第十三話 それぞれのホテルの楽しみ方part7「………やっぱり、医務室のベッド三台にしようね、祥ちゃん。」
そうやって聞いたけど、結局祥ちゃんはスルー。
私の質問に答えてくんない?
本当、いつも、私の脳みそ覗いたみたいに思考読むのなんなんだ。
マジでエスパーだったりしない?
昨日の夜、不思議な雰囲気になった時もそうだったし。
………そういや、本当なんだったんだろう、昨日の祥ちゃん。
スルーする祥ちゃんの横顔を私がジーッと見つめている。
祥ちゃんはその視線に気づいて、一瞬私を見たけど、すぐに私から目を逸らし、わざとらしく、こほん、と大きく咳払いをした。
「ほら、こっち見てないで。
画面の奥にカメラを動かせ。
女性陣、買い物終わったみたいだぞ。
イートインに向かって行ってる。
そっち映して。」
「結局、スルーかい。まぁいいや。ほら、祥ちゃん、準備はいい?
トラちゃん曰く天丼、胸焼け映像〜激辛を添えて〜を映すよ。」
そう言って、私はリモコンを操作して、カメラの焦点を、女性陣が向かったイートインスペースへと移動させた。
映像が切り替わり、そこは地獄絵図。
『辛い、辛い、辛い!!!
お前、よくこんなもの食えるな?!お前の嫁も!!』
『ガル、お前、本当このモニター中、よく喋るよな。
しかも叫んでるし。
いつも喋んねぇし、ここではめちゃくちゃ喋ってたけど、ボソボソ喋ってただろ?
それが、どうしたよ?
そんな叫んで。
お前を知ってる冒険者仲間がみたらキャラが違いすぎて、ドン引きするんじゃねぇか?』
『叫ぶわ!!!
口が………口が………痛い
…………。』
………ガルさん、キャラ崩壊するほど荒ぶっておられる………、それほど辛いのか…………。
そもそも無口キャラなんだよね?
最初、祥ちゃん女性陣がアピールしてた時、ほぼほぼ喋んなかったし。
素はアレなのか。
んで、ご飯で豹変したあのガルさんも素なのか。
すごい二面性だな。
そして、なんであの地獄を食べたのか。
チャレンジャーが過ぎるでしょ…………。
んで、ガイルさん、なんで平然としてるのか。
ガイルさんも辛いの平気な人ってことかな?
『そんなに痛いか?
うちのカラの料理のほうが辛いぞ?
俺も最初は辛かったが、今は美味いと思う。
─────大をするとき、ケツは痛いが。』
『いや、身体に影響出てる!!!』
『………いがいと、おいちい、みゃ。』
『シロ?!』
………平気じゃなかった。
ガッツリ影響出とるやんけ。
そう思って私が顔を引きつらせると、横の祥ちゃんも「うえぇ……」と本気でドン引いた顔をして、モニターを見てる。
あの四大地獄より辛い料理って一体…………。
「………もういっそ、キャロライナ・リーパーでも、勧めようか、祥ちゃん………。」
「やめろ!ガイルさん死ぬぞ?!」
「せやな。」
アレ、ギネス載ってるし、下手したら死人出るって噂あるしな。
本当か知らんけど。
んで、シロちゃんは平気なタイプなのね?!
イケる口なのか!!
あ、ひょっとして、中華の達人だからか?いや関係ないか。
まぁ、とにかく、最強だね!
医務室のベッド、用意するの1台で良かったかな?!
「………ちゃいきょう、ちがう、たぶん、あとで、おなか、ゴロゴロ、ぴーぴー。
ルナちゃ、べっと、シロちゃ、いる。
あと、ガイルちゃ、たぶん、ピーピー。」
「トラちゃんも私の脳内読むよね。
まぁ、私がティムしてるから当然なのか??
なんか、色々ガバガバでよくわからん。
というか、ガイルさん?」
「たぶん、シロちゃ、同じ、にぶにぶ。
あと、くるよ。」
「………あー……なるほど、麻痺してるだけか………」
トラちゃんの言葉に祥ちゃんが遠い目をして、苦笑する。
………やっぱり、医務室のベッド三台にしようね、祥ちゃん。




