↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
11/118

第一話 好々爺な神様とスキル名【オタク】part3〜「祥ちゃん、側にいて、一緒に来て。」「了解。」

「そうじゃのう、時にはスルースキルも重要じゃわい。

特にこういう流れの時はな。

内輪ノリの切り替え方なぞ、間違えたら、しらけてしまうし、かといって、これ以上、お主らの内輪ノリを続けたら、せっかく読んでくれてる読者(神)が「話進まないし、テンポ悪いからもういいわ、萎えたと。」ブラウザバックしてしまうぞ、恐ろしい。」


「あ、このおじいちゃん、メタ発言に全力で乗っかってきた。」


「そんな、作者の裏事情なんて聞きたくないでしょう。

何言ってんだこの人。」


中々愉快なおじいちゃん(神様?)に、私にしか向けないような目を珍しく向けた。


………祥ちゃんって私のこと、珍獣みたいに見る時あるよね。


「すまんのう祥くん。

わしのオタクの血が騒いでしもたんじゃ、許してくれ。

お主らの掛け合いがあまりに微笑ましくて、つい特等席で見入ってしまった。


………さて、話を戻すがな、ルナちゃん。

実は本当に【言ったもん勝ち】になっておるぞい!

なぜなら、お主の願い通りの島とスキルをすでに用意してあるからのう!!」


「え? ほんとに島くれるの?

スキルも?マジで?」


ダメ元で言ったのに。


「マジじゃよ!!

わしはいつも時空パトロールで、君や君の姉妹、そして一生懸命に君たちを守る祥くんたち兄弟を見ていてのう………。


あまりに不憫じゃし、何とかしてやりたいと、常日頃から思っておったんじゃ……。」


最初は元気よく言っていた、おじいちゃん神様(?)………もうハテナはいらないか、おじいちゃん神様は、途中からその勢いをなくし、悲しそうな目で私たちを見た。


「しかしな、お主らのことどうにかしてやるには、わしの力は足りんかった………。

わしはこんな見た目じゃが、神の中では末席も末席………。

なんのしがらみもなく、お主たちをここへと連れて来て、その上で異世界に転移させるなど、そのようなこと、この身が消滅するほど力を振り絞っても、無理じゃったんじゃ……。


それに、違う世界になんのお主らの許可もなく勝手に連れて行くなど、もしわしに力があり、善意であっても、絶対にしてはならんことじゃ。

一人よがりの善意や正義感など、悪意よりもたちが悪い。」


「おじいちゃん………。」


心の底から悔しそうに言うおじいちゃん。

悲しそうに目を伏せて、自分の力が及ばないことを、悔しそうにしている。

しかし次の瞬間、いたずらっぽく、それでいて嬉しそうな表情を浮かべて、口を開いた。


「しかし、その問題も解決された!!!

なぜならのう、お主たちが願ってくれたからじゃ!!

ルナちゃんは、孤島で大切な人たちとともに平和に暮らしたい、祥くんは大切な幼馴染が心を砕く事なく健やかにあって欲しいと!!


そのまさしく、強く清らかな想いが神であるわしの純粋な力となる!!

お主らのおかげで、わしの神格も上がった!!

お主らの許可も取れた!!


まさに今しかないと!!!」


手を高らかに上げ宣言するかのように言う、おじいちゃん神様。


驚き目を見開く私と祥ちゃんに神様は続ける。


「昨夜の夜10時頃。

──お主は願ってくれた、『家族と静かな島でだらだら暮らしたい』と。

それと同じタイミングで祥くんも「大切な幼馴染が心を砕く事なく健やかにあって欲しい」と願い、それだけでも、今言った通りとてつもない力となった。

しかし、それだけでは終わらなかったのじゃよ。

君たちが、強く願ったまさにその瞬間、離れた場所にいた、ルナちゃんの姉妹も祥くん、君の兄弟も、全員が心から全く同じようなことを願ったんじゃ!」


「えっ!? みんな同時に同じようなことを!?」


驚いて目を丸くする私と祥ちゃん。


私たち10人姉妹だけでなく、祥ちゃんたち10人兄弟までもが同時に願っていた?

「大切な幼馴染が心砕く事なく、健やかにあってほしい」と?


「そうじゃ。10人もの人間が、『家族と静かに邪魔される事なく、だらだら暮らしたい』と思う願いも、これたま10人もの人間の『大切な者が心砕く事なく、健やかに静かな場所で過ごしてほしい』という切実な願いも、どちらも純粋な願いじゃ。

その願いがあまりに強すぎて、願いが飛んできた時は、わし、いきなりレベルアップしてしもたからの。 

腰抜けてしばらく立てなかったわ。

神びっくり。

それでも本当にうれしかったんじゃよ。

地球の変態どもに脅かされて不憫なお主たちを救いたいという常々思おておったし、それと同時に、わしの今の状況にとってもまさに渡りに船じゃった。」


「状況?」


「何かあったんですか?」


おじいちゃん神様の言葉に、祥ちゃんと首を傾げる。


「実のところな、この天界の神々というのは、毎日めちゃくちゃ暇を持て余しておるんじゃよ。

もう、食って寝るかくらいしか楽しみがない神々が大半でな。

とある共通点(・・・・・)がある神々たちは世界を創る事に忙しいんじゃが、それ以外は本当にやることがなくてのう。

常に新しい『娯楽』に飢えておるんじゃ。

そこで、ルナちゃん、ルナちゃんの姉妹もオタクじゃったな?

