第五十二話 ▱初心者と殺戮者、合わせてー
「ジークフリート殿下。この聖騎士団長レドール、馳せ参じました」
「……そうか」
ジークフリート・ハリエンス。パトゥン王国、現国王
突如として招集をかけられ、暗黒界から全速力で舞い戻ったレドール
「面をあげよ、レドール」
そして顔をあげ、ジークフリードを見ようとした瞬間
レドールは、殺された
「すぅ………おい、カオス。これでいいんだな」
そしてどこからともなく声が聞こえた
一切無駄のない空間転移
「えぇ、それで大丈夫です。もうすぐ、リーヴが復活できる」
「口調が随分と変わったな、二代目のカオス様」
ふざけた口調で喋るハリエンスに対し、カオスは平然としていた
「イヴァインの名前は完全に捨てたのか?」
「いいえ。捨てたら、『願い』が発動できない」
八百年前、アルカードという無族に願いを取られたのは不覚だった
まだ混装すらも獲得していない雑魚が、極天に到達している由縁の一つでもあった
「だが、私達は宝玉を持つ『龍帝』を殺せない」
「あぁ」
ハリエンスは塵になっていくレドールを見ながらに応えた
「どうするんだ」
「あのリルラに龍帝を殺させ、その後に私達が殺す」
「ッ……あいつにそこまでの力があるのか?」
「大丈夫だ。混装を手に入れ、魔力量はえげつないことになっている。神と同等レベルだ」
「???……何故そいつは神になれん」
完全に消え切ったレドールからドロップした剣、ダーインスレイヴを手に取りハリエンスは適当に振り感触を確かめる
「簡単だ、レベルが足りん」
「ほぅ、そうか………」
カオスを少し見つめ、睨んだ後、王の間からハリエンスは出て行った
「………そうか」
▱
私は今何をしてるでしょーかっ!
はい!正解っ!そう、みんなの予想通り草を刈っています!
経験値入るからねー
しかも、鎌の使い方うまくなってきたっすよ兄貴
先程、中級草刈り術を獲得しちまったぜ
ん、なんだいや
どれくらい刈ってるかだって?
ろ・く・じ・か・ん、そう六時かーん!
「………あのー、パトゥン王国ってどこに…………………あり、ますか?」
え、誰っ?
「…………ほほー」
やばい、よくわかんなくて ほほー とか言ってしまった
………パトゥン?何か聞いた事があるなぁ
あ、そうだそうだ、龍帝門潜ってパトゥン王国に戻ってきたんだった
で、暇すぎて芋虫になりそうだったから草刈ってたんだ
で、誰?
「一緒に行きます?」
「……ありがとうございます!」
私ってもしかしてこのゲーム慣れ始めた?
パトゥン王国へ案内できるとか、初心者を超えたか………
ふっ、討伐履歴の『看破龍』の文字が輝いて見えるぜ
えーっと、ん?なになに?他には何があるって?
いやー、はっはっは、ちょっと企業秘密
いやいやいや、そんなねぇ、まさかショボいわけないじゃないですか奥さん
ねぇ?
………おかしいな返答がない
ま、気のせいだね、そう、きっと
ゴブリン、スライム、スケルトン、ドラゴン……人間、エルフ、ドワーフ、リザードマン
やべー、人を殺しすぎてる
討伐数、人間311万か、そうか、やべー、史上最悪の殺人鬼だね!
よし、気楽に行こうっ!
「私、初心者でどういう装備が良いとかわかんなくて……」
「なるほど、私もわかんないからなぁ」
コップだなぁ
なにさ、コップの熟練度999ってカンストやん
「えっ」
いやー、はっは、私も初心者なんだなぁこれが
「い、一応職業は弓手で……」
「え、そう?ちょっと待ってね」
弓なら数十万あった気がする
…………、お、伝説級の弓があるよ
……60個ぐらい
伝説とはなんぞや、…伝説か
耐久値一番高くて、威力が高いやつにしよう
「これあげるよ、私弓使えないから」
「………で、伝説………い、いいんですか?」
「うんうん、いいよいいよ」
「その……狩りとか一緒にやってくれます…か?」
ほう、なるほどね
いっかー、まぁ、リェンワっち作戦その②をするの二週間後だし
「いいよ」
「ありがとうございます!」
何か新鮮だね
「名前、なんていうの?」
「え?う。上のアイコンに書いてあります」
ほ、本当だ
こ、これは、私はまだまだ初心者かもしれない
『破天』達のなーかーでー
アルカードより上、つまり八番以上は混装を持っています
アルカードのスキルがいかに化け物でも混装を持っていなければ負けてしまいます
リェンワにルシ君が負けていたのもそれが原因ですねー
はいっ!て事でお読みいただきありがとうございました!
こっからが第二章、大詰めになるかもしれないですね!
いぇぇーい!頑張ってイッコー!




