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第十三話 それぞれのホテルの楽しみ方part13〜「…………ラルク、お前また何かやらかしたのか?」 「聞かないで、ガイルさん。」

さて、レオンの配慮により、ラルクの修羅場は割愛。

再び、医務室へと場面を戻そう。


「…………ラルク、お前また何かやらかしたのか?」


「聞かないで、ガイルさん。」


ベッドの座るガイルが、医務室に戻ってきた面々、その中のラルクに目を止め、ギョッとした顔をする。

ラルクの顔には、それはそれは見事な紅葉のような手形が両頬についている。

ギョッとしないほうがおかしいのだ。


(フルスイングだったもんなぁ………。良いビンタだった。)


両頬に同時にビンタを受けたラルクをモニタリングしていたルナは苦笑いをして呟く。

医務室内の人間も全員苦笑いしていて、その様子になんとなく、何があったか理解しつつもガイルは突っ込まざるおえなかったようだ。

そんなガイルに遠い目をしながら、ラルクは聞くなと拒否した。


「マジで聞かないでください………。

クソ………!

明け方にも太郎と二郎からもビンタされて、朝メシを存分に楽しめなかったっつーのに……………。

患部をもう一回やりやがって…………。

やっと腫れも痛みも、引きかけたのに昼飯もじゃねぇか……………。」


「全部自業自得じゃん、お前の。

兄貴、心配しなくていいよ。

いつもの馬鹿だから。

コイツ、俺とかショウさんとか兄貴たちに、あの女の人の裸が描いてあるやつ見せる気だったんだって。

だから、サラさんたちにフルスイングビンタ食らったんだよ。

まぁ、最初、剣でブチのめされた、あの時よりマシじゃね?

ラルクが漏らしかけたから、若干手加減してあげたんだろうなぁ。

ってか、それよりすごいよね、あのビンタ。

アレがマジビンタなんだね。

あの本、マンガだっけ?に描かれてたから、気になってたんだ。

見れてよかったよ。」


「なんで全部言うんだよレオン?!

つーか、マジビンタって何?!

姉ちゃんたちの殺人ビンタのこと?!

そりゃ剣よりマシだけど、マシなだけで大差ねえからな?!

そもそも一発食らったところにもう一発だから、余計ダメージあるからな?!

つーか、そのマジビンタが描いてある本って何?!?!?!」


話を逸らそうとしたラルクに、無慈悲なレオンの暴露が続く。

そんなレオンにラルクは半泣きでツッコミを入れた。


(………呪いを呪いで祓うアレだな。)


(さっきまで、それとか鬼を斬る話で精神死んでたもんね…………。)


二人のやり取りをモニター越しと現地で見ていた祥とルナの心の声が会話のように重なる。

長年の幼馴染ゆえのある意味のシンクロ。

この作品で度々起こっていることである。


「まぁ、とにかく、ラルクは置いといて。」 


「置いとくなよ!!!!」


「兄貴たちの腹も(いろんな意味で)落ち着いたみたいだし………。

ショウさん、俺たちもお昼ご飯にしません?

俺も色々あってお腹減ってて、限界なんですよ。』


未だに抗議しているラルクをスルーして、レオンが祥に声をかけた。

確かにガイルの無自覚な地獄の布教の被害を免れたレオンやラルク、女性陣の胃腸は、いたって健康そのもの。

(若干一名別の意味で食事に苦労する奴は居るが。)


せっかくこの天国のようなホテルに来たのだから、まだまだ食事を楽しみたいと思うのは、至極当然のことだろう。


「そうね。せっかくこの素敵なホテルに来たんだし、楽しまなきゃ損よ。

ショウさん、お願いできるかしら?」


「えぇ、勿論。

では、私の国で本場にも認められた極上のステーキでも。

今からもふもふたちが調理して、最高の物をご提供させていただきます。」


そう祥が言い、医務室が喜びでどよめいた瞬間、一人と一匹の動きが止まった。


「………ステーキ、だと?」


「………おにく、たべるの?」


「………おい、ガル?シロ?お前らまさか…………。」


硬直した一人と一匹に横並びのベッドにいたガイルが顔を引きつらせる。


まさか、この体調で?と一人と一匹の様子をガイルは伺い、他の冒険者一同ともふもふたち、祥も伺う。


するとしたを向いていたガルとシロがバッと顔を上げ、カッと目をかっ開いた。


『そんな、うまいものをお前らだけで食うのか、俺たちも連れて行け。』


『だち、おいちい!!

れも、シロもおにく、たべたい!!

おかわりーーー!!!おにく!!!』


その凄みのある顔のまま、ベッドから身を乗り出し、大騒ぎし始めるシロとガル。

今の今までトイレの住人として、トイレから出られなかった奴らとは到底思えない、驚異の食い意地である。


そんな一人と一匹にガイルは頭を抱え、他の者たち(クロを除く)は叫んだ。


「「「「ダメに決まってるでしょ!!!!!」」」」」


「「「「「らめ!!!!!」」」」」


「………おにく、たべりゅの?

また、ポンポン、たいたい?ちぬ?」


「クロちゃ、おくち、ちゃっく。」


一部を覗いた全員の揃った言葉に一人と一匹はショックを受けた顔をしたが、さもありなん、当たり前だろう。

お腹壊した直後に肉を食う馬鹿が何処にいる。


「あんたたちは大人しくオートミールを食べて、そこで寝てなさい!」


「シロちゃ、ガルちゃ、ポンポン。たいたい。

おにく、らめ。」


「おにく……またおちり、ばくはちゅ………!」


「クロちゃ、まだ、わくわく?!」


(…………カオスもここに極まれりだわ………祥ちゃん、大丈夫か?)


(マジで、どうやって収めんだよ、これ………。)


(あ、祥ちゃん、笑顔だけど、アレ、めっちゃ困ってる時の目だわ。

……………祥ちゃん、ガンバ☆)


(………なんか、ルナが腹立つ顔してる気がする。覚えとけよ。)


(なんでや。)


…………本当に、カオス極まれりである。

御礼とご挨拶。


いつも弊作品をご覧いただき、本当にありがとうございます!


実は明日10月14日より、本作で「第15回ネット小説大賞(ネトコン)」に挑戦することにいたしました!

2ヶ月半もの間、毎日ルナちゃんたちとリゾートを開拓してこられたのは、ひとえに見に来てくださるみなさまのおかげです。


本気で書籍化を目指して、明日からのお祭りを楽しんでいきたいと思っています。


もし「このリゾートホテルを応援したい!」「書籍化目指して頑張れ!」と思ってくださる方がいらっしゃいましたら、この画面のすぐ下にある【ブックマークに追加】ボタンや、その下にある【評価システム】の星をポチッと動かして、頂けると大変執筆の励みになります。


そして、ブックマークや評価をしていただけますと、

• 最新話が更新された瞬間に、スマホへ「更新通知」が届くようになり、毎日の癒やしをいち早く受け取れます。

• 「どの話まで読んだか」がブクマをすることによって、しおりとして自動で保存されるため、三連休などの貯め読みや、気に入ってくださっている話の読み返しがいつでもできるようになります。

• そして、もう一度、言わせていただきますと、みなさまの応援が、選考においても、私の執筆においても、何よりも励みになります!


これからも毎日19:30に、変わらないのんびり楽しい、ルナちゃんたちの日常をお届けしていきます。


引き続き、弊作品をよろしくお願いいたします!




ワンさん

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