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第15話 ダイニングバーともふもふバーテンダーpart5〜『ジャック・コーク』

「次は俺たち?ショウさん。」


「美味い酒、マジで楽しみだな!」


女性陣と祥のやり取りを見ていた、レオンとラルクが期待に満ちた目で祥と、もふもふたちを見つめる。


自分たちはカクテルに詳しくない。

ただ、先ほどから素人から見ても、見事だと思えるシェイカーさばきをしている、ミケと五郎。


そして、一つ一つのカクテル名をカクテル言葉と共に告げる祥に、期待が膨らまないはずがない。


そう目を輝かせる2人に対して、ミケと五郎が、スッとカクテルが入ったグラスを差し出した。


レオンの前に置かれたのは、黒い液体から弾ける炭酸の泡が弾け、そのたびに甘いバニラの香りが鼻腔を擽るグラス、ラルクの前に置かれたのは、どこか夕焼けを思わせる深い赤色のカクテルだ。


それぞれ『ジャック・コーク』、『レッドアイ』と呼ばれる酒である。


「レオン様にウイスキーをコーラという飲み物で割った『ジャック・コーク』、ラルク様にはビール───こちらで合うところのエールをトマトの果汁で割った『レッドアイ』でございます。」


そう言って微笑む祥はそのまま続ける。


「まず、レオン様にお出しした【ジャック・コーク】ですが、カクテル言葉は『飾らない心』。


レオン様はいつも環境に左右されず、自分を見失わない方。


どうぞそのまま、ありのままの姿でお寛ぎください。」


「コーラって、あのシュワシュワした美味しい飲み物だよね?

コンビニにあった。

アレってお酒にできるんだ。」


そう面白そうに言うレオン。

女性陣と違い、照れることなく、いつものマイペースなまま、グラスを見つめる。


そのグラスの氷がカランと小気味よい音を立て、気泡がパチリとはじけた。

レオンはそれを持ち上げ、グイっと煽る。


その瞬間、ガツンとくるウイスキーのコクと、それを包み込むコーラの刺激的な甘さが、レオンの口に広がり、レオンは感嘆の声を上げた。


「んー!美味しいね、コレ。

このウイスキーってお酒、ドワーフ産の酒に似てる!!

酒精も強いし、知り合いのドワーフの爺さんに持ってってやろうかな。


ねぇ、ショウさん、あとでミーナにもこの酒教えてやってよ。

お昼、ステーキ食べてる時、アイツ、ドワーフとの商売考えてたでしょ。」


感嘆の声を上げた後、祥に向かってそう言うレオン。

マイペースだが、彼も新人クランのリーダー。

クランのメンバーの事をきちんと見ているし、配慮しているのだ。


大事な仲間の事を考えなくて、リーダーにはなれない。

同じく中級クランのリーダーで、レオンの兄であるガイルの教えである。


………まぁ、マイナがレオンの最愛の彼女の従姉妹だと言うこともあるだろうが。


それに祥は微笑む。


「ええ、勿論。

ご説明致しますと申しましたし、よろしければ、このカクテルに使われてるウイスキーもお土産で差し上げますよ。」


(ドワーフに和牛ステーキがウケるってことも、ウイスキーがドワーフの酒と似てるってことも教えて貰ったしな。

こんないい情報貰ったんだ、それくらい安い。

ウイスキーをプレゼントしたとしても、ルナも反対しねぇだろ。)


レオンの言葉に笑って了承した後、祥はそう考える。


まぁ、当のルナは祥が作ったモクテルをお供にポテチをつまみながら、(へー……やっぱりドワーフってウイスキー好きなんだぁ)と呟きながら、呑気にこの光景をモニタリングしているが。


…………コイツ、だらけすぎである。




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