


「へんちゃい、ほん、いっぱい、こりない、どこ、おかちくない?????」


「お前、今日初対面なのに、酷すぎねぇ???????」


太郎の言葉にラルクは驚愕したように突っ込むと、フンとも言いたげな顔で太郎が返す。

相変わらずの表情筋である。

あまりの辛辣さに流石のラルクも少し涙目だ。


「たろう、いちょがちい、ラルクちゃ、サラちゃと、ソラちゃ、ボコボコ、ちゃれてて。

たろう、ひま、ないないよ。」


「」


辛辣ついでとばかりにラルクにとっての死刑宣告がもたらされた。

ラルクは吐息すら吐けず、無言にもなれないまま、姉たちに回収される。

理不尽に見えるが、まぁ、女性だというオーナーの顰蹙を買って、ホテル出禁などなったりしたら目も当てられないという心理が働いたのだろう。

祥は顔見知りの冒険者として、コネとして、仲間に引き入れようと考えているが、まあ、それは祥の胸の内なので、冒険者一同には知る由もない。


ちなみにラルクの粛清はもう読者の皆様は、見慣れ飽きただろうから割愛である。


「………あのよ、ショウさん、あの、ソバつったか?あれ、ケットシーじゃなくて、フェンリルたちにさせたらいいんじゃねぇか?

なんつーか、物欲しそうに見ながら、作られると、こっちの心がちょっとな………」


もふもふたちが調理をしている姿を眺めていたガイルが、苦笑いをしながら、祥へ声をかけた。

ガイルの視界には太郎から配られたマスクをはめ、手際よく料理を進めるもふもふ達の姿がある。


ラーメン屋とお蕎麦兼うどん屋のカウンター内にいる、もふもふたちは5対5で別れていて、フェンリルとケットシー混合チームとして調理しているのだが、お蕎麦&うどんチームのケットシーの動きが少し悪い。

まぁ、ケットシーの食欲をくすぐる要素が多すぎるのが問題か。

ラーメンも肉があったりして、実は密かに喉を鳴らしながら調理していてヤバいのだが、如何せん日本人のルナや祥の影響を受けたもふもふである。

猫が魚好きという認識をもろに受けているため、ケットシーたちにとって、和食であるお蕎麦やうどんの調理は食欲を刺激し、特に鰹節はご馳走そのものなのだ。

マスクの下で「みゃ………みゃあ………」と必死によだれを耐え、鰹節を恨めしそうに見つめながら作業するケットシー達。

祥もそんな彼らを視界に入れ、口を開いた。


「申し訳ありません、実はフェンリルだけを蕎麦屋の店員にすることを検討したのですが………。

ケットシーたちの出汁の取り方、出来上がりが至高のものでして………」


「………そんなに違うのか?」


「はい、彼らは美味しい出汁の取り方を本能で分かっているのだと思います。

温度、煮出し時間、どうすれば世界で一番美味しい出汁になるか、それが分かってしまうのです。

故郷で食べ慣れている、我々が虜になるほどに。

あれはケットシーたちの才能と言っていいと私は思います。

ケットシーたちをお蕎麦屋から外せないのですよ。

申し訳ありません。」


(いや、本当それな???

あんな美味しい、うどんと蕎麦初めて食べたわ。

出汁が至高。)


そう言って祥が苦笑いをしつつ、ガイルに頭を下げる。

そんな祥をモニタリングしていたルナはウンウンと頷きながら、ケットシー特製の出汁を褒め、腹を鳴らす。


………思い出したら、お腹がすいたらしい。


ガイルと祥の間で異世界間ギャップが起きている中、そんな最中でも、太郎率いる和食部隊、彼らは手際はよく作業を続け、メインの調理に入っていた。


大ぶりのエビに溶き卵と小麦粉を合わせた衣にくぐらせ、薄いパチパチと美味しそうな音がする天ぷら油の海へと次々にそっと入れていく。

ジュワワワワワァァァァーーーッ!!!!

耳に届く食欲を刺激する揚げ音。

しばらく観察したあと、もふもふ達が長い菜箸を器用に使いこなし、衣に火が通り、サクサクになったタイミングで引き揚げていく。


そして冷水でキュッと締められた真っ白なうどんやお蕎麦に、熱々の出汁が注がれ、出汁が染みた油揚げやエビの天ぷらが盛り付けられていき、冷やしうどんやざる蕎麦を作るもふもふたちも手際よく盛り付け、専用の出汁を器に注ぎ、盛り付けたうどんや蕎麦にネギを散らした。


「…………オッケーみゃ! おまたちぇ、みゃ!!」


「おまたちぇ!!」 


中華を仕切るトラと、和食をまとめた太郎が出来上がった注文の料理を観察、全て間違いなく出来上がったのを確認すると、元気がいい声を出し、注文の品を冒険者たちの前へともふもふたちと共に運んで行った。


冒険者たちに地球の食事は通じるのか、それが、分かるのは次回である。

次回へ続く。


(2ページ目・完。)

【作者より】第八話、調理編part2を最後までお読みいただきありがとうございました!太郎たちの本能の出汁と、シロの強火中華鍋。はたして地球の味は異世界に通用するのか?「次回の実食編が気になる!」「もふもふ達を応援したい!」と思ってくださったら、もし画面下の【ブックマーク】や【評価(☆☆☆☆☆)】で応援していただけると、励みになります!これからもどうぞよろしくお願いいたします!

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