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第二話 エメラルドグリーンと海と白い浜の南国part7〜「お前、楳◯か◯おの絵みたいな顔になってんぞ。」

「分かればいい。

俺たちは3ヶ月後に神様一同を迎えなきゃいけないんだ。

拠点は確保できたんだから、一息ついたらさっそく外の情報を調べて、客を招かなきゃな──と、その前に。」 


「?祥ちゃん。」


「………誰だ?」


視線を鋭くし、祥ちゃんはフロントカウンターのすぐ横にある、バックヤードへ繋がる自動ドアを睨みつける。


………え、ここ無人島じゃ無かったの??

誰かいる?漂流者?

普通の冒険者だったらいいけど、ヤバい奴だったら、祥ちゃんと私しかいないこの状況は不味い。


体力0で運動能力➖️の私だけど、何とかならないかと周りを見回して、自衛出来る手段を探そう、目を走らせた瞬間。


「みゃ、みゃう……みゃみゃ、みゃん??」


「きゅ?きゅぅん、きゅきゅ?」 


自動ドアの陰から、ひょこっと、最高に可愛い小さな影が現れた。


そこにいたのは、二足歩行する極上のモフモフ猫の赤ちゃんたち5匹と、小さな白銀の狼の赤ちゃんたち5匹だった。 


赤ちゃんたちは戸惑いながらも、恐る恐るといった風に、ホテルの中を見回し、ゆっくりと入ってくる。

トコトコと短い足で、大理石調のピカピカな床の上を転がるように私の足元へ近づき、お行儀よく座った。


「「「「「みゃう?」」」」」


「「「「「キャウ?」」」」」


全員(全匹?)合わせて首を傾げる。


「……ッッかッッッ!!!!」


私は顔面が劇画状に凍りついたのが分かった。


「お前、楳◯か◯おの絵みたいな顔になってんぞ。」


祥ちゃんが何か言ってるけど、全然耳に入らない。

あまりの尊さに全細胞がロックされ、脳内の限界オタク語彙が音を立てて爆発する。


(無理無理無理尊い可愛い無理!! 何このモフモフの過剰摂取!? 天国!? ここはすでに天国か?! 極楽か?!


ああ、飼いたい、テイムしたい!!モフりたい!!!!

何、もしかして、リクルートに来たの?!

ここホテルも、コンビニも店員居ないもんね!!!

よし、採用! 全員終身雇用! コンビニの制服着せてレジ打ちしてもらう! 無料のご飯と水を毎日あげるから、一緒に寝てええええええええ!!)


「ルナ、ルナ、楳◯か◯おを通り越して、顔面がエライことになってる。

モザイク必須の顔になってるぞ。

モフモフたちが怯えてるから一回そのいつもと違う顔面凶器をしまえ」


「フワフワ………モフモフ………カワ………カワイイ………ココヲハカトスル………」 


「お前、語彙力何処やった???

つか、死にかけてね??」


私が語彙力ぶん投げながら、大理石の床に這いつくばる勢いで10匹のモフモフ赤ちゃんたちにデレデレの顔を向けていた(ドン引きしてる祥ちゃんを添えて)、その時だった。


フロントカウンターの上に置かれた最新式のパソコン端末の画面が、突如としてピコン!ピコン!と心地よい通知音を立てて明滅し始めた。


『──おーい! ルナちゃん、祥くん! 無事に南国の島に着いたかのぅ!?』


「ひゃいっ!? え?!おじいちゃん!?」


 驚いて飛び起きた私の目に飛び込んできたのは、画面からホログラム映像となってフワフワと浮き出ている、おじいちゃん神様の姿だった。


天界の通信機能、ホテルのPCにバッチリ連動しているらしい。


『ホッホッホ、元気そうで何よりじゃ。

さて、ルナちゃん、祥くん。天界ではドタバタしていて言い忘れておったのじゃが、お主たちいま、お主たちは二人しかおらん。

その状況では到底ホテルなぞ、開業出来んじゃろう。

その深刻な人手不足を補うために、わしが追加でもう一つ、知り合いの神の元から【テイマースキル】をもぎ取ってお主に授けておいたぞ!!』


「テイマースキル……!?」


ってことはこの子たちを………!


『そうじゃ! 今その足元におる可愛いケットシーやフェンリルの赤ちゃんたちは、お主たちの人手不足を補うために、わしが呼び込みをして、それを聞きつけて、集まってきた従業員候補じゃ!

まだ、赤子じゃが、その分読み込みは早い!!

わしの呼び込みを聞いて、お主たちに興味を持っておるから、テイムもしやすかろう!


テイムスキルを使えば言葉も通じるようになるし、お主の【オタク】スキルで出力した【神接客マニュアル】も一瞬で理解・実践できるようになるぞ。2人とも、スキル画面を開いて確認してみておくれ!』 


神様の言葉に促され、私がスキル画面のマイクマークに向かって「スキル発動!」と唱えると、固有スキル【オタク】の下に、新しく輝く項目が追加されていた。



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