そんな君らと同類のオタクであるわしが、暇で暇で仕方ない神々から『なんか面白い娯楽の世界を創れ!』って手酷い無茶振りをされて、カチカチの納期に追われておってな、修羅場じゃよ………わしのスケジュール帳見る?」


そう遠い目をしたおじいちゃん神様、気になったので、スケジュール帳見せて貰う。


…………いや、えっっっぐっっっ!!!!


「いや、今どきブラック企業でもないですよ、こんなスケジュール………神様の世界の上下関係と納期ヤバいな………」


一緒にスケジュール帳を覗き込んだ祥ちゃんもドン引きしてる。


ね?ヤバイよね?

神様でも死にそうなんだけど、やっぱり神様って【死】って概念ないのかな………。


「大丈夫なの?おじいちゃん。」


「労基とかないんです?

訴えた方がいいですよ。」


「ありがとうのう……本当にルナちゃんも祥くんも優しい子じゃ。


その優しさを利用するような形になって、本当に申し訳ないんじゃが、この異世界転移受けてくれんかのう?


お主たちがオタクの知識で創る極上リゾートを神々のエンタメとして献上すれば、わしの納期もクリアできるというわしの利、そして、さっき言った通り、お主たちは、願いを叶える事が出来、まるで異世界物のチートスローライフが出来るというわけじゃ。

どうかのう?」


おじいちゃんが本当申し訳なさそうにこちらを見て言う。


…………ここまで心砕いて、こっちのことを考えてくれる神様断れる?


私は無理。


「私はいいよ!チートスキルで異世界転移なんて、そんななろう系ラノベ的な事が出来るんだったら!

私も変態に遭わないで、のんびりダラダラ出来るし!!

おじいちゃんは、納期に間に合う!

一石二鳥でしょ?


………ただ、祥ちゃんたちは転移させないで。」


「ルナ?」


私の言葉に祥ちゃんは怪訝な顔をして私の名前を呼んだ。

それを無視して、続ける。


「………祥ちゃん兄弟にはさ、家族以外にも、支えなきゃいけない、社員が何万人っているんだよ。

私たちが一人占めしていい存在じゃないんだ。

異世界なんかに連れてったら、大混乱路頭に迷う人だっている。

スボラな私にも超えちゃいけない一線があるってことくらい知ってるよ。



………それに、祥ちゃんのお父さんお母さんにも悪いし。

そんな事言ったら、ためらいなしに異世界行くってわ決めた私って両親にとっちゃ、とんだ親不孝者だよね。


そうだ、ねぇ、おじいちゃん、私の姉妹と話せる?


流石に娘全員が居なくなるなんて、そんな事出来ないからさ────」


「ルナ!!!」


「!」


聞いたことがないような、祥ちゃんの鋭い声に、思わず言葉が止まる。

息をのんで、祥ちゃんへ振り向くと、悲しいような怒ってるような、そんな顔で私を見ていた。


「何が超えちゃいけない一線だバカ!

お前を一人で、そんな見知らぬ異世界に行かせるわけねぇだろ!

会社は社員たちのことは兄貴たちが何とかする!


俺にとっての最優先事項はお前を守ることなんだよ!

分かるだろ?!

今まで俺の何見てきた?!


異世界に行くことは、そりゃ想定外だが、俺はお前にあった時から、何があろうとお前を守るって決めてんだよ!!


………余計な事考えてないで、俺連れてけ。

幼稚園の時、約束しただろ。」



『(ルナちゃん、いつも泣いてるね。)』


『(………もう、ヤダぁ……知らないおじさんもお兄さんも、仲良くなれたと思ったら、ルナに変なことや怖いことするの……


▲▲先生だってルナを嫌な目で見たの。

怖かったの。

おまわりさん来た時、◯◯先生、ルナが悪いんだって、ルナがいたから悪いんだって………。

怖い顔して、っっルナに死ねって…………


何でルナはいつもこうなの?幼稚園の女の子たちや他のお母さんに嫌われるの?


………ルナ、産まれて来ちゃいけない子だったの………?)』


祥ちゃんの言葉でふと昔の事が頭によぎった。

あの時、まだ可愛げがあった私はいつも泣いてたっけ?


…………祥ちゃん、あの後、なんて言った?


『(そうかなぁ、でも、産まれなかったら、僕とルナちゃん会えなかったよね?

それは僕、嫌だなぁ。)』


『(え……?)』


『(他の先生とか知らないけど、僕はルナちゃんに会えて良かったよ!


ルナちゃん、僕は絶対、ルナちゃんのこと嫌いにならないから、僕とずうっと一緒に居よう?


僕が絶対守ってあげるよ!)』


『(本当?)』


『(うん、指切りげんまんしてもいいよ!)』


『(うん!!)』 


指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲ーます…………






「あ………」


「やぁっと、思い出したか、バーカ。

んで?お前が俺に言うことは?」


「ごめっ……」


「違うだろ。」


今まで忘れてたことを謝ろうとすると、祥ちゃんが遮る。


ほら、言えと言いたげに私を見つめる。


…………っ……


「祥ちゃん、側にいて、一緒に来て。」


「了解。

んじゃ、おじいさん、これからの事とか、スキルのこと教えて貰っていいですか?」


「………それ、なんじゃがのう…………」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。