第十三話 それぞれのホテルの楽しみ方part11〜『…………ところで、ラルクは?』 『『『『『『『『『あ。』』』』』』』』』
病人を癒し治療する医務室。
このホテルにも、身体に不調を訴えるお客様のために、随時開放されている。
しかし、その医務室は今、混沌と化していた。
『………くぅ………美味い。
ただのライスとプラムのオートミールなのに、なんでこんなに美味いんだ………。
…………もう少し、貰ってもいいか?』
んくんくんくんく………プハァ!!
『だちが、おいちいみゃ!!!
おかわり!!』
ずうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅう!!ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!
『………うまい。おかわり。』
…………ムサイ野郎と、もふもふが半泣きでお粥を食べている。
君ら、今の今まで、トイレの住人だったのに、何バカ食いしてんの…………。
様子を見に来たサラさんとソラさん、顔引きつらせてるよ………。
もふもふたち、チベスナ顔だよ………。
全員、漫画だったら、多分こめかみに怒りマークついてるんだろうな………。
『『いや、お腹壊して、迷惑かけたのに、おかわりしてんじゃないわよ!!』』
『ちゃんと、かんで!!シロちゃ、がるちゃ!!』
『また、ポンポン、いたくなりゅよ!!!』
『………おちり、ばくはちゅ?!』
『クロちゃ、わくわく、ちない。』
…………サラさんとソラさん正論。
んで、クロちゃん、まだ言ってんのか………。
そんなに、爆発するところが見たいのか????
『あのぉ〜………お見舞いにきました…………。』
『ガイルさんたち大丈夫ですか?』
私が乾いた笑いを浮かべながら、モニターを見ていると、モニターの中の医務室の扉が開き、ミーナさんとマイナさんが顔を出した。
言葉通り、お見舞いに来たのか、手にはスポドリやゼリーが握られている。
『ああ、大分落ち着いたのね。』
『皆さん大丈夫ですか?』
そんなミーナさんとマイナさん後ろから、エルダさんとエルマさんも顔を覗かせる。
『………兄貴?五郎から聞いてきたんだけど、大丈夫?』
『大丈夫じゃねぇが、こっちこそ聞きたい、大丈夫か、お前。』
それまた後ろからは泣きすぎて、目が腫れてるレオンさん。
あんまりにも腫れてるもんだから、ガイルさんが自分のことを横に置いて、突っ込んだ。
………あの後もずっと泣いてたんだね。
推しの死は辛いもんな。
オタクゆえに耐性がある私が、3日も寝込んだ漫画だもん。
そりゃそうなるわな。
『気にしないで、ちょっと心に傷を負っただけだから………。』
『いや、だから何があった?!………いってぇ………。』
ガイルさん、お腹壊した時は叫ばないほうがいいよ。
ツッコミたいのはわかるけども。
「ルナ、そろそろ、俺も医務室行くわ。
他の冒険者の飯も用意しなきゃなんねぇし。」
「ん、祥ちゃん、ありがと。」
頼りになりますな、私の幼馴染殿は。
ありがたやぁと拝むと頭に軽いチョップが落ちてきた。
痛くないけど、イテッとリアクションすると、祥ちゃんから笑い声が聞こえてくる。
思わず釣られて笑うと、モニターからレオンさんの声が聞こえた。
『…………ところで、ラルクは?』
『『『『『『『『『あ。』』』』』』』』』
レオンさんが、ふと思い出したようにいうと、医務室にいる全員の声が揃った。
そして、あっというような顔をして太郎ちゃんがつぶやく。
『………わちゅれてた。』
『………にいちゃ、ラルクちゃ、あちゃごはん、あとから、ぎゅうぎゅう………。おといれは?』
『…………』
『にいちゃ????』
太郎ちゃんの呟きに二郎ちゃんが問いかけると、無言が返ってくる。
んん??ちょっと待とうか、太郎ちゃん?
『………ラルクちゃ、ぼうけんちゃ、なわぬけ、らいじょうぶ、だから、ぬけないように、みはってたし………。』
『………ごほんと、いっちょ、ぬけたら、ごほん、ふむかも………うごくかにゃ、ラルクちゃ………。』
『………ちゃいあく、ごほん、あるから、もらちても、らいじょうぶ。』
『『『『『『『『『『「「は????」」』』』』』』』』』』』
だから、ちょっと待とうか、太郎ちゃん?????
とんでもない爆弾放られたんだが?!




