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第十四話 昼食の極上和牛ステーキpart5〜「なんれ、さっき、いむちちゅ、いわないの。」

さて、残る此度の問題児の一角(ラルクとマイナ)はというと。


「……………」


「…………マイナちゃ………おめめ、こわい…………。」


目の前にある肉を美味しく焼いている鉄板、その鉄板をマイナは真顔な上に、座った目でガン見していた。


そんなマイナをシャムは引いた目で見つめる。

正直、こうなる気はしていた。

今まで、食事のたびに、調理器具、その器具に注目していた娘なのだ。


こんな滑らかな天板見ればこうなるわなぁと遠い目をして、シャムは思う。


しかし、このくらいの鉄板なら、異世界にもあるはずだし、実際、調査の際に会ったはずなのだが…………。


「マイナちゃ…………なんれ、じゅっと、みちぇんの?

こういう、てんぱん、ありゅよね?」


「………あ、ごめん、シャムちゃん。

うん、こういうのうちの実家でもいっぱい作ってるんだけど…………。

こんな、お酒を使った調理方法があったなんてと思ったら………。

お父さんの知り合いのドワーフに教えたら、また鍛冶屋の業界が活発になるなぁって。


…………そうなったら、商機があるよね…………!!」


「そっち、か…………。らから、いつもより、おちちゅいてたの…………。」


(そっちか。)


(…………実家思いなのはいいことだよね、うん。)


シャムも祥もルナも話を聞いて、各々の場所で遠い目をする。


………異世界の女性は逞しいのだ。


「おあじは?」


「もっっちろん、おいしいよ!!!

ミーナのお父さんに食べさせてもらった、ドラゴンの味そっくり。」


「マイナちゃ、たべたの。」


「うん!!この調理方法使ったら、もっと美味しくなるかも!!!」


「それ、ナイス!!マイナ!!」


(なるほど……フランベで同じ味か………ということは素の味はドラゴンの方が少し上なのか?

………調べる価値はあるな。

あとで冒険者さんたちに相談してみよう。)


マイナの言葉を聞き、顔に出さずに考える祥。

抜け目ない男である。


そして、もう一人の問題児(ラルク)は────。


「……………、」


「ラルクちゃ、おいちくない?

とろける、かむ、ないない。

おいちいでちょ?」


「ジュワぁって、とろける、おいちい、オーナー、いっちぇちゃ。」


無言&真顔で食べるラルク。


そんなラルクに太郎と二郎が、不思議そうに声をかける。

朝方、太郎と二郎から強かに殴られ(まぁ、ラルクの自業自得なのだが。)、その上で姉たちからも粛清を受けたラルク。

何度も言うが、太郎と二郎はラルクを気に入っているし、いくら自業自得とはいえ、あまり、手加減出来ずぶん殴り、その挙句、人間の尊厳を奪いかねなかったのだ。


お詫びも兼ねて、手塩をかけて、張り切って焼き上げたのだが…………。


「「ラルクちゃ?」」


真顔で無言のラルクに恐る恐る、太郎と二郎が声をかける。


すると、すいっとラルクは二匹に顔を向け、ツーっと涙を流した。


え?っと二匹と様子を見ていた祥が固まる。

真顔で祥と二匹を見つめながら、ラルクは口を開いた。


「………口の中、切れてて、味わかんねぇ。」


「なんれ、さっき、いむちちゅ、いわないの。」


思わず真顔で返す太郎。

そんな太郎にラルクは黄昏たように呟く。


「言う暇なかった……………。」


ガルとシロの猛攻、それゆえに言えなかったらしい。


ラルク。

いくら変態とはいえ、哀れな男である。


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