第十三話 それぞれのホテルの楽しみ方part12〜 「人間の尊厳を失う所だった………!!!」
Side第三者視点。
「マジで、漏らすかと思った………!!!」
ビジネスホテルフロアの廊下、そこには冒険者一同、もふもふ従業員たち、祥が集まっていた。
半泣きで、先の言葉を吐くラルクに、皆一様に苦笑いを浮かべている。
あの太郎の爆弾発言の後、祥は医務室へと走り、スペアキーを持ってる太郎を捕獲した上でラルクの部屋へと向かった。
ルナはそのまま待機、この様子をモニタリング中である。
(………マジで危なかったよね、ラルクさん。
ラルクさんの部屋に着いて、すぐにドアを開けたら、本当ギリギリそうな、そう本ッッッ当ギリギリそうなラルクさんがいるんだもん………。
解いた瞬間、トイレに駆け込んだし。
本当に、大惨事にならなくてよかった………。)
そう思い、別室のルナは顔を引きつらせて笑いながらつぶやく。
そんなルナを知ることなく、半泣きのラルクは続けた。
「人間の尊厳を失う所だった………!!!
俺にだって、尊厳や恥じらいはあるんだぞ?!
いくら何でもひどくないか?!」
「………ごめんなちゃい、にいちゃ、やりちゅぎ………。とめなきゃ、らめだった………。」
「………ごめんみゃ………。」
ラルクの半泣きの顔を見て、シュンとした顔をする
いくら、ラルクが問題児であっても、これはやり過ぎである。
そこは反省すべきだろう。
………だが、そもそも、青年誌持って突撃という暴挙をしかけていたことを忘れていないだろうか。
「………でも、ラルクちゃ、ごほん、もっちぇ、とちゅげき、ちなかったら、たろう、ちなかった。
ちょこは、ラルクちゃ、よくないと、おもう。」
「うん、そこは俺が悪かった。だから姉貴たちの前で言うのやめてくんないかな?!」
自分のやったこと、その中でも自分に否がある部分は反省しつつも、根本的な事を指摘する太郎。
別に、趣味趣向は尊重されるべきだが、読者の皆さんもご存知の通り、ガイルとガルは、自分の妻以外に興味はなく、レオンだって恋人にしか興味はない。
祥は言わずもがな、ルナ以外見えていない(ルナは気づいていないが。)し、おそらく万が一ルナから振られれば、生涯独身である。
そういうものにそもそも、興味がないという人間に、押し付けるように布教をするものではないし、いくら有能といえど、祥はまだ未成年。
青年誌を見せるべきではない。
彼らもふもふは、祥からの影響で倫理観やコンプラに対して、とても厳しくなっているのだ。
────まぁ、急患のヘルプコールを受け、若干パニックになって、起きさせなきゃいい、その間にヘルプに行こうという短絡的に思考は落ち度でしかないが。
結局、人災(もふ災?)的事故である。
尊厳が失われなくてよかった。
「………つーか、本!!俺の聖書が!!!」
ハッと気づいたように、自分と共に包まれていた青年誌に目を向け、瞬間移動のように近づき、傷がないかチェックする。
「…………良かったぁ………傷ついてなくて………。」
「………ひとの、ごほん、ぐちゃぐちゃ、ないない、いくら、もんらいじ、でも。
ちゃんと、ちたよ、たろう。」
「まぁ、それはサンキューだけど、お前が縛らなきゃ………。」
そうラルクが口を開いたその時。
「そもそも、太郎ちゃんの言葉通りなら、縛らなきゃいけないことしようとしたって、私には聞こえたけど?
ねぇ、ソラ?」
「ねぇ、お姉。ラルク?
どういうことか、お姉ちゃんたちに説明できるよね?
悪いことしてないならさ♡」
「あ。死んだわ、俺。」
サラとソラの声が聞こえた。
彼女たちはいい笑顔でラルクを見ている。
このモニター中、ラルクは何回シバかれるのだろうか。
「この流れ何回目?
何回も天丼するのも良くないんじゃないかな。
見てる人も飽きてるだろうし。
ラルクがシバかれてるのは、割愛でいいでしょ。
中にはラルクが虐められてるって思う優しい人もいるだろうし。
見てて気分悪くさせるのは不本意だよ。」
「その優しい人は、この中もふもふと冒険者一同にはいないのな。」
「レオンとラルクは何を喋ってるの?」
レオンとラルクの会話に首を傾げるミーナ。
………相変わらず第四の壁を超える奴らである。




