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第十八話 遭遇フラグ回収part2〜(ベッドの上でポカンと口を開けているルナと、ラルクの視線が、交錯した。 ───────してしまったのである。)

Side 第三者視点


天井のワープホールからドスンと降ってきたラルクは、床で尻を強打し、打ったそこを手で押さえ、四つん這いで呻いていた。


そんなラルクを凝視し、唖然としたまま、動けないルナ。

しかし、この祥(男)は違った。


「痛ってぇ………。うう………あ、やっと治まってきた………ぶふツツ!!!」


痛みが和らいで来たのか、周りを確認しようと、ラルクが顔を上げようとするよりも早く、祥は素早く動き、ベッドのシーツを引っ掴み、顔を上げかけたラルクの頭から、力強く被せた。


「ぶほっ!? なんだ、何が起きた?!

……………あれ?俺の美女センサーがビンビン反応………」


「黙れ。

お前、ここで何をしている?

さっきまでどこで何をしていた?

ここには簡単に入れないはずだが、何をした?」


シーツの上からラルクの首を掴むと、今までの敬語をかなぐり捨てて、祥が氷点下の声色でラルク言う。


祥の頭の中に様々な可能性がよぎっていく。


(………あの好々爺が、駄女神の干渉とか言っていたな。

だからこそ、立っていたフラグを使って、最小限のトラブルで防ぐと…………。

その最小限のトラブルがラルク(コイツ)か…………。

ならば、そこまで警戒する必要はないのか?


…………いや、コイツが何かに加担してないとも限らない。


聞き出さないとな。)


そう祥は考えると、眼前にあるシーツの塊を睨みつけた。


その刺し殺さんばかりの視線に、何かを察したのか、シーツの中でモゴモゴと蠢きながら、ラルクが叫んだ。


「ちょっ、ちょーっと待った!!!待った!!!!!!!

ショウさん!!!


俺、何もしてねぇよ?!

チェックアウトの準備して、ガルさんとか、兄貴が嫁さんの

そしたら、俺の足元に急に黒い穴が開いてさァ!

俺、ケツから落ちたんだよ!!

穴の中真っ暗だし!!!

めちゃくちゃ長げぇし!!!

すっげぇ、怖かったんだけど?!?!」


「……………故意ではないと?」


「そうそう!!!!」


身の危険を感じたラルクが首が取れるんじゃないかというくらい、頭を縦に振ろうとするが、首を祥に押さえられているため、頭だけがシーツ越しに高速で動く。


そんなラルクを感情の読めない目で祥が見つめると、先を促した。


「それで?」


「……………あ、いや、それでな?!

落ちた俺を、ガイルさんたちが慌てて掴もうとしてくれたんだけどな?!


そのガイルさんとか姉ちゃんの手をすり抜けて、俺だけがこの謎の空間に吸い込まれたんだよ! 


……って、ところで、ここ、どこ!?

シーツの隙間から、すっげぇ、豪華な内装が見えるんだけど!

でも姉ちゃんところと違うし、姉ちゃんとこより、豪華だし!!!

ここ、シティホテルエリアだよね?!」


「……………貴方には関係ないことです。

ここには立ち入り禁止だと申しましたしね。」


「…………え?じゃあ、ここって…………。」


「……………」


「ヒィ゙ッ…………なんでもないです。」


祥の言葉に、自分がどこに落ちたか気が付き、口を開こうとするラルク。

その瞬間膨れ上がった祥のオーラにラルクは顔を引きつらせ、撤回し黙り込む。


どうやら、本格的にこのホテルのオーナーは祥の地雷らしいと、ラルクは心に書き留め、シーツの中で引きつり笑いをした。


「事情は分かりました。

ラルク様、申し訳ありませんが、

今すぐこの部屋を出てくださいませ。」


(ラルクの証言で、コイツも利用された口だと確定した………が。

コイツ自身が、ルナを傷つけないかの保証はない。

コイツが、故意には傷つけるつもりはなくても、ルナが傷つかないとは限らない。

悪意がないからこその地獄だってある。


…………惚れた女(コイツ)を傷つけてたまるか)


そう祥が考え、ルナがラルクと目を合わせる前にと、祥がラルクの襟首を掴み直し、部屋のドアへと引きずり出そうとした──その時。


ジジジ、ジジジジッ!!!


(──────チッッッ……クソが!!!!!!)


(──っ!?ナレーター?!!)


突如、部屋の空気が激しく震え、祥とラルクの間にバチバチッと強烈な静電気のような青白い衝撃波が弾けた。


「くっ……!」


あまりの衝撃に、祥が小さな声を上げ、彼の手から、ラルクの襟首が強制的に離された。

そして、室内にも関わらず、突風がラルクに被せられていたシーツを、宙へと吹き飛ばした。


「あ──」


ルナが思わず、声を上げた瞬間、宙を舞う白いシーツの向こう側から、黙っていれば、ギルド一の美男子──ラルクの顔が露わになり、そして。


ベッドの上でポカンと口を開けているルナと、ラルクの視線が、交錯した。


───────してしまったのである。

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