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Confession phobia  作者: nEin
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23/28

23.汗

更新が遅れてしまって申し訳ありません.

今回は、いつもより長めのお話になっています.


そして、ついに2人の気持ちが通じ合う…のかもしれません.




どうしたらいいんだ?

このくそ寒い中、汗が出てくる.

自分の気持ちに気付いたはいいものの、

こんな気持ち初めてなのでどうしたらいいのか分からない.


え、本当これ、どうしたらいいんだこれ.

『こんなことになるんだったら少女漫画でも読んで勉強しておくんだった.』

なんて、少し的外れなことが頭を過る.


あーあぁあぁー…

考えがまとまらない. 次に何をするべきなのか分からない.


ギュッと閉じていた目を開けると、私のそれとは違う、がっしりとしたうなじが目に入った.

やっぱり、犬島も男の子なんだな.

どうしようもない、今更当たり前のことに妙に納得してしまった.

それを実感した途端、また胸が締め付けられて切なくなる.


うなじ、触ってみたい、かも.

ふとした衝動に駆られる.

でも、此処で手を動かしたら起きてることがバレてしまう.

ちょっとした葛藤.

でも、私の頭の中は『さて、どう触ってやろうか.』って思いで8割を占められていた.

ってオヤジか私は!!


「…….」


あーもう痛々しいわ.

背中に背負われながら自分でツッコミなんてしちゃってさぁ.

正直、少し落ち込んだ.

もう、起きてるってバレてもいいや.

自分の欲望に忠実に.


「…犬島、」

「∑わ、笑ちゃん起きた??」

「うん、まぁ.」


敢えて『起きていた』とは言わない.


「おんぶやめる??」

「このままがいい.」

「∑あ、そっか、//」


後ろからだと、顔がよく見えない.

肩に耳をくっ付けると、先程よりも早くなった心臓の音が聞こえてきた.


「犬島、」

「ん//?」

「ドキドキしてる?」

「∑え!? あー、うん、まぁ、あの、うん. ね//!!」

「あのさ、」

「はい//!?」

「首、触りたい.」

「あ、痒いの?? どうぞー.」

「違う.」

「え?」

「私のじゃなくて、犬島のに触りたい.」


……….

…….

….


「∑え//!?」

「反応おっそ!」

「や、だって、笑ちゃんが急に変なこと言うから//」

「触りたくなったんだから仕方ないだろ.」


後ろからでも、夜道でも分かるくらい、耳まで真っ赤になっている.

ちょっと可愛い、なんて. 普段は絶対に思わないのに.


「っ…//!」


身体が勝手に動いて、まだ許可すらもらっていないのに、そっと太い首筋に触れていた.

ビクッとする犬島の肩.

好き、なんて. 私にはもったいない感情なのに.


犬島の首、温かい.

しばらく指先で撫でていると、犬島が大きな声を出した.


「に、笑ちゃん//!」

「ん?」

「そろそろ、いっかな//?」

「何が??」

「首…//」

「…ダメ.」

「∑え、そんな、笑ちゃん!?」

「じゃあ、噛ませてくれたらいいよ.」

「噛む//!?」

「うん. ダメならやめない.」

「分かった. いーよ//」


少し力む身体.

ドクドクと速い速度で血液を全身に送る心臓.

緊張、してくれているんだろうか.


ぺろ.

噛む前に軽く舐める. 注射の前のアルコールと同じ感覚で.

私が注射をする立場の人間だとするならば、身体を強張らせる犬島は患者という立場になるのかな.


がぷっ.

歯に伝わる肉の感触.

ぷつっ、と音がして口の中に鉄の味が広がっていく.


「∑い…ってぇ!!」

「ん、本気で噛んだからね.」


ちょっと血が出ちゃったけど.

洋服に付かないように、首についていた血を軽く舐めとってやる.


「…今日の笑ちゃん、何かエロい//」

「そんなことない. エロビデオの見過ぎだ、バカ.」

「う…//」

「ドスケベ.」

「∑ち、違うから//! 男だったら普通見てるもんなんだって!」

「男は皆そう言うな.」

「事実だからね.」

「まぁいいや. もうすぐ家着くから、降ろして.」

「あ、本当だ….」


少し先に光る一軒の家の明かり.

それを見て、犬島は寂しそうな声を出した.

例えるなら、その声は犬が寂しい時に出す声と似ている (クゥーン).


「寂しい?」

「うん. でも、それ言ったら笑ちゃん困るでしょ.」

「心配しなくても、私は帰ります.」

「そっか.」


ふふ、と少し笑って、犬島は私を地面に降ろした.

頭を撫でてくれる手が優しい.


「笑ちゃん、好きだよ.」

「うん、」

「知ってた?」

「うん、」

「笑ちゃんは、俺のことどう思ってる?」

「…….」

「……ごめん、変なこと訊いた. 忘れて.」

「…特別だと、思ってる.」

「え…?」


「私にとって、お前は…犬島は、特別な存在で、傍にいたい人で. 失いたくないと思ってる.」

離れないでほしい. 傍に居てほしい.

「誰にも取られたくない.」

どこにも行かないで. 私だけを見て.


犬島の顔が徐々に赤くなっていく.

私の顔も熱い.

でも、言いたい. 今伝えなくちゃ、いけない気がする.

真っ直ぐ目を見て. 偽りなく正直に.


「好きだよ. 私は、犬島のこと、好きだ…っ//.」


今までせき止めていた切なさが、想いが溢れだす.

それは洪水のように、涙となって零れ落ちていく.

理由は分からない. 苦しい. 切ない. 愛おしい.

呼吸が上手く出来ない. 身体が酸素を拒むかのように.


「笑ちゃん….」


ふんわりとした温かさが私を包む.

犬島の匂いがする.

いつからか、コイツの匂いは私にとっての精神安定剤となっていたんだろう.

落ち着く.

段々落ち着いてきたが、まだしゃくりあげる私をきつく抱き締めてくれる太い腕.


「好き、好きだ…//」

「俺もだよ、笑ちゃん. 大好き. 両想いになれて嬉しい//」

「うん、//」


少し腕を緩められ、顔を覗き込まれる.

ほんのりと赤いほっぺが愛おしい.

温まるように、手で頬を包んであげる.


すると、ゆっくり犬島の顔が近付けてきた.

これは…俗に云うキスってやつをするつもりなのか??

え、そういうもんなのか?

お互いが好きなら、もうキスしていいもんなのか?


「っ、っ、まだ早いっ//!!」

「∑んぶっ!?」


唇と唇が触れる寸前、包んでいた頬を両側から思い切り挟んでしまった.

パンッと小気味の良い音がして、自分の手のひらがビリビリと震えた.


「…笑ちゃん、痛いんだけど.」

「…うん、ごめん.」


気まずい雰囲気になりながら、心から謝った.

叩いてしまったということと、雰囲気をぶち壊してしまったという2重の意味で.

や、何かもう、本当にごめんなさい.


犬島の背中にいた時とは別の種類の汗をかいた.




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