第二話 エメラルドグリーンと海と白い浜の南国part4〜「お前なぁ、心臓に悪い冗談をぶっ込むんじゃねぇよ!!」 「サーセン。」
「怒らないで、祥ちゃん。
あのね、なろう系異世界物のチート能力っていうのはね、大体お約束があってね?
こういうのって、いくら『魔力測定不能(無限)』だからってノーリスクで使えるわけじゃないんだ。
建造物を出力する時の脳内シミュレーションの精神疲労とか、空間に固定するエネルギーとかで、術者の『体力』がガッツリ持っていかれるお約束があるんよ。
どれだけ消費するか分かんないけどさ。
それは後で確認するとして、もし体力も消費されるなら、体力5・運動能力マイナス5のミジンコな私がそんな巨大建築を慣らしもせずにいきなり、出力した瞬間、ショック死する。
……あ、祥ちゃん、怖い顔通り越して、般若になってる、落ち着いて。
ごめん、盛った。
大げさな例えだったわ。
まぁ、悪くても1ヶ月は昏睡状態だから、死にはしないと思うよ?」
「いや、死ななぇだけで、ヤバいのは変わんねぇじゃん!!
お前なぁ、心臓に悪い冗談をぶっ込むんじゃねぇよ!!」
「サーセン。」
あ、話盛った事とか案を否定されたから、怒ってたんじゃなくて、心配してくれたんだね。
まぁ、自分のプラン否定されたからって怒る人じゃなかったわ。
私の中で祥ちゃんどんな奴なんだって話になるよね、反省。
「はぁ………ったく、心配させんなよ、本当に。
お前の身体が一番なのは変わらないけど、今この現状はお前がぶっ倒れたら納期3ヶ月が本気で詰むって状況だからな?
おじいさん神様も『君が頑張らんと発動せん』って釘刺してたし、無理は禁物だぞ。」
「……うん、ごめんね。」
ため息を吐いて言う祥ちゃん。
本気で心配させてしまったらしい。
マジで反省だわ。
「分かったならいい。
じゃあまずは消費体力があるかの確認をして、消費体力があるとしたら、出力の反動が少ないものから作っていくって事にするか。
で、何から作る?
どの層をターゲットにして、どんな風に稼ぐんだ?」
私が本気で反省してることが分かったのか、祥ちゃんは話を切り替えた。
どうやって稼ぐかって、それは勿論。
「そこで私のオタク知識が活躍するんよ。
私たち、この異世界に知り合いのコネが1ミリも無いやろ?
私が消費体力があった時のリスクのことを言って、さっき高級ホテル否定したけど、それだけじゃない。
否定した理由はまだ2つあるんだよ。
まず1つ目。
コネゼロの状態で、いきなり貴族向けの高級ホテルだけをポツンと建てて、後どうするの? 誰も来ないよ。
来なきゃ、お金が稼げない。
意味がない。
だからもしも、消費体力が必要ないにしても、最初は、お手頃のホテルを建てることにした方がいい。
来てもらうお客さんはまぁ、色々調べなきゃいけないけど、ギルドの依頼して冒険者に来てもらうとかしたらいいんじゃないかな。
その時、ちゃんとおもてなしすれば、口コミで勝手に広まってくれるだろうし。
この島の立地条件は分からないけど、潮の流れで、もし迷い込んでくる人がいればそれををターゲットにして、お金を稼ごう。」
「……なるほどな。冒険者をメインにするには高級ホテルは敷居が高いと。
………いいんじゃないか。
この世界の文明の進化状況は分からないけど、開拓なんていうくらいだ、中世ヨーロッパかアメリカの開拓時代くらいだろ。
そんな中だったら、地球の格安宿でも、高級宿に見えるだろうしな。」
「流石、祥ちゃん、頭の回転が速い。」
なにも知らないのに、よくそこまで分かるな。
流石高校生なのに世界に名を轟かす会社を経営してるだけあるわ。
「茶化すな。お前だって、頭の回転速いだろ。
この件に関しては。
んで、2つ目は?」
「うーん、さっき流れついた人間も、客にするって言ったじゃん?
もしも、貴族がたどりついた場合、『身分の低い冒険者と同じ宿に泊まるだと?!』って激怒しそうって思ったんだよ。
最悪、悪徳貴族とかだったら、最悪不敬罪でリゾートごと潰されるだろうし。
だから、2ついるかなって、思うと、消費する体力は少なくしたい。」
「………確かにな。
奪われるのは癪だけど、身分差が激しかった時代なら、あり得るか………」
私の言葉に顔を顰めて言う祥ちゃん。
私たちの時代は少しは身分はあるけど(王族とか)、そこまで差別ないし、形態化されてるだけって感じだしね。
差別するのはアタオカだけだよ。




