第十四話 昼食の極上和牛ステーキpart8〜「……………ガルさんとシロちゃんのお肉の執着心と回復力、ヤッッッッッバ!!!」
美味しかった〜〜。
さすが黒毛和牛。
めっちゃ美味かった…………。
「はぁ………幸せぇ…………。」
「食ってすぐ寝んな。
朝も言ったろ。
牛になるぞ。」
私がゴロンとふとんに寝転がると、祥ちゃんが呆れたように言う。
「もー、牛でいい………あー………いい肉食べて、ゴロゴロすんの、幸せ…………。」
「馬鹿なこと言ってないで、ほら、起きろ」
ゴロゴロしている私に祥ちゃんがそう言うと、私の腕を掴んでぐいっと起こす。
そして、空になったステーキ丼の器をトレイにまとめ、私の目の前のモニターを顎で指す。
「お前はここで、いつもみたいに、大人しくそのモニター見てろ。
ラルクとかガルさんあたりが、またなんかやらかすかもしれないからな。
……もし何かあったら、すぐ俺を呼べ」
「え、祥ちゃん、どこ行くの?」
「……お前が朝っぱらからやらかした、ふとんのクリーニングだよ。
もふもふたちと今から洗ってくるわ。」
「………ごめんね。」
疲れたように、そう言う祥ちゃん。
…………本当ごめん。マジで申し訳ない………。
そう思って落ち込む私の頭をポンと優しく撫でて笑い、トレーを片手に持ち、祥ちゃんは部屋を出ていった。
そんな祥ちゃんの背中を見送りながら、私は優しく撫でられた頭に触れながら、ベットの上でぽつりと呟く。
「……祥ちゃん、やっぱりめちゃくちゃお母さんじゃん……」
優しい笑顔といい、うん、いいお母さんになるよね。
((ナレーター)そっちの意味じゃないだろう。祥の笑みと頭ポンは。)
…………ん?今、なんか聞こえたか……?
………まぁいいか。
何か聞こえた気がしたが、気のせいだろうと私はスルーし、指示された通り、モニターへと視線を向ける。
『レオンちゃ、ごろう、かたぢゅける、おいてていい!!』
『良いって。なんかオーナーやらかしたんだろ?
もふもふ、みんな行かなきゃいけないみたいだし。
下げるくらいなら、俺たちでも出来るから、早くやってきな?』
『そうですよ、トラちゃん、私たちでも出来るから、早く行ってきてくださいな』
『そうそう。
っていうか、オーナーってかなり手のかかるお姫様みたいね。』
『でも、エルダさん、ショウさんは苦痛ではなさそうでしたよ?
仕方ないなぁって顔しながら、ちょっと嬉しそうでしたし。
ねぇ?ソラ?』
『そうだね、お姉。
まぁ、いい女は振り回すくらいじゃなくちゃね♡』
食事が終わり、皿を下げようとするもふもふたちを制し、冒険者一同が下げようとする。
それにもふもふたちは慌ててるけど、それも断られて、クリーニングのほうに行くように言われてるみたいだ。
………マジでごめんね、もふもふちゃん………。
お客の冒険者さんたちもごめんなさい。
本当は私が、祥ちゃんともふもふちゃんたちがクリーニングしてる間、雑用するべきなんだろうけど、私が出てったら、余計仕事増やすよな………。
女性陣や愛妻家、一途そうな恋人持ちだけど、女好きいるし、万が一、引っ掛けちゃったり、彼らから情報が漏れたら不味いし…………。
役立たずなんじゃあ…………。
…………冒険者さん達は好意的に見てくれてるみたいだけど、事情しらない状態って仮定して、客観視したら、かなりヤバい女じゃね、私。
ふとん駄目にして、仕事増やすし、お客さんに顔も見せないし。
…………気をつけよう。
遠い目をしながらも私はそう誓い、その後、ふと医務室の事を思い出す。
「そういや、シロちゃんとかガルさん達はどうしたんだろ。」
そう思い、私は医務室の様子を知るために、フードコートが映ってる映像から切り替え、医務室内の映像に切り替えた。
その瞬間、私は固まる。
『かんじぇんふっかつ!!!!!!!!』
そこには、びたんっ!!!と、凄まじい音と勢いでカメラのレンズに張り付き、叫ぶシロちゃんの姿があった。
画面いっぱいに、満面の笑みのシロちゃんの顔がドアップで映っている。
いや、怖いわ!!!
『ル……オーナー!シロ、なおっちゃよ!!
ガルちゃも、シロも、なおっちゃ!!
おいちゃさん、ろぼ、いいって!!
よりゅごはん、おにくたべりぇる!!!!
おくちゅり、きいた!!!
しょうちゃ、つたえて!!
こりぇなら、おにく、たべていいよね?!
やくちょく、まもっちゃよね?!』
そうカメラに張り付きながら言うシロが、少し身体をずらすと、ドン引きした雰囲気をまとった、医務室の医療ロボのロボ先生(名医の知識がてんこ盛りのスーパーロボだよ。)が、シロちゃんとガルさんをあり得ないものを見る目で見つめ、ベットに座っているガイルさんは頭を抱えている。
えー………っと?つまり?
先ほどお昼ごはん前まで、お腹壊して、おかゆしか食べちゃいけなかった人(もふもふ?)が、もう復活して、お肉食べていいと?
…………マジで??????
ご都合主義にも、ほどがない??
異世界人ってあんなもん???
…………いや、ガイルさんが頭抱えてるってことは違うのか????
「……………ガルさんとシロちゃんのお肉の執着心と回復力、ヤッッッッッバ!!!」
シロちゃんとガルさんに私はただただ、ドン引きするしかなかった。
…………マジでヤバいわ。




