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第二話 エメラルドグリーンと海と白い浜の南国part5〜「【スキル発動】!!【建築】【3重ハイブリッドホテル】!!」

「そうなんだよねえ。

かといって、もし消費体力なくても、いきなり最高級ホテル出すのもね。

貴族にもランクがあるし、最高級はきちんとした王族のために取っときたいし、何の伝もないのに高級ホテル出して、流れついた人間が、さっき言った悪徳貴族だったら目も当てられない。

だからそこそこ、良くて、もし奪われてもいいやつにするしかないかなって。

んで、出禁にしよう。

後で出禁方法も調べてさ。」


「……なるほど。

ランクの棲み分けができてない初期状態で高級宿を作るのは、俺たちの身のためにも、世界の階級社会のリスク的にも悪手ってわけか。

自衛手段も心許ないしな。」


祥ちゃん、最強だけどね。

最強なんだけど、リスク管理せず、最高級ホテルなんか出してもしも悪徳貴族が無茶振りしてきたとして、私も祥ちゃんも当然断る、そうなったら、テンプレ的に悪徳貴族は攻め込んでくる、そしたら本職の騎士やら、傭兵やら使ってくるでしょ。

そうなったら、最強な祥ちゃんも流石に無理だろうし、避けられるリスクは避けた方がいい。


「ん、だから奪われても大丈夫で、そこそこ対応出来るホテル 、お金のない下級冒険者向けの最安『カプセルホテル』、中堅・上級向けの普通の『ビジネスホテル』、そして厄介な貴族が来てもプライドを120%満足させて強奪されても痛くない『ビジネスホテル(シティホテルもどき)』を出して検証してみよう。」


「……それ、3つ出すことにならねぇか?

消費体力あった時のリスク高いだろ。」


祥ちゃんに検証してみようと言いつつ、私はスキル【建築】を開いてホテルを探す。

そんな私の言葉に祥ちゃんは顔を顰めて心配している。

それはそうだろうと思う。

さっきの舌の根を乾かない内に無茶しようとしてるように聞こえるだろうから。


───大丈夫だよ、祥ちゃん。

私の記憶が正しければ………あ、ほらあった。

私がテレビでみた最近流行りのホテル、コンビニ付き!!


「よし、あった!──地球でも大ヒットしてる、この3つのクラスを同じ建物の中に完璧に共存させた【3重ハイブリッドホテル】!!

祥ちゃん、私の後ろに下がってね!


【スキル発動】!!【建築】【3重ハイブリッドホテル】!!」


私は祥ちゃんを後ろに下がらせて、スッと右手を前に突き出し、マイクマークに向かって叫んだ。

  

ゴゴゴゴゴ……! エメラルドグリーンの波打ち際が目映い光に包まれ、空間がバチバチと音を立てる。 

次の瞬間、光が収まった砂浜の一角に、見慣れた緑と赤の看板と自動ドア、そして上のフロアに清潔感溢れるガラス張りのロビーを備えた、忽然と『コンビニ一体型のハイブリッドホテル』が姿を現した。


「…………スゲェ……」


地球時代、高校生にして世界に名を轟かす会社を経営(秘書を)していた祥ちゃんが呆然とそんな声を漏らした。 

無理もない。エメラルドグリーンの美しい海と、真っ白な砂浜。

そんな手つかずの大自然の中に光に包まれただけで、見慣れた緑と赤の看板を掲げた、ピカピカに輝くガラス張りの『24時間営業コンビニ一体型ハイブリッドホテル』が忽然と現れたのだから。

シュール極まりないが、圧倒的な現代日本のインフラの威容がそこにあった。

いや、写真で見た時から、思ってたけど、テレビで見た、某ファーストなキャビンに似てんな。


………あれ、そういえば消費体力は?

疲れとかないけど……?


私は異変がないか、自分の体をペタペタと触り、もしかしてと思って、ステータス画面を呼び出した。 


──【体力】5 / 5(消費:0)。


これは……!!!


「消費体力……ゼロ!! まさかのノーコスト、ノーリスク!!」


これだけ大きな建物建てたのに消費体力0!!


これは行ける!!



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