↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
120/128

第15話 ダイニングバーともふもふバーテンダーpart1〜「いらっちゃいまちぇ!」 「まっちぇた、みゃ!!」

Side 第三者視点


シロの完全復活アピールに、ルナがドン引きした(後ろで密かに復活してるガルにも引いた)数時間後。


昼食後のまったりした時間はあっという間に過ぎ去り、ホテルには再び、大賑わいの夜の時間が訪れていた。


バイキングを通り抜けた、奥の扉、その扉の前にずっとルナの布団のクリーニングに、かかりきりだった祥が冒険者たちを連れてやってきた。


─────ちなみに、シロとガルが復活して並んでいるのを見て、もふもふ共々、祥がドン引きしたのは言うまでもない。


さて、話を戻すとしよう。


「……ショウさん、この扉の奥に何があるの?」


「昼間は閉まってたわよね?」


不思議そうに首を傾げるレオンやエルダたち。


それに、祥はニッコリと微笑み口を開いた。


「こちらは、ダイニングバー。

───お酒が飲めるお店、といったところでしょうか。


今宵はこちらで宴でもと。

楽しい一夜を、どうぞお楽しみくださいませ。」


そう言い、笑みを浮かべたまま、奥の扉を静かに押し開けた。

カチャリ、と小気味よい音が響き、扉が左右に開け放たれる。


「「「っ………………!!」」」


開かれた扉の先、その先を視界に入れた瞬間、冒険者一同は、息を呑んだ。


そこに広がっていたのは、これまで食事をしたフードコートとも、バイキング会場とも一線を画す、洗練された大人の空間──『ダイニングバー』だった。


薄暗くはあるが、ぼんやりと温かみのある琥珀色の間接照明が、優しく、そして幻想的に室内の陰影を際立たせており、磨き上げられた漆黒の木製カウンターに、天井のスポットライトが美しく反射している。


そんなシックで圧倒的でお洒落で大人な雰囲気に、冒険者一同の誰もが言葉を失って立ち尽くす。


しかし、彼らの視線を何よりも釘付けにしたのは、バーカウンターのまさに中心に佇む2匹の姿だった。


「いらっちゃいまちぇ!」


「まっちぇた、みゃ!!」


カウンターの向こう側。


そこには、シックなケットシー用とフェンリル用の燕尾服に身を包み、スタンバイしている、ミケと五郎。


二匹の小さな前足には、すでにカクテルシェイカーが、まるで体の一部であるかのように、カシャカシャと振っている。

二匹の普段の愛らしい姿はどこへやら、その佇まいはまさに一流のプロそのものだ


冒険者一同はスポットライトの光を背負い、静寂の中でビシッと空間を引き締めるミケと五郎の格好良さに、ただただ目を丸くして圧倒される。


「き………」


しかし、その静寂が破られるのは一瞬だった。


「きゃああああああっ♡

なにこれ、可愛いっっっっ!!!!」


「あの燕尾服姿、反則でしょ……っ!?」


エルダをはじめとする女性陣が、黄色い悲鳴を上げ、お洒落な大人の空間は、一瞬で賑わい、女性陣の黄色い歓声で覆い尽くされた。


騒いでる女性陣の横で、驚いているラルクとレオンは口を開く。


「すげぇ……何してるか、分かんないけど……。

ミケと五郎、めちゃくちゃ、手際が良いのは分かる………。」


「…………あ、あれ、兄貴が言ってた、カクテルって酒?

ってことはミケと五郎って、バーテンダーってやつ?!

珍しい!!

初めてみた!!

わぁ、兄貴が羨ましがるだろうなぁ………。

………まぁ、カラさんのお土産選びで、ああなったんだもん。

自業自得だけどね。」


ラルクが呆然と呟くと、ジッと見つめていたレオンが、何かを思い出してように叫んだ。


どうやら、この世界にも数少ないがバーテンダーがいるらしく、自他共に認める、酒と嫁大好き男、ガイルからレオンは聞いていたらしい。


…………もし、これを知ったら、ガルやシロのように、人としての道を外れた胃袋を持っていないため(そのくせ、嫁から出された劇辛を食べて、トイレの住人になるのだ。嫁バカのせいで味覚バカになっているから救いようのない。)、今、医務室でロボ先生特製薬膳粥を食べているガイルは、血の涙を流して悔しがるだろう。


教えないのがあの男のためかもしれない。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。