第四十六話 ▱戦争⑦
白き服はエルト教に於いて、絶対の着用してはならない衣服である
「青い……降伏でもしたか?貴様等は………」
大声で、男が喋る
相手方が困惑しつつ、男を見る
「よーし、よく聞けっ!!邪教のクソ共ッ!!」
会場が騒めき、殺気が溢れる
使徒様はポテチを石に変えてお手玉をしている
何をやっているかは全く分からないが
「ハッ!今、ハイフェナス・クロウデラードの名に於いて………宣戦布告を申し出るッ!期間はッ!」
男は続ける
手元で魔法が構築され、手を真上に突き出す
スキルをフル活用し、席からジャンプし男に斬りかかる
「オード!?危険だっ!」
アンデンが静止するが、言う事を聞かずに直進する
パトゥン王国流剣術、一の太刀…
男が口を開く
「10秒だッ!」
衝撃的な内容を口走る異端者に全力で刀を振るう
「ッ!?蒼炎斬り!」
その剣は決して届かない……
だが、術式にダメージさえ当ててくれれば……
後、1メートル弱どとかない……
無理か、危険だっ
「解放変換………………月へ触れる」
眩い光が溢れ出した
◇
私じゃないリルラさんはとんでもない事を言い出した
なんと、リルラじゃないと言うのだ
全く意味がわからん
ハイ、フェス?なんちゃーらさんが今回のショー的なやつの主役かな
私一人だけが拍手する
あれ、始まらん
あ、ポテチ石化して遊ぼ
うぇーいお手玉〜、三個でいけるよー
ふっふー?
あれ、オード君だっけ?なんで客席から飛んでリルラツーに向かってるのかな?
………むむむ
まさかオード君も、役者なのかっ!?
ナルホドネ、全く気づかなかった
………あ、いや、気づいてましたよ?え、ナルホドネって言ってた?それは幻聴ですね
いや、いーや、全く口調が早くなってませんね、はい
………切り替えていこう
……?進んでるなぁ、あの聖剣とか言うやつで斬りかかってるよ
すごい剣幕だなぁ、なんか…あれ?あの青い炎見たことあるぞ
何処かで…うぅ……ヤッベ、出てこないっ
あー、なんか死にそうだった記憶があるー?いやぁ、わからん!
てことは重要じゃないね、無視する方向でいこう
うん?いや違う、あのちょー強いやばい人が使ってた技じゃん?
そうやん、そうやんっ!
無視すんじゃないよ
役者Aであるリルラツーが、なんかヤバそうな魔法を創り始める
なんか凄いッ!
わかんないけど………多分?
「蒼炎斬りッ!」
オード君の声が会場に鳴り響く
「解放変換」
白い霧が赤く変わり、放たれようとしている魔法へと入り込む
……え、これもしかして………やばい?
ま、いいか
お、黒の月コインでクリスタルを交換できるじゃん
よしっ!神託クリア、うぇーい
うぇーいクリスタルえーっと60か、60個交換
「あ、間違えて6000にしちゃった」
—スキル—根性が発動、再使用時間2:59:59—
眩い光が溢れ出し、下を見ると更地と化した会場がある
横を見ると、コトゥムさんが真剣を正眼に構える
これは……どーゆーことかな
「聖言教『天楔』の名を承る」
口調は完全に別人で、後ろから白と黒の二対の翼が生えてくる
「コトゥム・アグレンテル」
コトゥムさんのレベル表示が変化する
レベル、150万へと
「ロケラン、アルテマ」
間髪なしに、ロケランを放つ
見事命中、やっぱりこの距離は避けられない?
弾をセットする
だが、次の瞬間理解する
あれは避けなかったんじゃない
避ける必要がなかったんだ
コトゥムさんの髪が、黒から緑へ
身長が少し伸びて、顔が変わった
フレンド登録が切られ、通知が入る
一択だ………逃げるっ!
エルト教の最後の砦ルイクス城、その城壁を取り囲む奥の兵士達が一斉に行軍を開始した
終末の咆哮が鳴り響く
今日はもう一話っ!




